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「MAMMUT(マムート)」×「Nigel Cabourn(ナイジェル ケーボン)」互いの個性を高め合う最強コラボが完成
1862年にスイスで創業したアウトドアブランド「MAMMUT(マムート)」。ロープ製造業者としてスタートし、現在では登山用品やウエアを手がける、世界的に知られるアウトドアブランドだ。
そしてもうひとつ、ヴィンテージのミリタリーウエアやアウトドアウエアの世界的なコレクターでもあるデザイナー、ナイジェル・ケーボン氏が手がけるイギリス発のファッションブランド「Nigel Cabourn(ナイジェル ケーボン)」。創設以来一貫したヴィンテージクロージングや生地、ディテールを駆使したデザインが世界中で人気を集め、欧米はもちろん、日本でも熱烈な支持を得ている。
そんな2ブランドが、この秋冬にコラボレーションによるカプセルコレクションを発表した。
高いクオリティとセンスあふれる圧巻のラインナップから、マムート・スポーツグループジャパン株式会社 アシスタントブランドマネージャーの宇津木 正太さんに、アイテムをピックアップしていただき、詳しくお話を伺った。
ハイエンドライン「EIGER EXTREME」30周年の節目にセレブレートするようなコラボレーション
「2025年の秋冬シーズンは、MAMMUTがアスリートと共にアイテム開発を行うハイエンドライン、『EIGER EXTREME(アイガー エクストリーム)』が30周年を迎える節目の年です。この30周年を機にフルモデルチェンジを行うことになったのですが、せっかくのアニバーサリーイヤーということで、何か特別な企画でセレブレートできないかという話が上がりました。
そのなかで、以前からMAMMUTと関係のあったNigel Cabournとのコラボレーション企画が立ち上がったんです」

「1969年、日本の登山隊がアイガー[1]北壁の直登ルートに挑み、登攀を果たしたという、世界的にも有名なルートがあります。これは『Japanese Direttissima(ジャパニーズ・ディレティシマ)』(※ディレティシマ=イタリア語でもっとも直線的を意味する)と呼ばれ、アルプスでもっとも困難な直登ルートのひとつといわれています。この偉業をオマージュしたコレクションを作ろうとナイジェル氏が発案し、今回のコラボレーションがスタートしました」

Concept of Japanese Direttissima
今回のコラボレーションに至る経緯がわかったところで、デザインワークについても伺っていきたい。デザインはナイジェル氏が担当し、生産はMAMMUTが手がけたという。引き続きお話を伺っていこう。「ナイジェル氏の作品はミリタリーテイストのものが多い印象を持たれている方も多いと思いますが、実は山にまつわるウエアをオマージュしたものも数多く手がけています。
ご本人も『日本のエベレスト遠征隊が初登頂したときは、どんな服装をしていたのか』といった話をよくされますし、登山着に関する膨大なアーカイブをお持ちだと聞いています。
私たちとしても、歴史を大切にし、それをオマージュしてくれることを非常に光栄に感じています。今回のコラボレーションは、まさに双方の思いが重なったプロジェクトだと思います。
このコレクションは、完全にナイジェル氏主導でデザインが進められました。1969年にアイガー北壁の直登ルートに挑んだ日本の登山隊が、当時どんな服装をしていたのか──そのスタイルをベースにデザインワークを進めていったのです。
ナイジェル氏の膨大なアーカイブの中から、今回のコラボレーションの原案となるアイテムを選び出すところからスタートし、シェルジャケットやフランネルシャツ、ミッドレイヤーとして使うフリース、ニットなど、当時の登山隊を彷彿とさせるアイテムが、数多くラインナップされています。
こうして約12ルックスのカプセルコレクションが完成しました。パターンや付属パーツ、タグに至るまで、すべて一から製作。ナイジェル氏のこだわりに、MAMMUTが誇るクオリティで応えたコレクションになったと思います」

究極の暖かさを実現したダウンパーカ
ここからは、今回のコレクションの中からいくつかのアイテムをピックアップし、それぞれを深掘りしながらご紹介いただこう。「まずは今回のコレクションの中でも、もっとも重量感のあるアウターからご紹介します。『Mammut x Cabourn Direttissima IN Parka(マムート × ケーボン ディレティシマ インサレーション パーカ)』は、ダウンパーカタイプのアイテムです。
アウターシェルには、1930年代の開発以来、冒険家や登山家たちに天候対策用として愛用されてきた高機能素材『Ventile®(ベンタイル)』を採用。遠征用パーカの原点に学びつつ、現代的に再構築しています。
中綿には850フィルパワー[2]のグースダウンを使用し、究極の保温性を実現。また、胸ポケットやフリース裏地付きの立体ポケット、ミリタリーテイストのフロントボタン、木製のコードエンドなど、細部にまでナイジェル氏のこだわりが詰め込まれています。
さらに、今回のコレクションに使われているマンモスロゴは、1969年にMAMMUTが実際に使用していたデザインを復刻。ファスナーには、スイスの老舗ブランド『riri(リリ)』のものを採用するなど、細部にまでこだわり抜いています。
まさに、時代の先駆者として道を切り拓いた登山家たちの偉業を称えるにふさわしい、象徴的なパーカジャケットです」


1960年代の登山家たちがミッドレイヤー素材として愛用した、保温性に優れたウールアイテム
1960年代の登山着では、ミッドレイヤーにはウールのアイテムが用いられていたという。その伝統を受け継ぐ形で採用されたウールアイテムを、2つご紹介いただこう。「続いて『Mammut x Cabourn Direttissima Wool ML Jacket(マムート × ケーボン ディレティシマ ウール ミッドレイヤー ジャケット)』をご紹介します。
こちらはミッドレイヤーとして設計されていますが、季節やロケーションによってはアウターとしても着用可能です。
このアイテムは柄が印象的で、昔ながらのスイスらしいオーセンティックなデザインに、マンモスロゴを取り入れたジャカード編みになっています。素材には、イタリアの老舗ファブリックメーカー『PONTETORTO(ポンテトルト)』社の、軽く柔らかいメリノウールフリースを使用しています。
過去へのオマージュをレトロな雰囲気に落とし込んだ、時代を超えて受け継がれる普遍的なデザインになっていると思います」

「もうひとつのウールアイテムは、先ほどのものとはアプローチが異なります。
『Mammut x Cabourn Direttissima Wool ML Sweater(マムート × ケーボン ディレティシマ ウール ミッドレイヤー セーター)』は、今回のテーマであるかつての登山隊が着用したセーターからインスピレーションを受け、それをベースにデザインされました。
当時のジャカード編みの柄にマンモスロゴを組み込んだオリジナルの柄を、スコットランドにある世界有数の工場に編み上げてもらいました。
1960年代の登山家が防寒用ミッドレイヤーとして愛用していた保温性の高いウールは、今回のコレクションでも重要な素材のひとつです」


現代のMAMMUTの技術で作られた1960年代の登山着
このコラボレーションの企画が立ち上がるなか、ナイジェル氏と当時の日本登山隊のひとりである今井通子さんは、アイガー北壁の地で実際に対面している。「ジャパニーズ・ディレティシマ」をテーマに掲げたナイジェル氏にとって、感動的な出来事だったであろうことは想像に難くない。

MAMMUTにとって、ファッションブランドとしてのコラボレーションは今回のNigel Cabournが初めてだという。今回のコレクションの際、ナイジェル氏は「“山の洋服”もたくさん作ってきた」と語っていた。
そんな2つのブランドによる今回のコラボレーションについて宇津木さんは、「登山好きの方にも、ファッション好きの方にも楽しんでもらえるコレクションになったのではないか」と話してくれた。
ナイジェル氏のデザインワークをもとに、MAMMUTの生産技術が合わさって、1960年代の登山着が見事に現代のクオリティで構築された。ほかでは見ることができない圧巻のコレクションになっている。
[1]Eiger(アイガー)は、スイスを代表するベルナーアルプスに位置する標高3,970mの山で、ユングフラウ、メンヒと共に「ユングフラウ三山」と呼ばれる。
[2]フィルパワーとは、羽毛のかさ高性を表す単位であり、数値が大きいほど空気を多く含むため、保温性に優れた良質なダウンといえる。フィルパワーが大きいと、少ない量のダウンでかさ高いダウンを作ることができるため、軽いウエアとなる。
PROFILE

宇津木 正太(うつぎ しょうた)
マムート・スポーツグループジャパン株式会社
アシスタントブランドマネージャー
マムート製品のマーケティング全般から、プレス対応までさまざまな業務を担当。登山歴は15年。登山、クライミング、トレイルランなど幅広くアクティビティを行っている。















