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山頂から日常まで快適に! メリノウール×COOLMAXのL.L.Bean新型ベースレイヤー
「ベースレイヤーはメリノウールに限る」という人は多い。調湿・防臭・抗菌性に優れていることから、“天然の機能素材”と呼ばれている。
アメリカを代表するアウトドアブランド、L.L.Beanもまた、この機能素材に注目している。その持ち味を生かしつつ、乾きにくさを克服したという新しいベースレイヤーの実力とは? 今回は、L.L.Bean PRの中村寛規さんにお話を伺った。
PROFILE
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中村 寛規(なかむら ひろのり)
エル・エル・ビーン・インターナショナル L.L.Bean PR

夏は涼しく冬は暖かい。だからメリノウールが選ばれる
「開発した理由は、以前からベースレイヤーを求めるお客様のお声をたくさんいただいていたためです。機能性の面から、素材にはメリノウールを選びました」メリノウールとは、メリノ種という羊から採れる高品質なウールのことだ。
「通常のウールより繊維が細いため、肌触りがしなやかで、チクチクしにくいのが特徴です。吸湿性や保温性、防臭性を兼ねそなえ、昔から登山用ベースレイヤーとして支持されています」
ベースレイヤーにすると、メリノウールの持ち味がいっそう引き立てられる。ウール繊維はクリンプという構造によって繊維の間に多くの空気層が生まれ、内部に水蒸気を吸湿して外に放湿する機能を持っている。この働きによって、暑い時期は湿気を逃がしてドライに保ち、寒い時期は熱を保持して暖かさをキープする──まるでエアコンのような役割を果たすのだ。
さらに、吸湿性が高いことで雑菌が繁殖しにくく、防臭効果も期待できる。そのため、こまめな洗濯が難しい長期間の登山でも重宝される。
「抗菌消臭機能に関しては、JIS規格に応じた日本の検査機関のテストをクリアしています」
COOLMAXとのハイブリッドで汗冷え解消
ただ、快適な素材として知られるメリノウールといえど、すべてにおいて完璧というわけではないという。「吸湿性は高いものの、放湿スピードは化繊より遅いため、汗をかいたあとに若干乾きにくく、夏などは汗冷えの原因になりやすいという課題があります。そこで思いついたのが、COOLMAX(クールマックス)と混紡するアイディアでした」
アメリカのインビスタ社が開発した高機能ポリエステル繊維は、繊維の断面が溝やチャネル状になっていて、汗をすばやく吸い上げて拡散させることで、短時間で乾かすことができる。また、肌に接する面をドライに保つことで、ベタつきや汗冷えの軽減が期待できるのだ。
「そこで新型のベースレイヤーには、太さ17.5ミクロンという極細繊維のメリノウールとCOOLMAXを掛け合わせたハイブリッド素材を使うことにしました」


混率の決定にも機能性を高めるための工夫が取り入れられている。
「メリノウールは60%以上で、COOLMAXは40%未満。あくまでメリノウールを主体にすることで、ウールのよさを残しつつ、COOLMAXで速乾性を高めたハイブリッド設計になっています」
ストレッチ性と3Dモデリングが実現する動きやすさ
着てみると、肌触りはサラサラで心地いい。さらにストレッチがきいていて動きやすい。ただ、ポリウレタンは混紡されていないはず……。「メリノウール繊維には独特の縮れ構造による弾力性と復元力がそなわっているからです。加えて編み地を工夫することで、ベースレイヤーに欠かせないストレッチ性を高めています」
ベースレイヤーだけにデザインはシンプルで、トップスの裾には伝統のカタディン・ロゴがさりげなくあしらわれる。

袖はスポーツウエアやアウトドアウエアによく見られるラグランスリーブを採用し、襟ぐりから袖下にかけて斜めに切り替え線が入り、腕の可動域を広げて動きやすさを高めている。3Dモデリングが駆使されたパターン設計も動きやすさの理由だ。
従来のパターン設計は、最初に2Dの型紙を製作し、縫製してから立体化し、その後修正を行うという流れ。一方で3Dモデリングはというと、3Dスキャナやモデリングソフトではじめから立体的に人体をとらえつつ、体型や動作時のライン、可動域などを解析してパターンを設計する。
「弊社の3Dモデリングでは、コンピュータ上で立体的に服を設計し、バーチャル試着のように360°から着用イメージを確認できます。素材の特性も反映されるので、実際に着たときにどこが圧迫されるか、どこが突っ張るか、といった不快な点を見える化することで改善につなげられます。
さらにアバターの体型を調整することで、さまざまな体型でのフィッティングが可能になり、幅広いユーザーに快適な着心地を届けることができます」

身体の丸みや肩の傾斜、腕の可動域などを立体的に造形することでフィット感が向上している。また、動作に必要なゆとりを確保することで、登山時の腕を上げる、屈むといった動作もスムーズに行うことができるのだ。
「アウトドアシーンはもちろん、日常でも快適に過ごせるようサイズやパターンを調整しています」
人気の理由は、高い汎用性と良心的な価格設定
「購入いただいたお客様からは、『肌触りがいい』『汗の乾きが速い』『常に快適な状態で過ごせる』『頂上での汗冷えの軽減を実感できた』などたくさんのよろこびの声をいただいています。汎用性の高さから、登山だけでなく、デイリーウエアとしても活用していただいているようです」また、メリノウールのウエアは総じて高価だが、L.L.Beanのそれは手が届きやすい価格に設定されているのも、支持率を獲得している理由のひとつである。
「L.L.Beanは創業以来、長く使える高品質なプロダクトを適正価格で提供することを重視してきました。このベースレイヤーも、日常でも気軽に着てもらいたいという思いがあり、できるかぎり価格を抑えています」
今後はスリーブレスやアームカバーなどへの展開も視野に入れているという。天然素材と化繊を掛け合わせることで、高いパフォーマンスを実現したのがL.L.Beanのベースレイヤーだ。それはただのインナーではなく、日常をもっとアクティブに楽しむためのギアそのものである。
Text by Ryota Osujo














