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待望の再上陸を果たした「Cath Kidston(キャス キッドソン)」:日常への愛に溢れたデザイン哲学に迫る

2025.04.11
イギリス発のライフスタイルブランド「Cath Kidston(キャス キッドソン)」。バッグやポーチ、アパレルなど幅広いアイテムを展開しており、ヴィンテージ感とモダンなデザインを融合させた独自のテキスタイルでたくさんの人を魅了してきた。
2020年4月に多くのファンに惜しまれつつ日本から撤退したが、その約4年後に再上陸。今年の3月には表参道へ旗艦店、京都へ関西初店舗をオープンし、日本での新たな歴史を築きはじめている。
再上陸の背景には何があったのか。Cath Kidstonのこれまでのあゆみと、同ブランドのものづくりの裏側に迫る。

PROFILE

シモンズ・ティアラ(Simmons Tiara)

株式会社スタイリングライフ・ホールディングス 
Cath Kidston PR担当

再上陸を機に、日本限定のアイテムを展開

Cath Kidstonは、1993年に英国ノッティング・ヒルで誕生した。「日常に楽しみを増やしたい」という創業者のキャス・キッドソンの思いから、手描きのプリントを施したバッグやテーブルウエアを展開したのがはじまりだ。
日本初の店舗を代官山にオープンしたのは2006年のこと。上陸後すぐに注目を集め、連日店舗に行列ができるほどの一大ブームが起こる。当時展開していたアイテムには日本企画のものはなく、インポートがメインだったそうだ。
日本でも愛されるブランドへと成長したものの、経営面の問題から2020年4月に日本から撤退。しかし、その4年後には再上陸を果たした。再上陸に至った背景には、何があったのだろうか。
「撤退した後も並行輸入で購入されるなど、根強い人気がありました。また、弊社が日本における独占輸入販売権とマスターライセンス権を取得できたことも、再上陸に至った大きな理由です」
そう教えてくれたのは、株式会社スタイリングライフ・ホールディングスで同ブランドのPRを担当するシモンズ・ティアラさんだ。
「トートバッグひとつとっても、日本とイギリスでは重視されるポイントが違います。たとえば、日本ではトートバッグを選ぶときに、『お弁当やペットボトルが入るか』を考える方が多いのですが、イギリスにはそもそもお弁当の文化がないので、そういった要望に応えるつくりにはなっていませんでした。しかし今回、日本独自のアイテム展開ができるライセンス契約を結んだことで、日本市場における細やかな要望にも応えられるようになりました」
再上陸後はインポートアイテム以外にも、ハンカチ・ポーチなど、日本市場のニーズをとらえたアイテムが多数展開されている。また推し活など、トレンドの要素を取り入れたアイテムもあるという。
日本企画のタオルハンカチ 990円(税込)
日本企画のポーチ 4,400円(税込)
「Cath Kidstonの強みは手描きのプリントを施したテキスタイルなので、それを最大限に生かして日本限定のアイテムを考えています」
再上陸後は期間限定のポップアップストアとECサイトからスタートしたが、3月6日には表参道に旗艦店を、3月19日には京都に関西初店舗をオープンした。表参道の店舗には入場制限が必要なほど多くの人が訪れており、日本限定のアイテムも非常に好評を得ているそうだ。
表参道にオープンした、Cath Kidstonの旗艦店

日常の愛しいひとコマから生まれるデザイン

同ブランドの人気の理由は、ヴィンテージモダンな独自のテキスタイルデザインにある。花柄・ロンドンのバスや兵隊をモチーフにした柄などが代表的だが、こうしたデザインはどのように誕生するのか。インスピレーションの源についてシモンズさんに尋ねると、次のように答えてくれた。
「Cath Kidstonのデザインは、身の回りのものからインスピレーションを得て生まれています。たとえば、ブランドのアイコン犬『スタンリー』は創業者の初代愛犬で、今でも大事に受け継がれているキャラクターです」
旗艦店の軒先では、スタンリーがお出迎えしてくれる
「デザインは本国のクリエイティブチームが考えているのですが、ペットの猫をキャラクターにしたり、娘さんの習い事のアイススケートからアイディアを得たりと、日常の風景がデザインに落とし込まれています。一つひとつに大きな愛がこもっているのです」
クリエイティブの担当者が変わっても、日常の幸せなひと時を描くスタイルは、創業時から変わることなく受け継がれているCath Kidstonのフィロソフィーだ。大切にしている昔のデザインを“アーカイブ”として復刻させることもあれば、新しいエッセンスを加えてアップデートさせることもあるという。毎年、200種類以上ものデザインが生み出されているというから驚きだ。
日本では可愛らしい花柄やロンドンの雰囲気をモチーフにした柄が人気。アクセサリーポーチ 4,400円
アイレットトップス 8,800円(税込)

世代を超えて愛されるブランドに

Cath Kidstonの再上陸が決まったときには、多くのユーザーが「待ってました」「おかえり」と喜びの声を上げた。初めて日本に上陸した日から約20年経つが、お店にはどのような人が足を運んでいるのか。
「以前のCath Kidstonを知らないような若い世代の方もたくさんお店に来てくれています。お話を伺うと、『お母さんが使っているから知っていた』『小さい頃にバッグを買ってもらって使っていた』という人も多いのです。世代を問わない認知度の高さは、Cath Kidstonの強みだと改めて実感しました」
特に24〜34歳あたりの年代の来店が多いそうで、親から子へと受け継がれながら愛されているのが伺える。実際に、親子3世代で使っているというユーザーもいるそうだ。
明るくカラフルな柄で満ちた表参道店の店内
今後は「世代を問わず、可愛いものが好きな方のもとへ届けていきたい」とシモンズさんは言う。
「タグラインに『The Joy Makers Since 1993』とある通り、Cath Kidstonのデザインは幸せな記憶に結び付いているものばかりです。ブランドとして“人々に喜びを届ける”ことをとても大事にしているので、これからもその軸を守り続けたいと思います」
温かさがこもったテキスタイルデザインの裏には、心からクリエイティブを楽しんでいる人たちの姿がある。そんな人たちがつむぐデザインは、これからも多くの人を魅了していくことだろう。

Text by 奥山 りか

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