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なぜ周辺までクリアに見える? SunGod(サンゴッド)「8KOレンズ」の光学設計

2026.09.17
サングラスの見え方を左右するのは、眩しさを抑える性能だけではない。SunGod(サンゴッド)の「8KOレンズ」は、光の分散や色収差、幾何学的歪みを抑えることで、クリアな視界をもたらしている。なぜその見え方を実現できるのか。日本の正規販売代理店・株式会社ストライド 商品部PR課の西尾洋佑さんに、その素材と光学設計について聞いた。

PROFILE

西尾 洋佑(にしお ようすけ)

株式会社ストライド
商品部 PR課

競技用レンズ技術を、日常向けモデルにも

2013年に英国で創業したSunGod。競技用アイウエアで培ったレンズ技術を日常向けモデルにも展開している
SunGodは2013年に英国で創業したパフォーマンスアイウエアブランドだ。トップアスリートやプロチームへの製品提供を通じて得たフィードバックを開発に反映し、そのレンズ技術を日常向けモデルにも展開している。
F1のマクラーレンやプロサイクリングのイネオス・グレナディアーズ、ウルトラランナーのコートニー・ドウォルターやトム・エヴァンスなど、世界トップレベルのアスリートやチームをサポートする
8KOレンズは、競技中に刻々と変わる周囲の状況を捉える必要があるサイクリングをはじめ、トレイルランニングやセーリングなどでも採用されている。今回試した「Classics⁴(クラシックス)」は、こうした競技シーンでも使われる8KOレンズ技術を日常向けのフレームに搭載した「エブリデイシリーズ」の主力モデルだ。
「サンゴッド/クラシックス⁴ 8KO ポラライズド」は独自の8KOナイロン偏光レンズを搭載した定番モデル。可視光線透過率14%、重量約26g。21,450円(税込)

景色はそのままなのに、なんとなく見やすい

実際にかけてまず感じたのは、景色の色味が不自然に強調されないこと。普段見ている景色のまま、輪郭や境界がすっきり整理されたように感じた。
とりわけ印象的なのが、視線を正面から横へ動かしたときだ。レンズの端でも像がぼやけにくく、視界全体が落ち着いて感じられる。
この「なんとなく見やすい」感覚の鍵を握るのが、SunGod独自の「8KOナイロンレンズ」だ。
「8KOは、透明なポリアミド、つまりナイロン系素材から作られた厚さ2mmのレンズです。一般的なポリカーボネートと比べ、光の分散を抑えやすく、色収差が少ないのが特徴です」
一般的なポリカーボネートより光の分散を抑え、色収差や歪みを低減する「8KOナイロンレンズ」。レンズの中心だけでなく、周辺までクリアな視界を実現する
色収差とは、輪郭部分に現れる色のにじみや縁取りのこと。8KOではそのズレを抑えることで、レンズの中心だけでなく周辺までクリアな見え方をもたらしている。
その性能を示す指標のひとつが「アッベ数」だ。数値が高いほど光の分散が少なく、色にじみが起こりにくい。一般的なポリカーボネートより高い値を実現しており、視線を横へ動かしたときにも像がぼやけにくいという。
さらに、レンズの曲率や成形精度から生じる「幾何学的歪み」も抑制した。SunGodによれば、同社のレンズ形状でポリカーボネートと比較した場合、歪みを最大70%低減できるという。
裸眼と8KOレンズ越しの見え方を比較したイメージ。8KOは色収差や歪みを抑えることで、輪郭や細部をよりクリアに捉えられる視界をもたらしている

色を強調せず、正確な見え方を目指す

8KOレンズは、景色の色やコントラストを必要以上に強調せず、実際の色をできるだけ正確に捉えられる見え方を重視している。
「一部のブランドでは、彩度を強調する方向でレンズを調整しています。ただ、そうした見え方だと、長時間使用した際に目が疲れやすくなることがあります。また、ぬれた路面や対象物までの距離など、本来正確に判断したい情報が認識しにくくなる可能性もあります」
サングラス用レンズには、信号機の赤・黄・緑を正しく識別できることなどを求める試験規格がある。SunGodでは鮮やかさを強調するのではなく、実際の使用環境で必要な情報を正確に捉えられる視界を重視しているのだ。
つまり8KOが目指すのは、景色を派手に演出することではない。余計なにじみや歪みを抑え、目に入る情報をできるだけ正確に届ける。それこそがSunGodの考えるクリアな視界なのだ。

8KOレンズを日常使いするための設計

8KOレンズの光学性能を日常向けモデルに取り入れたのが、前述した「Classics⁴」だ。
「多くの人は、スポーツをしている時間よりも日常生活のほうが長くサングラスをかけています。そこで、日常でも使いやすいフレームに、競技用と同じレンズ技術を組み合わせています」
8KO偏光レンズは反射による眩しさを抑え、UVA・UVBを100%カットする。フレームには軽量で柔軟な再生TR90素材を採用し、重量は約26gに抑えている。
ヒンジには、ネジを使わない独自の「Pop-Lock(ポップロック)」を採用した。ネジの緩みや脱落を防ぐとともに、必要に応じてテンプルだけを交換できる構造になっている。
「クラシックス」はフレームとレンズのカラーバリエーションが3パターン展開されている。各21,450円(税込)

クリアな視界を決める、3つの要素

サングラスの見え方は、眩しさを抑える「明るさ」だけで決まるわけではない。色のにじみに関わる「色収差」や、像の見え方に影響する「幾何学的歪み」も、視界のクリアさを左右する要素になる。
8KOレンズでは、ナイロン系素材を採用することで光の分散を抑え、色収差の低減を図っている。さらに、レンズ形状や成形精度によって生じる幾何学的歪みも抑えられた。眩しさだけでなく、色のにじみや像の歪みまで減らすことで、レンズの中心から周辺までクリアな視界の実現につながっている。
こうした光学性能は、刻々と周囲の状況が変化するスポーツシーンで活用され、現在は「Classics⁴」のような日常向けモデルにも展開されている。サングラスの見え方を左右するのは、レンズの色や濃さだけではない。8KOレンズの設計からは、素材の特性や光の分散、色収差、歪みをどう制御するかが、視界の質を左右することが見えてくる。

Text by Ryota Osujo

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