バッグを中心に展開しているブランド「
TEMBEA(テンベア)」。持ち手がひとつの特徴的なキャンバストートバッグに見覚えがある人も多いのではないだろうか。
ミニマルなのにユニークで、日常使いとしてガシガシ使えるタフさも兼ね備えている。今回は、TORSO代表にしてTEMBEAデザイナーの早崎篤史さんにお話を伺い、ブランドを深掘りしていきたい。
帆布との出会いに衝撃を受けたのがきっかけ
ブランド名のTEMBEAには「放浪」という意味がある。放浪とは、いまいる場所におさまらず、さまざまな場所へ移り行くこと。いまの空気感や気分で新しい素材や色、形を模索し、無機質さや素朴さ、デザイン性を意識したもの作りを目指し、日常に馴染む道具としてのプロダクト作りに取り組んでいるという。まずは、立ち上げのきっかけからお話しいただこう。「TEMBEAは2004年にスタートします。その当時は洋服を作っていて、企画のなかで、ひとつの生 地スワッチに目が留まったんです。それは白くて綺麗で、しなやかな触り心地かつコシのある帆布で、その生地に衝撃を受け『これを使ってトートバッグを作りたい』と思ったのが最初のきっかけです。
そのころ、自分としてもこれといって気に入ったバッグがなく、『布製で男性も使えるものが欲しいな』と考えていた時期で、自身のニーズとバッグを作りたいという欲求が合わさり、その後ブランドのアイコン的な存在となる『BAGUETTE TOTE(バゲット トート)』というアイテムを企画しました。“こういうのがあったらいいのに”、“使ってみたい”という思いは、企画をするにあたりとても純粋な動機だったと思います」