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2023.10.17

メレルが誇る傑作シューズ、25周年を迎えた「JUNGLE MOC(ジャングルモック)」が愛される理由

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1981年にアメリカで誕生したアウトドアブランド、MERRELL(メレル)。ハイキングやトレイルランニングからタウンユースまで幅広いシーンで人気を獲得している同ブランドから、「JUNGLE MOC(ジャングルモック)」が発売されたのは1998年のこと。アウトドアアクティビティの後に足を開放しリラックスさせることを目的に開発された「アフタースポーツシューズ」の先駆けとして登場して以来、販売累計数は1700万足以上になるという。その人気に火がついた理由、そして長く愛され続けている理由はどこにあるのだろうか。

ジャングルモックは会議中の停電をきっかけに生まれた

登場から四半世紀。ブランドのアイコン的存在となっている「ジャングルモック」誕生のきっかけはとてもユニークだ。
 
メレルは1997年に、業界の大手、ウルヴァリン・ワールドワイド社の扱いになる。複数のブランドを抱える同社では、グループ内でブランドの垣根を越えて定期的に商品開発会議が行われていた。とあるその会議中、停電が発生。復旧を待っている間、参加者たちは世間話に花を咲かせることに。その会話の中で生まれたのが、メレルの「JUNGLE RUNNER(ジャングルランナー)」というモデルのソールと、別ブランドのレザースリッポンのアッパーを組み合わせるというアイディアだった。
 
「ジャングルランナーは、1997年にリリースされた軽量&高耐久のマルチアウトドアシューズです。タコの吸盤のようなデザインのオリジナルのアウトソールが、驚異的なグリップ力を発揮し人気を得ていたのですが、停電の際、担当者がちょうど手にしていたのがこのシューズだったようです。
フランクなムードの中で他ブランドの担当者と“アフタースポーツっていう新しいジャンルを作っちゃおうぜ”といった感じで盛り上がり、ジャングルモックが生まれることになりました」と、日本国内でメレルを展開する株式会社丸紅フットウェアのマーケティング部・田中祐介さん。
発売から25周年。メレルのアイコン的存在となっているジャングルモック
発売から25周年。メレルのアイコン的存在となっているジャングルモック

発売してすぐに日本でもヒットモデルになる

質が高くしなやかなスエードを使い、フィッティングを調整するサイドゴアを採用したアッパー。軽量でクッショニング性能に優れたEVA製のミッドソール。グリップ力と耐久性に優れた特徴的なデザインのアウトソール。機能的で、着用時にはリラックス感が得られ、既存のシューズとは一線を画したハイブリッドなデザインが支持され、「ジャングルモック」は発売後すぐにヒットモデルとなる。
 
ジャングルモックの今シーズンのニューカラー。15,400円(税込)
ジャングルモックの今シーズンのニューカラー。15,400円(税込)
グリップ力に優れたアウトソールはジャングルモックの特長のひとつ
グリップ力に優れたアウトソールはジャングルモックの特長のひとつ
踵にあるループの効果で脱ぎ履きがしやすくなっている
踵にあるループの効果で脱ぎ履きがしやすくなっている
アッパーのピッグスエードレザーには撥水加工が施されている
アッパーのピッグスエードレザーには撥水加工が施されている
日本においても、90年代のストリートシーンでアウトドアブランドがトレンドになっていたこともあり、セレクトショップなどでプッシュされ、人気に火がついた。「ジャングルモック」リリースの翌年、1999年にはウインターバージョンの「WINTER MOC(ウィンターモック)」が、さらに2000年には通気性を高めた「JUNGLE MOC VENTILATOR(ジャングルモック ベンチレーター)」が登場したことからも、当時の「ジャングルモック」人気がうかがえる。
 
そして、現在では販売累計数が1700万足以上というロングセラーモデルに。この1700万という数字は公式発表されているものだが、実は「ジャングルモック」が20周年を迎えた2018年までの累計。数字は明かされていないが、15周年の2013年時点では1200万足以上と発表されていたことからも、現時点で2000万足を超えていても不思議ではなさそうだ。
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