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【リレーコラム】着ることで知る 衣服を通して体験する歴史の中の女性たちのアティチュード(須藤絢乃)

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PROFILE|プロフィール
須藤 絢乃(すどう あやの�)
須藤 絢乃(すどう あやの)

1986年大阪生まれ。2011年京都市立芸術大学大学院修士課程修了。在学中にフランス国立高等美術学校に留学。2009年京都市立芸術大学作品展市長賞受賞。ミオ写真奨励賞2010にて、森村泰昌より審査員特別賞受賞。<幻影 Gespenster>でキヤノン写真新世紀2014グランプリ受賞。主な作品に、性別にとらわれない理想の姿に変装した自身や友人を写した〈Metamorphose〉(2011年- )、実在する行方不明の女の子に扮して撮影したセルフポートレート<幻影 Gespenster>(2013-14年)、他人が自分のように見えてくる現象をモチーフにした<面影 Autoscopy>(2015年)などがある。1839當代藝廊(台湾、2011年)にて初個展開催後、国内外の展覧会やアートフェアに出展。主な展覧会に「写真都市―ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち」展(21_21 design sight、東京、2018年)「愛について アジアン・コンテンポラリー」展(東京都写真美術館、東京、2018年)VITA MACHINICALIS(MEM、東京、2022年)、MISSING(MEM、東京、2024年)他多数。
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2024年11月から12月22日まで開催したセルフポートレートを用いた個展「MISSING」では、ひとたびメディアなどでよく見られるようになり、誰もが知る存在となりながら、その時代が去ると同時に姿を消していった近代日本の女性たちに焦点を合わせ、現代に残された不鮮明な写真たちから彼女たちの姿を再現し、私自らが彼女たちになりきるという手法をとったセルフポートレートの写真を発表した。
今回の作品で取り上げた人物の中から同時代に生きた2人の女性を紹介しながら、彼女たちの纏った衣服から感じ取った、当時の時代背景や女性の立場などを考察した。
須藤絢乃《鬼が栖むか蛇が栖むか》より
須藤絢乃《鬼が栖むか蛇が栖むか》より
一人目は、川島芳子。本名は愛新覚羅顯㺭(あいしんかくらけんし)。ラストエンペラーで知られる中国最後の帝国、清王朝を率いた皇族、愛新覚羅一族の末裔である。清王朝末期から満州建国に至る動乱の中、幼い彼女は政略的に日本の権力者に養子に出される。その養父による性的虐待のトラウマから、ピストル自殺未遂を起こすが、その後彼女は長い髪を刈り上げ、男性として生きる決断をする。「いつかはジャンヌ・ダルクのように陣頭に立って、失われた満洲朝の地を回復してみたい」(川島芳子著『動乱の蔭に』P.40)と彼女は私製の軍服に身を包み、日本統治の満州において日本軍公認の自警団を率いた。戦後には中華民国によって戦犯として処刑されるが、処刑は非公開で行われ、芳子自身は身代わりを立て、その後中国本土に行方を眩まし、寿命を全うしたという説がある。
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