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かつてはNBAのシェア率が約5割のコンバース:バスケットボールシューズを本格復活させた背景

2025.04.19
黎明期のバスケットボール界を支え、世界中のバスケットボールシーンの発展に貢献をしてきたコンバース。1984年には全米プロバスケットボールリーグでのシェア率が5割前後に達し、バスケットボールとコンバースは切っても切れない関係だった。
他社の参入や時代の流れなどもあり、長らくコンバースはバスケットボール界から身を潜めていたが、本年、バスケットボールシューズを本格復活させた。
コンバースの歴史を紐解くとともに、復活の背景や最新モデルの特徴について、コンバースジャパンの岡本さんに話を聞いた。

PROFILE

岡本 空里也(おかもと くりや)

コンバースジャパン MD課

バスケットボールの普及に尽力したコンバースの歴史

1908年、アメリカ・マサチューセッツ州で創業したコンバースは、当初は降雪や雨に強いラバーシューズの製造・販売を行っていた。
「ラバーシューズは冬場に売り上げが集中するため、通年販売できる商品の必要性を感じていました。そこで目をつけたのがバスケットボールでした」
バスケットボールは1891年に、冬季もできるスポーツとしてジェームズ・ネイスミス博士が考案。当時はまだまだマイナースポーツの域を出ていなかったが、様々な試行錯誤の末にコンバースは1917年に世界初のバスケットボール専用シューズ「キャンバス オールスター」を開発する。
現存する世界最古の「キャンバス オールスター」
「ご存じの通り、今も『キャンバス オールスター』は販売されていますが、ほとんど開発当時と同じスタイルを維持しています。それだけ、当時からこのシューズは完成されたものだったということです」
コンバースは、1922年には、その後60年以上も継続して発行されることとなる全米大学リーグのスコアなどをまとめたイヤーブックを創刊。
1957年にはキャンバス オールスターのローカットを発売する。
市場ではキャンバス素材からレザー素材に移り変わるなか、1974年にはレザーアッパーを採用したワンスター、1976年にはプロレザーを世に送り出し、バスケットボールの普及にも尽力した。
1958年のカタログ
1980年代に入ると、当時のバスケットボールシーンを支えたコンバースを履くスター選手の登場によりバスケットボールの人気が過熱。
多くの選手がコンバースのシューズを愛用していたが、スター選手が次々と登場したことにより、各スポーツメーカーが本格参入を果たす。
群雄割拠のバスケットボールシューズ戦線時代へと突入した。
1984年開催の国際的スポーツの祭典では、オフィシャルシューズスポンサー契約を締結し、各国にウエポンの全身モデルとなる「スターテック」を提供

熱烈なオファーを受け、待望の復活へ

そのシューズ戦線から一度は離脱したコンバースだったが、2025年、長年培ってきた知見と最新技術を融合し、コンバースのバスケットボールシューズラインを本格的に復活させた。
「社内外を問わず、バスケットボール界から復活を待ち望む声がとても多かったのが、今回発売に至った理由です。もともと、弊社としてもコンバースのルーツを考えたときに、復活する使命というのは感じていました。」
今回発売となったのは3つのモデルだ。
「コンズ アクセレレーター MID」18,700円(税込)
ひとつは1991年に発売された「アクセレレーター」を現代の技術でアップデートした「コンズ アクセレレーター MID」とミッドカットと異なるアッパーデザインの「コンズ アクセレレーター LOW」。当時、多くのプロ選手が愛用し、某人気漫画のキャラクターが履いていた、不朽の名作である。
「これまでのスタイルを踏襲しながら、機能面は大きく進化しています。一番の特徴は、土踏まず部分に配置されたシャンクです。
シャンクというのは、シューズの背骨のようなもので、シューズのねじれを防いで元の形状に戻したり、地面からの衝撃を和らげたり、シューズの屈曲性を左右するものになります。
本来このシャンクは地面に近いところに配置されるのですが、足と地面の間に挟まれるアウトソールの厚みによって、足の動きがダイレクトに床に伝わらず、タイムラグが出てしまうという問題がありました。
そこでアクセレレーターでは、このシャンクを宙に浮かせることで、足との一体性を高めています。これにより、足を踏み出しやすくなったり、転回がしやすくなったりしています」
アウトソールの底面に配されたコンバースのアイコンであるスターマークも、実は機能性を上げている。
「靴底に刻まれたヘリンボーンと呼ばれる波型の溝は、以前からあるグリップ性を向上させるための技術ですが、前足部に星型に配することで、この形に沿って、さまざまな方向にソールが屈曲するようになっています。
バスケットボールでは激しい動きが多いため、この星形の溝が動きをサポートしながら、しっかりとグリップしてくれるんです」
「コンズ ヴィックバウンド」20,900円(税込)
そして今回新たに誕生したモデルが「コンズ ヴィックバウンド」だ。
アッパーにまで大きく迫り出したアウトソールは、デザイン性だけでなく、機能性も高めている。
「ソール部分はすべて同じ素材のように見えますが、実は2部構造になっています。
アウトソールはクッション性のある柔らかな素材を採用しているのですが、サイドの出っ張った部分には硬い素材を使用しています。これによりジャンプやリバウンドのときの衝撃を和らげながらも、ホールド性や安定性も担保しています」

日本バスケを牽引してきた富樫勇樹選手がアンバサダーに

今回の復活にあたりアンバサダーに起用されたのが、千葉ジェッツふなばしに所属し、日本代表を牽引してきた富樫勇樹選手だ。
単なるイメージモデルではなく、バスケットカテゴリーにおいてはプロジェクトディレクターとして、商品開発にも積極的に関わっていくという。
「富樫選手が務めるポイントガードは、クイックネスな動きが求められるポジションです。今回のモデルについては、単にグリップ力があるだけでなく、次の一歩を踏み出しやすい、瞬発力に対する反応が非常に良いという感想をいただいています。
また、お客様からも『あのアクセレレーターが復活した』『富樫選手と同じものを履ける』と、想像以上の反響をいただいており、すでにサイズ切れを起こしているカラーやモデルも出てきました。
バスケットボールシューズでこういう話題はこの数年出てこなかったので、待ち望まれていた商品を世に出すことができた達成感があります。そして、我々の存在がバスケットボール市場に新たな風を吹かせ、盛り上げることができればと思っています。
今後も積極的に富樫選手から意見をいただき商品開発を行っていきますので、楽しみにしてほしいですね」

長くバスケットボールシーンを牽引してきたコンバースが、復活により今後業界にどんな風をもたらすのか、楽しみにしたい。

Text by Junko Hayashida

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