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心理学から見た「かわいい」の正体と今後のゆくえ:入戸野宏

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私たちの身のまわりは「かわいいもの」であふれている。キャラクターにもファッションにも、もちろん人にも使われる身近な言葉だが、私たちは「かわいい」についてどれだけ知っているのだろうか?
「特集:かわいいのゆくえ」では、心理学・ファッションの歴史・アイドル・ロボットなどのいくつもの研究者・当事者の視点から、「かわいい」のさまざまな見え方と、そのゆくえを考える。
第1回は、大阪大学教授の入戸野宏さんだ。人間の心の動きを研究する「実験心理学」で、「かわいい」を15年以上にわたって調査している、かわいい研究の第一人者である。
「かわいい」とはどういう状態なのか、「かわいさ」にはどんな種類があるのかなど、研究の最前線を伺った。
PROFILE|プロフィール
入戸野 宏(にっとの ひろし)
入戸野 宏(にっとの ひろし)

大阪大学大学院人間科学研究科教授
1971年、神奈川県生まれ。広島大学大学院総合科学研究科准教授を経て、2016年より現職。専門は実験心理学、心理生理学。著書に『「かわいい」のちから:実験で探るその心理』(化学同人、2019年)がある

「かわいい」とはなんだろう?

まず、「かわいいを研究する」とは、どんなことをしているのでしょうか?
私たちは毎日のように「かわいい」と口にしたり、「かわいいもの」に囲まれながら過ごしていますよね。ではどんなものをかわいいと感じているのか、かわいいものを見たときにどんな感情になり、どんな行動をとるのか。そういったテーマを実証的な心理学の手法で研究しています。アンケートをとったり、ヒアリングをしたり、さまざまな実験で人々の反応のデータをとりながら考えていくという研究です。
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