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神経科学に基づく「Nike Mind」とは 一体どんなフットウエアなのか?
ナイキは、ブランドとして初めて神経科学に基づくフットウエアを開発したという。10年以上にわたるエンジニアリングと、製造上の挑戦の末に誕生した「Nike Mind 001(ナイキ マインド 001)」と「Nike Mind 002(ナイキ マインド 002)」は、片足あたり22個の独立したフォームノード(アウトソールから見える突起物)を搭載。このノードが、アスリートの動きに合わせてピストンやジンバルのように機能し、アスリートの感覚的認識を高めるサポートをするのだという。
アスリートのパフォーマンスのカギを握る“マインドセット”
アメリカ・オレゴン州にあるナイキ本社。そこにはNSRL(Nike Sport Research Lab)という、アスリートのパフォーマンス研究からプロダクト開発・テストまで一貫して行っている研究所がある。NSRLは、アスリートの夢を叶えるサポートをするために、45年以上、運動中の身体の動きを中心に研究を重ねてきた。そして、さらなるサポートをいかに行うかと思考を巡らすなかで、新たにフォーカスされたのが“マインドセット”なのだ。
「私たちは、アスリートが最適なパフォーマンスを発揮するためには身体的な準備と精神的な準備、このバランスが重要であることを理解しています。ゲームの勝敗を決める重要なファクターとして、マインドセットに近年ますます注目が集まっており、競争優位性を生み出すものとなっています。
NSRLには長年の間、知覚研究者を含む科学者たちが在籍していましたが、数年前から神経科学者たちがチームに加わり、マインドサイエンス部門としてアスリートのマインド領域の研究を強化しています」と、EKIN(エキン/ナイキのプロダクトのテクノロジーやイノベーション、開発背景やストーリーを伝える担当者)は言う。
NSRLに所属する最先端のチームであるマインドサイエンス部門の神経科学者たちは、世界でも数少ない移動式の脳・身体映像機器を活用し、運動中のアスリートの神経系、脳の活動、認知機能を研究。そこから得られた独自の知見は、アスリートの事前準備やトレーニング、競技、休息のサポートにつながるプロダクトやサービスの開拓に活用されている。
そんなマインドサイエンス部門が生み出した最初のイノベーションが、「ナイキ マインド 001」と「ナイキ マインド 002」なのだ。

アスリートの「今この瞬間」への集中をサポートする
「ナイキ マインド 001」と「ナイキ マインド 002」には、片足ごとに足裏を刺激する22個の独立したフォームノードがある。このフォームがアスリートの動きに応じてピストンやジンバルのように働き、地面の感触や質感を伝え、アスリートの感覚的認識を高める手助けをするのだという。 「人間の足裏には数千にも及ぶ感覚受容器があります。感覚受容器とは、冷たさや温かさ、触れられている感覚、圧力の感覚、痛みの感覚といった刺激を感知するセンサーです。
たとえば、シューズの中に本当に小さな石が入っていたときに違和感を覚え、それに気がつくことがあります。これは触れられている感覚(触覚)と、圧力がかかっている感覚(圧覚)が小石を感知して脳に伝えているのです。
足裏のセンサーはメカノレセプターと呼ばれています。このメカノレセプターは刺激を感知し、その情報を電気信号に変えて脳に送ります。メカノセレプターは全身に分布していますが、特に足裏に多く、地面の凹凸や傾斜、硬さなどを捉えて姿勢のバランスや身体の動きを調整する重要な役割を担っています」
ナイキ初の神経科学に基づくフットウエアである「ナイキ マインド 001」と「ナイキ マインド 002」は、着用により足裏を刺激することで脳の活動が活性化する可能性を示唆する研究結果が得られているという。
「たとえば、グラウンディングと呼ばれる瞑想の一種と同じように、足裏の感覚に意識を研ぎ澄まし集中することによって、足裏が地面に触れている感覚、重心が移動している感覚、身体の安定感などに意識が向き、アスリートが今この瞬間へと意識を集中しやすくなるのです」



自分の身体に意識が向きやすくなる感覚が得られる
「ナイキ マインド 001」と「ナイキ マインド 002」の発表に際し、ナイキ イノベーション担当VP兼クリエイティブ ディレクターであるエリック・エイヴァー氏は「ナイキ マインドのコンセプトは、足・身体・心を再び目覚めさせる新しい感覚的フットウエアです。これはパフォーマンスの新たなパラダイムであり、将来的なアスリートの能力改善をサポートできる可能性を示しています」とコメントしている。 実際に「ナイキ マインド 001」と「ナイキ マインド 002」を履いてみると、既存のフットウエアとはまったく異なる新しい感覚が得られる。ベアフット系のシューズとも、リカバリーサンダルともまったく違う、完全に新しいものだ。
歩いていると、いつも以上に地面からの情報をキャッチでき、自分の姿勢や身体の動きに意識が向く感覚が得られる。確かに運動をする前に着用すれば、自分の心身にフォーカスすることをサポートしてくれそうだ。また、日々の心身のコンディションの確認をするのにも役立ってくれるのではないだろうか。
本作のみならず、今後「ナイキ マインド」シリーズからどんなプロダクトが生まれてくるのかにも注目したい。
Text by Fumihito Kouzu










