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ワコールが贈る“纏う芸術”:ランジェリー「サルート」の刺繍に宿る、物語と美しさの秘密
繊細な刺繍と独自の世界観が光るサルートのランジェリーは、インナーウェア市場においてまさに唯一無二の存在だ。着用すると、まるで一着の作品を“纏う”ような感覚を味わえる。
新作が発表されるたびに、そのテーマや世界観に沿ったデザインが話題を呼ぶサルート。どのようにしてその魅力が生み出されているのだろうか。そして、多くの熱狂的ファンを魅了し続ける理由とは?
今回は、株式会社ワコールサルートブランドマネージャーの小島さんに、サルートの魅力についてお話を伺った。
PROFILE

小島 沙弥香 (こじま さやか)
株式会社ワコール
サルートブランドマネージャー兼チーフデザイナー
2002年入社 大阪府生まれ
1979年誕生、“劇的セクシー”を貫くブランド
ワコールから展開されているサルートは、セクシーかつゴージャスなデザインが特徴で、熱狂的なファンが多い。その歴史は意外にも長く、1979年に誕生した。「サルートは、ワコールの専門店においてお客様に向き合うブランドとして1979年に誕生し、1983年にランジェリーの販売を開始しました。
もともとはナイトウェアからスタートしましたが、お客様のニーズにお応えするような形でランジェリーを販売し始めました」
思わず見惚れてしまうサルートのランジェリーは、女性の憧れのブランドとして長きにわたり君臨している。ゴージャスな下着は大人の女性になってから…というイメージを持つ方もいるかもしれないが、サルートのランジェリーに関しては、憧れの思いから購入層の世代もさまざまだ。

「大きな方向性としては、一度もサルートは変わっていないと思います。
時代とともに郊外にも駅ビルやファッションビルができるようになってきたことで、お客様の下着を購入する場所・チャネルが多様化し始め、少しづつ機能やデザインも変化させていきました」
ブランドコンセプトである “劇的セクシー”を軸に、一貫してサルートの持つセクシーのイメージは変わらない上に、年齢の枠を超えて女性たちを惹きつけている。
それは、各世代が憧れる「セクシー」というイメージに、サルートのランジェリーが寄り添うように不思議とフィットするからであろう。このイメージはいつ頃から根付いてきたのだろうか。
「サルートのブランドコンセプトは昔からずっと変わっていません。
デザインも長年、“劇的セクシー”を軸に展開しています。その時代に合わせて、女性の感じるセクシーのイメージが変化することもありますが、ワコールの中でもサルートは、様々な自分を愉しむ女性のブランドというスタンスをずっと貫いています。このぶれのない姿勢が、世代を超えて愛される理由ではないかなと思います」
刺繍に宿る、物語と美しさ
サルートの魅力を語る上で欠かせないのが、“刺繍”へのこだわりだ。
ランジェリーを彩る華やかで繊細な刺繍は、サルートにしか出せない仕上がりであり、コレクションごとに異なる表情を見せる。
「刺繍には毎回、強いこだわりを持って取り組んでいます。刺繍糸の色数が増えるほどコストはかかりますが、細部まで丁寧に仕上げることで、サルートの世界観を表現しています。
刺繍の糸も、煌めきやゴージャス感を引き立たせるために、ラメ糸の中から特に美しいものを選んでいます」
全ての女性に美しく着こなしてもらうために、アップリケの配置もサイズごとに調整。さらに、刺繍は単色ではなく、濃淡を重ねることで立体感のある表情を生み出している。
「色も1色ではなく、複数の色を重ねて濃淡や陰影をつけることで、それぞれの花が立体的に見えるよう工夫しています。何千色もある糸帳から選び抜いた糸を使い、陰影まで細かく調整して刺繍を完成させています。
刺繍以外の素材にも妥協はしません。体に沿ったときの美しさやカーブの表情、生地やスリットのなめらかさなどを意識しながら、できるだけ上質な素材を選んでいます」

また、サルートのファンにとって楽しみなのが、毎回のコレクションテーマだろう。新作の2025年春夏コレクションでは、グリム童話やアンデルセン童話など、世界中で愛されてきた童話作品からインスピレーションを受けて表現されているという。
「お客様に毎回楽しんでいただけるよう、出会った映画や本、そのときに感じた空気感などから、インスピレーションを得ています。
気になるテーマを見つけたら深く掘り下げ、そこから物語を広げてデザインに落とし込んでいます」
“纏う芸術”としての存在へ
新作のコレクションが発表されるたび話題を集めるサルートだが、ここ最近で反響を呼んだのが、2022年に発表された池田理代子氏監修『ベルサイユのばら』とのコラボレーションランジェリーだ。
「作品のファンの方々が店舗に足を運び、サルートの世界観を語ってくださったのが印象的でした。復刻企画でもSNSでたくさんのコメントをいただき、ファンの方々の熱量を実感しました」
サルートは“着る”だけでなく、“所有する喜びを感じさせる”ブランドといえるだろう。着用しなくても、いつまでも手元に残しておきたくなる美しさがある。

これまでも多くの女性の特別な存在となってきたサルート、これからもその意志は変わらない。
「サルートを愛してくださるお客様は、“サルートらしさ”を大切にしてくださっています。だからこそ、ブランドの軸はしっかり持ちつつ、時代に合った価値観や多様性に寄り添いながら、進化していきたいと考えています。
常に“求められるサルート”であり続けるために、心をときめかせるテーマ、着用時の造形の美しさといった本質的な価値を大切にしながら、これからも魅力的なランジェリーをお届けしていきたいです」
ランジェリーを“ただ身につける”のではなく、“纏う芸術”として楽しむ。サルートの世界を、ぜひその肌で感じてほしい。きっと、日常の中に小さなときめきを添えてくれるはずだ。
Text by Tajimax








