この度、日本を代表するトヨタ自動車株式会社が、自動車の製造過程において避けられない廃棄物の問題に対して新たな取り組みを始めた。これまで同社は「
TOYOTA UPCYCLE(トヨタ アップサイクル)」という名でアップサイクルを行ってきたが、今回さらなる一歩として、本革シートの端材を利用して、デザイン性の高いプロダクトを生み出すプレミアムラインを設けた。
そこで、同プロジェクトのリーダーである中村慶至さんと同デザイナーの加藤舞さんに、この取り組みが目指す地点を取材してきた。
PROFILE|プロフ ィール

中村 慶至(なかむら のりゆき)
新事業企画部事業開発室 トヨタアップサイクルプロジェクトオーナー
PROFILE|プロフィール

加藤 舞(かとう まい)
トヨタ自動車カラー&感性デザイン部アドバンスドCMFXグループマネージャー
自動車の部品は大小さまざま。いずれも貴重な資源だトヨタ自動車株式会社は2021年7月に「TOYOTA UPCYCLE」のプロジェクトを開始した。
このプロジェクトが始まる前から、各工場は自動車の生産過程で生じる廃材のリサイクルやリユースを行っていた。だが、シートベルトやシートの端材などは複数素材の組み合わせやコーティングが施されており、その特性からリサイクルが難しく、断片的に再利用されるに留まっていた。