JA/EN

AI検索

関連ハッシュタグ

Articles

“心の温度を1度上げる服”を形にした、SALON adam et ropéの独自素材「クリーミーコットン」

2026.08.28
アパレルブランドである「ADAM ET ROPÉ (アダム エ ロペ)」から派生し、大人の女性に向けたライフスタイルを提案する「SALON adam et ropé (サロン アダム エ ロペ)」。
同ブランドが展開する独自素材「クリーミーコットン」は、極上の肌触りとサステナブルな背景を持ち、多くの顧客を魅了している。
今回、同ブランドのリブランディングから、困難を極めたシグネチャー素材の開発の背景、そしてサステナビリティへの取り組みまで、株式会社ジュン SALON adam et ropé 担当の山本紘平さんと長島加奈子さんに伺った。

PROFILE

山本 紘平(やまもと こうへい)

株式会社ジュン

SALON adam et ropé 部長

PROFILE

長島 加奈子(ながしま かなこ)

株式会社ジュン

SALON adam et ropé チーフデザイナー

ADAM ET ROPÉから派生した大人のライフスタイル提案

大人の女性に向けてイメージを刷新した「SALON adam et ropé」
「SALON adam et ropé」は、設立から13年目を迎えるブランドだ。当初はADAM ET ROPÉの派生ブランドとして誕生し、アパレルだけでなく生活雑貨なども取り扱うことで、ライフスタイル全体を提案する事業としてスタートした。
そんななか、2022年にブランドは大きな転換期を迎える。社内でリブランディングを実施し、ファッション領域の強化へと舵を切ったのだ。ターゲット層を再設定し、30代後半から50代、特に40代の女性を中心顧客として位置づけ、より大人の女性に向けたブランドを目指すことに決めた。
今では厳選された上質なアパレルアイテムを中心に展開を進め、ターゲットユーザーの多忙なライフスタイルに寄り添い、デザイン性だけでなく実用性や品質を徹底して重視する姿勢が、現在のブランドの強固な基盤となっている。

心の温度を1℃上げる「サロン」という社交場

ブランド名に冠された「サロン」という言葉には、センスの良いものに出会える社交場でありたいという思いが込められている。その背景には、インターネット通販が普及し、画面上で簡単に商品を購入できる現代において、あえて実店舗に足を運ぶ意義を強調したことがある。
一般的なお店とは違い、ブランド独自の視点で選び抜かれた価値ある品々を提供する空間を設計する。それにより、顧客が実際に店舗を訪れ、商品を通じてスタッフや顧客との間に自然なコミュニケーションが生まれるような場所を創出するという考えだ。
ブランドのコンセプトは「心の温度を1℃上げてくれるようなもの」。袖を通した瞬間に直感的に感じられる着心地のよさや肌触り、機能性を重視した素材への満足感。さらにそこに、環境に配慮したサステナブルな背景を持つ製品を選ぶという、現代社会にも配慮したものを選択できる満足感を付加している。
リブランディング以降は、国内の縫製工場や生地メーカーとの連携を深め、品質の向上にも努めているという。担当者が自ら各地の産地へと赴き、ブランドの理念に合致する生産背景を持つ工場を開拓してきた。
着心地だけでなく、「自分を大切にできている」と感じられる体験こそが、ブランドの価値だと考えている。

困難を極めたオーガニックモール糸の生産

ブランドを代表する新たな素材の開発は、新型コロナウイルス感染拡大によるライフスタイルの変化が契機となった。自宅で過ごす時間が増加するなかで、室内での快適さとファッション性を両立する衣服への需要が高まっていった。
そこで注目したのが、インド産オーガニックコットンを原料とするモール糸だった。モール糸は糸自体が起毛した特殊な構造を持ち、編み上げることでベルベットのような美しい光沢と滑らかな風合いを生み出す特性がある。
オーガニックコットンならではのとろけるような肌触りと上品な風合いで、日常に心地よさを届ける。左から「クロップドプルオーバー-CreamyCotton /クリーミーコットン-」20,900円(税込)、「Vネックカーディガン-CreamyCotton /クリーミーコットン-」20,900円(税込)、「ナローロングスカート-CreamyCotton /クリーミーコットン-」23,100円(税込)
市場に流通しているモール糸の多くはポリエステルなどの化学繊維で作られているが、SALON adam et ropéは天然繊維であるコットンを使用することにこだわった。そこには、天然繊維ならではの心地よさを提供したいという強い思いがあったからだ。
しかし、その製品化は困難を極めた。糸自体が細かく起毛しているため、編み立ての途中で糸が切れやすく、生産効率が著しく低いという深刻な課題に直面することになる。
国内外の工場で試行錯誤を繰り返し、機械の精密な調整や編み方の工夫を重ねていった。天竺編みなどいくつもの組織構造を試し、糸の特性を最大限に生かしつつ量産に耐えうる最適な編み方を見つけるまでに、多くの時間と労力が費やされた。
クロップドプルオーバー-CreamyCotton /クリーミーコットン- 20,900円(税込)

5年の歳月が結実した極上の「クリーミーコットン」

ふんわり包み込むような肌触りを追求した「クリーミーコットン」
生産上の課題を乗り越え、2021年の秋に「クリーミーコットン」として初めて製品化を迎えた。季節を問わず長く着用できる耐久性を持たせるため、製品化にあたり着用検証を毎年繰り返しているという。
誕生から約5年が経過した現在では、最適な組織構造が確立され、ブランドを代表するシグネチャー素材として重要な位置を占めている。店頭で実際に製品に触れた顧客はその手触りに驚き、一度着用するとリピート購入する顧客も多いという。
現在ではプルオーバーやカーディガン、パンツなどの定番アイテムがシリーズで用意されており、コーディネートのしやすさも特徴だ。
Vネックカーディガン-CreamyCotton /クリーミーコットン- 20,900円(税込)
2026年の秋冬シーズンに向けては、新たにニット素材のジャケットとセットアップのリリースが予定されている。出張時の長時間の移動やリゾートホテルのラウンジなど、多様なシーンで着用できる汎用性の高いアイテムとして開発が進められている。
クリーミーコットンだけにとどまらず、その思想は新たな素材開発にも受け継がれている。その一つが、シルク本来の風合いを生かしながら、サンドウォッシュ加工によって生まれるヴィンテージのような表情と、自宅で洗える扱いやすさを実現した「ジェントルシルク」だ。
素材は変わっても、「日常の中で心地よく、長く愛用できるものを届けたい」という考え方は変わらない。クリーミーコットンもジェントルシルクも、その思想を形にした素材なのである。

サステナブルな未来を紡ぐインドの農家支援

「クリーミーコットン」に使用されるインド産オーガニックコットンは、国際認証を取得した信頼性の高い原料だ。インドを産地に選定した背景には、品質の高さに加えて、特定地域における人権問題などのリスクを回避し、透明性の高い生産背景を確保する意図が含まれている。
SALON adam et ropéでは、インドの綿花農家が従来の栽培方法からオーガニック栽培へ転換するための支援を行う団体に対し、寄付を行うプログラムの準備を進めている。
この背景には、天然素材やリサイクルポリエステルなど、環境負荷の低い原料の使用比率を高めていく方針があった。店舗での顧客体験の向上と並行して、生産背景における透明性と持続可能性の追求がブランドの重要な柱となっている。
今後は直営店の出店を拡大し、実際に製品に触れて品質を体感できる機会を増やしていく計画のようだ。
「心の温度を1℃上げる」というブランドの思想は、着心地のよさだけでなく、生産背景や環境への配慮にまで広がっている。クリーミーコットンは、その考え方をもっとも象徴する素材といえる。

Tags

この記事はいかがでしたか?

シェアリンクをコピーしました

Related Articles

Related Database