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「MERRELL」のフォーム系サンダルで、水辺から街までをシームレスにつなぐ

2026.08.19
「MERRELL(メレル)」がEVA素材を用いたフォーム系シューズ「HYDRO MOC(ハイドロ モック)」シリーズを通じて、水辺から街までをシームレスにつなぐ新たなフィールド体験を提案している。
ファッション業界においてフォーム系サンダルが定番化した現在、なぜMERRELLはこの分野での開発の手を緩めず、独自の文化として根付かせようとしているのか。
ブランドの歩みとプロダクトに込められた哲学を、丸紅コンシューマーリンク株式会社でMERRELL MARKETING MANAGERを務める田中 祐介氏に話を聞いた。

水辺へ広がるブランド哲学

MERRELLは1981年、アメリカのユタ州でカスタムメイドのハイキングブーツづくりから歴史をスタートさせた。過酷な自然環境に耐えうる機能性を追求し、世界累計2,800万足以上を販売する「MOAB(モアブ)」シリーズなどの名作を生み出してきた。確固たる地位を築いた同ブランドは、さらなる領域へと視野を広げていく。
MERRELLの歴史を表した一枚
「It Starts Outside」というコンセプトを掲げ、本格的な山岳地帯だけでなく、公園や水辺といった日常の延長線上にある自然環境にも目を向けたMERRELL。特別な装備を必要とする過酷な環境だけがアウトドアではないという視点は、ブランドの製品開発に多様性をもたらしていく。
「MERRELLは創業以来、『より多くの人をアウトドアへ連れ出す』という想いのもと、快適性・機能性・耐久性を追求したフットウエアを開発してきました。家を出て街を歩くこと、公園で過ごすことなど、日常の中にある"Outside"もまた、豊かな体験のスタートになると考えています」
この想いは、ブランドの歩みに変化をもたらした。2000年代初頭、水辺で快適に使用できるウォーターシューズの開発に着手する。陸上だけでなく水の中という新たな環境へ踏み出すことは、未知のフィールド体験の創造を意味していた。そしてこのアプローチが、後のフォーム系シューズ誕生への布石となっていく。
「It Starts Outside」というコンセプトのもと作られたキービジュアル、複数バージョンある中の一枚

フォーム系の先駆者

ウォーターシューズ開発の試行錯誤が長く続くなか、2019年にひとつの象徴的なプロダクトが産声を上げる。それが「Hydro Moc」の誕生である。軽量なEVAフォームを全面に採用したこのシューズは、水辺でのアクティビティをサポートする機能性と、独創的なフォルムを兼ね備えていた。
現在では、さまざまなブランドからEVA素材のフォーム系サンダルがリリースされている。しかしMERRELLのプロダクトは、単に快適さを謳うだけのイージーサンダルとは一線を画す。水辺から山、そして街までをシームレスに使えるアウトドアシューズとしての機能を持たせているのである。
「HYDRO MOCはシリーズの原点となるアイコンモデルです。独創的なフォルムと軽量なEVAフォームによる快適な履き心地を備えています。ハイキング後のセカンドシューズとして愛用するユーザーも多く、バックパックに吊り下げて持ち運ぶスタイルは海外ハイカーの間でも定番です」
過酷なハイキングの後に足を休ませるギアとして機能したことが、多くのアウトドア愛好家の心を掴んだ。水にぬれてもすぐ乾き、気兼ねなく使える特性は、自然の中に踏み出す際の心理的ハードルを下げる役割を果たした。さらにそのデザイン性は、ファッションアイテムとしても注目を集めるようになっていく。
HYDRO MOC 7,700円(税込)

都市と自然をつなぐ進化

「Hydro Moc」の反響を受け、MERRELLはさらなる機能性の向上に乗り出した。アウトドアギアとしての本質を見失うことなく、都市と自然をシームレスに行き来できるシューズを目指したのである。その結実が「HYDRO NEXT GEN MOC(ハイドロ ネクスト ジェン モック)」と、ミュールタイプの「HYDRO NEXT GEN MULE(ハイドロ ネクスト ジェン ミュール)」だ。
特に「HYDRO NEXT GEN MOC」は、EVAフォームの快適性に加えラバーアウトソール搭載することで、よりシューズに近い構造体へと進化を遂げた。アウトドアで培った機能性を備えながら、水辺や山だけでなく街でも自然に履きこなせるデザインへとアップデートされている。
「現在のHydro Mocシリーズを象徴するモデルです。軽量なEVAフォームによる快適性に加え、初代モデルよりクッション性やグリップ力などパフォーマンス面を大きく向上させました。アウトドアで培った機能性を備えながら、水辺だけでなく街でも自然に履けるデザインへとアップデートしています」
パフォーマンスが向上したことで、キャンプなどのレジャーから街中での買い物といったシーンまで、靴を履き替えることなくひとつのプロダクトで対応しやすくなった。同時に、その洗練されたデザインはタウンユースでも違和感なく機能する。このシームレスな使い勝手が、日常の中にアウトドアの要素を自然に溶け込ませているのだ。
HYDRO NEXT GEN MOC 12,100円(税込)
着用シーン
コーディネートイメージ
HYDRO NEXT GEN MULE[1TRL] 12,100円(税込)

水辺を楽しむ新提案

プロダクトの進化とともに、MERRELLは人々の休日の過ごし方そのものにアプローチし始める。“HYDRO HIKE”という、これまでになかったアウトドアスタイルの提案である。これは、川辺や湖畔を歩き、水と陸を自由に行き来しながら自然を楽しむアクティビティを指す。
シューズの機能性が高まったことで、水辺でただ涼むだけでなく、そのまま川の中を歩いて楽しむといった能動的な使い方が可能になった。「夏のサンダル」というカテゴリーに留まることなく、自然をより身近に体験するための新しいアウトドアギアとして、提案の幅を広げているのだ。
「Hydro Mocシリーズは『夏のサンダル』というカテゴリーに留まらず、MERRELLが提案する新しいアウトドアスタイルを体現するプロダクトとして展開しています。近年は水辺を歩き、自然をより身近に楽しむ“HYDRO HIKE”というアクティビティにも注力しており、新しい体験を提案しています」
この提案は、本格的な登山とは異なり、誰もが気軽に自然と触れ合える機会を創出している。家を出てから水辺で遊び、再び街へ戻るまでの一連の流れを、ひとつのシューズがサポートする。コンセプトである「It Starts Outside」は、プロダクトと多様化するアクティビティの両輪によって、より具体的な体験として届けられるようになった。
HYDRO NEXT GEN MOC [1TRL]のイメージカット
EVA素材を用いたフォーム系シューズやサンダルは、近年多くのブランドから展開されており、ファッション業界の文脈ではひとつのトレンドとしては終焉を指摘する声も上がり始めている。しかし、MERRELLにとってハイドロシリーズは、一時的な流行を追ったものではない。水周りで行うアクティビティ全般を指す“HYDRO HIKE”を支える重要なギアであり、ブランドが提唱する文化そのものである。
2027年には、ファンの期待に応える新たな機能を持ったフォーム系シューズの開発も予定されているという。流行り廃りに踊らされることなく、機能性と快適性を追求し続けるMERRELLの開発姿勢は、これからも多くの人々の「外へ踏み出す一歩」を後押ししていくだろう。

PROFILE

田中 祐介(たなか ゆうすけ)

丸紅コンシューマーリンク株式会社MERRELL MARKETING MANAGER

MERRELLのマーケティングディレクションを担当。より多くの人々が「外」に一歩踏み出し、「心も身体も自由になる」きっかけ作りをすることを目標に、日々製品開発に勤しんでいる。

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