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リンクルショットを新たなステージへ! 8年を費やしたポーラの「シワ改善プロジェクト」
2017年に誕生し、美容シーンにシワコスメブームを巻き起こした、ポーラの「リンクルショット メディカル セラム」。実はこの時すでに、社内ではシワ改善の次なるステージを見据えた新プロジェクトが始動していたという。
足かけ8年、述べ100名以上の企画者、研究者の熱意を結集した「リンクル ショット メディカル セラム デュオ」、その開発の裏側に迫りたい。
PROFILE
田中 美帆(たなか みほ)
ポーラ リンクルショット プロダクトリーダー
ポーラにおいて、リンクルショットブランド製品の企画開発を担当。「全てのシワは、美しさの可能性だ。」というブランドコンセプトのもと、シワに悩む方々と真摯に向き合い、一人でも多くの方の悩みにお応えすべく企画開発に取り組んでいる。
PROFILE
中西 類子(なかにし るいこ)
ポーラ化成工業 研究員
リンクルショット メディカル セラム デュオ 開発担当
長年シワ、美白、エイジングなど、さまざまな化粧品の研究開発に従事。効果のあるものをお届けしたいという想いのもと、毎年数百人の肌を観察し「シワを見る目には自信があります!」と語るスペシャリスト。
PROFILE
猪狩 友希(いがり ともき)
ポーラ化成工業 内容物開発研究員
リンクルショット メディカル セラム デュオ 処方設計担当
主にスキンケア製品の処方設計を担当し、ベストセラーアイテムの開発にも携わる。これまでにないテクスチャーの開発や、他に類を見ない効果実証のデータ取得など、化粧品業界に革命を起こすべく日々研究に邁進している。
シワコスメブームは「リンクルショット」から始まった
「リンクルショットの誕生以来『シワコスメ』という新たな市場が生まれたと感じています」と語るのは、リンクルショット プロダクトリーダーの田中美帆さんだ。確かに2017年以降、医薬部外品のシワ対策アイテムが続々登場し、美容シーンにシワコスメブームが巻き起こった。
「お客様からも『シワは諦めていたのに、お手入れする励みになった』など、喜びのお声をたくさん いただいています。ポーラがシワ研究をスタートしたのは2002年ですから、リンクルショット発売までは、本当に長い道のりでした」(田中さん)
今から20年以上も前に「シワはなぜできるのか?」という原点に立ち戻り、研究を開始したポーラ。シワの原因のひとつが「好中球エラスターゼ」にあることを突き止める。

この好中球エラスターゼの働きを抑える成分が、ポーラ独自開発の「ニールワン」だ。効果や安全性を14年かけて検証し、医薬部外品の「シワ改善有効成分」として初めて認められるという、日本初の快挙を成し遂げる。
多くの人が気づかない、顔全体に存在する「散在シワ」
ところで、あなたは「シワができる部位」と聞いて、どこが思い浮かぶだろう? ポーラの調査によると、上位にあがったのは「口もと」「額」「目尻」の3ヶ所だった。
「シワができる要因のひとつは、表情の動きによってかかる表情圧です。確かに目尻や口もとは表情の動きが激しく、一定年齢以上になるとシワが刻まれやすい。その一方で、笑ったときに上がる頬など、その他の部位にも表情圧はかかっています」(田中さん)
ポーラは2017年時点ですでに表情圧が緩やかにかかる部位にできやすい、「顔全体に散在するシワ」の存在を認識していたという。この散在シワに詳しいのが、研究員の中西類子さんだ。

「目尻や口もとの定着ジワは線として目立ちますが、散在シワは少しずつ生じるため、自分では気づきにくいんです。頬ならファンデがよれる、まぶたならアイカラーが線になるなどが、散在シワのサインといえます」(中西さん)
30代頃から「メイクのノリが悪くなった」と感じる人は、きっと少なくないはず。その原因のひとつが散在シワだったのには驚きだ。

「散在シワは、顔全体に無表情の状態でも存在するため、顔全体の印象を左右してしまいます。一刻も早く、顔全体にニールワンをお届けしたいと、初代メディカル セラム発売の裏側で『ニールワン全顔プロジェクト』が始動しました」(中西さん)
「ニールワン」は、水に溶かすと分解してしまう
ところがプロジェクト開始早々、開発チームに壁が立ちはだかる。それは、ニールワンには水に溶かすと少しずつ分解してしまうという弱点があったこと。「部分用美容液のメディカル セラムは、ニールワンを安定に配合するために、ニールワンを水に溶かさずにオイルで包み込み、分散させる方法を採用しました。これは目尻など部分的なシワに適していますが、顔全体に塗るとなると、一から考え直さなくてはいけません」(中西さん)

ニールワンを安定させながら、顔全体に心地よく広がるみずみずしいテクスチャーを開発するという難題に挑んだのが、処方設計担当の研究員 猪狩友希さんである。
「最初はみずみずしい感触をベースに、なんとかニールワンを安定させようとしました。難しかったのは、医薬部外品の承認を得るために、中味の内容や量に細かなルールがあったことです。
ニールワンとの相性も考えると、使える原料が非常に限られていました。いろいろ試したものの、思うような結果を出せませんでした」(猪狩さん)
開発スタートから3年が過ぎようとしていたとき、思わぬ形で突破口が開く。それまで1つの美容液で試行錯誤していたけれど「2剤にしてはどうか?」というアイディアが生まれたのだ。これがプロジェクトの重要なターニングポイントとなる。
「ヨーグルト」に「半導体」、突破口は他分野の技術に
もうひとつ幸運だったのは、時を同じくして、同僚の研究員が食品工場を視察する機会に恵まれたこと。そこで目にしたのは「フルーツヨーグルト」の製造工程だった。ヨーグルトとブルーベリーソースの「粘度」を同じにすると、両者が混ざりやすく、なめらかな食感が叶うという。
「この考えを応用できるのでは?と、チーム内で話し合いました。粘度を合わせるといっても簡単ではありません。限られた原料の中でニールワンの安定性を保ち、さらにお客様自身でブレンドしてもきちんと混ざり合うという課題があったからです」(猪狩さん)
それでも根気強く処方をいくつも考案し、ついに最適な2剤のテクスチャーにたどりついた猪狩さん。一般的に化粧品の処方は、効果が期待できる範囲に一定の幅があるという。
しかしこの美容液の場合、非常にピンポイントな「原料の組み合わせ」と「緻密な配合量」のみで成り立つ、まさに奇跡ともいえる処方だった。

こうしてようやく処方が完成した矢先、今度はまったく別の問題が発生する。
この極めて繊細なバランスで成り立つ美容液を「内容量を精密に計量して」「容器に充てんする」機械が、化粧品分野には存在しなかったのだ。
充てん機メーカーに断り続けられるなかで、突破口をもたらしたのは今度も「他業種の技術」だった。
「半導体の製造分野においては、0.1mm以下のレベルで電子基板に部品を接着する、高精度な充てん機が存在します。この高精度機器を活用し、さらに医療分野で使う精密な秤を用いた、オリジナルの充てんシステムを構築しました」(猪狩さん)

システムの構築に費やした期間はなんと4年。プロジェクト開始から、気の遠くなるような苦労の末に、ついに全顔用のシワ改善美容液「リンクルショット メディカル セラム デュオ」が誕生する。
「今回はたまたま私たち3名が取材にお答えしていますが、ここに至るまでに、述べ100名以上の研究者や開発担当者が関わっています。それぞれの想いを受け継いで、ようやく皆様にお届けできることを、本当にうれしく思います」(中西さん)
シワに悩む全ての人へ「ニールワン」を肌のすみずみまで
2025年1月1日、満を持して発売を迎える「リンクルショット メディカル セラム デュオ」。ニールワンを顔のすみずみまで届ける待望の美容液だ。
2剤を混ぜて軽く振り、洗顔後の肌になじませると、みずみずしいテクスチャーが心地よく広がっていく。まるで肌が飲み干すように、すっと浸透するのを実感できるだろう。

ニールワン全顔プロジェクト開始から8年、ニールワンそのものの開発スタートから考えると実に23年。多くの人の努力を結集した美容液の魅力を、改めて教えていただこう。
「研究員の努力で理想のテクスチャーが完成し、自身では気づかなかったシワにまで、ニールワンを届けられるのが魅力です。洗顔後の肌にまずこれを使っていただくと、土台が整う安心感があるはず。手のひらでお顔に触れた際、なめらかに整っていく変化を感じていただけたらうれしいです」(田中さん)

「テクスチャーの問題に加え、ニールワンの安定性や製品の安全性、生産工程から容器との相性まで考慮が必要で、どれかひとつ変更すると他も全部考え直す必要がありました。それでも『お客様 に満足していただきたい』という、ただその想いで開発した製品です。このみずみずしさと塗布後の心地よさを、ぜひご体験ください」(猪狩さん)

「2002年にシワ研究を始めた頃から『全てのシワ悩みを解決したい』という想いで取り組んできました。シワを諦めてしまっている方やお手入れに悩んでいる方に、ぜひ手にとっていただきたいですね。医薬部外品としては珍しい、お客様自身でブレンドする美容液ですが、そのステップも楽しんでいただけたらと思います」(中西さん)
生活者のシワに対する意識を変え、あらゆる年代の悩みに応え続けてくれるポーラ。今後の研究にも大いに期待したい。
Text by 宇野 ナミコ









