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視界を指先でコントロール! WAVEの「スライド式調光サングラス」とは?
コンタクトレンズを中心に展開してきたWAVEが2023年に発売した、右テンプルをスライドするだけでレンズ濃度を5段階に調整できる「スライド式調光サングラス」。それまでコンタクトレンズを主力としてきた同ブランドが、なぜ電子部品を組み込んだ特殊なアイウエアの販売に踏み切ったのだろうか。
WAVEのサングラス開発担当の足立純一氏と商品部の阿波野亮氏に、同ブランド初となるサングラス誕生の過程とそこに込められた思いを聞いた。
PROFILE

左:足立純一(あだちじゅんいち) 右:阿波野亮(あわのりょう)
足立純一
株式会社パレンテ セールス本部
主にサイト運用・商品開発を担当。趣味はサバイバルゲーム。
阿波野亮
株式会社パレンテ 商品部
主に商品仕入れ・商品開発を担当。趣味は読書。
見えない価値を形にする、ブランドの新たな一歩
WAVEはこれまで、コンタクトレンズを主力として展開してきたブランドだ。手軽で高品質な製品を提供し、多くのユーザーの瞳を支えてきた。しかし2023年、彼らは「見えるをデザインするブランド」という新たなコンセプトを掲げ、大規模なリブランディングを実施した。コンタクトレンズという従来の枠組みを超え、人々の視覚に関わるあらゆるプロダクトを総合的に提案していくという、大きな方針転換である。その第一歩として、彼らはメガネ製品の本格的な展開を開始した。
ラインナップは、読者のライフスタイルに合わせて明確に定義されている。手頃な価格で日常使いしやすい「ベーシックシリーズ」、仕事や外出時などファッション性を高めた「スマートシリーズ」、そして、機能性を追求した「アクティブシリーズ」の3つだ。
コンタクトレンズを装着した上で、さらなる付加価値を提供するアイテムとして位置付けられたのがアクティブシリーズであり、その目玉として企画されたのが、同ブランドにとって初となるサングラス製品だった。

「アクティブシリーズは『コンタクトが嫉妬する新しいメガネ』と謳っているとおり、ただのメガネではなく、もう少し付加価値を持たせたものを打ち出したいと考えました。機能性の高いメガネを世に出すことで、新しいメガネの形を生み出せるのではないかという思いがありました」
足立さんはこのように語り、ブランドの新たな挑戦に対する熱意をのぞかせる。単なる色付きのメガネではなく、これまでにない体験を提供する製品を作りたい——その強い思いが、のちに「スライド式調光サングラス」というユニークな製品を生み出す原動力となった。
市場に溢れる既存のサングラスとの明確な差別化を図るため、彼らが着目したのは、ユーザー自身が直感的に視界をコントロールできるという新しいアプローチである。

車や窓ガラスの技術をアイウエアに応用する
新しいサングラスの核となる技術を模索するなかで、WAVEが目をつけたのは、中国のメーカーが持つ特殊なレンズ技術だった。それは本来、車の窓ガラスや携帯電話のディスプレイフィルムなどに用いられてきたもので、電圧をかけることで光の透過率を変化させるという仕組みである。一般的な調光レンズは、紫外線量に反応して自動的に色が濃くなる光反応型が主流である。しかし、この方式では周囲の環境に依存するため、ユーザーが「今はもう少し明るくしたい」と思っても、意のままにコントロールすることは難しい。一方、電圧で透過率を変える技術を用いれば、天候や環境に関わらず、ユーザー自身の意志で視界の明るさを5段階に調整できるようになる。

「一番の違いは、自分のタイミングで調光できるところです。たとえば釣りをする人は、早朝から夕方にかけて光の反射具合が変わるため、時間帯に合わせて複数のサングラスを掛け替えるそうです。しかし、このサングラスなら5段階で濃度を調整できるため、一つでさまざまな状況に対応できます。さらには偏光機能も併せ持っているので、とても喜ばれました」(足立さん)
ユーザー主導の調光機能に、光の乱反射を防ぐ偏光機能を組み合わせることで、水面や路面のギラつきを抑えた極めてクリアな視界を確保できる。アクティビティを楽しむ人々にとって、刻一刻と変わる環境の変化にすぐさま適応できるこのサングラスは、複数のアイウエアを持ち歩く手間を省く非常に合理的なツールとして機能する。

しかし、この高度な電子技術を、誰もがストレスなく使いやすいアイウエアとして成立させるためには、操作性の設計が重要な課題となっていく。
直感的な操作性と、ストレスのない使用感の追求
電圧による調光機能を搭載するにあたり、ユーザーがどのようにして濃度を切り替えるかという操作インターフェースは、製品の使い勝手を大きく左右する要素である。確実な操作を担保するボタン式という選択肢もあったなかで、WAVEはあえて右テンプル部分を指で前後に動かす「スライド式」を採用した。その理由は、視界を変化させる際のシームレスな感覚と、日常的な動作に自然に溶け込む体験を優先したためだ。カチカチとした物理的なクリック感を持たせず、フレームをなめらかに触るだけで操作できるよう設計されている。
「ボタン式の場合、今自分が5段階のどこに合わせているのかが分かりやすいという利点はありました。しかし、自分が合わせたい明るさへ少しずつ調整したり、一気に飛ばしたりできるスライド操作のほうが、直感的に状況に対応できます。仰々しい操作感ではなく、普段使っているメガネと同じような感覚で扱えるのがいいと考えました」(足立さん)


フレームには、一般的なメガネにも広く使われる超軽量素材「TR-90」を採用し、長時間の使用でも快適さを損なわない。右テンプルにスライド機能の電子部品やバッテリーを搭載しながらも、左右の重量バランスを均等に保ち、装着時の傾きや違和感をなくす工夫が施されている。 さらにこのTR-90の選定には、オンライン販売を主力とするWAVEならではの理由があった。
「インターネットでメガネを売るとなると、リアル店舗のようなフィッティングができません。TR-90はしなやかで耐久性があるので、さまざまなお客さんにフィットしやすいという点でもこの素材が最適でした」(阿波野さん)
30分のフル充電で47時間もの連続使用が可能だというタフなバッテリー性能も、アクティビティを強力にサポートする。折りたためば自動的に電源がオフになり、万が一使用中に充電が切れた場合でも一番明るい濃度で固定され、通常の偏光サングラスとして使い続けられる仕様となっているところも安心だ。

「スライド式調光サングラス」がもたらしたブランド進化
2023年にリリースされた「スライド式調光サングラス」は、当初の予想を超えて幅広い反響を呼んだ。これまでWAVEのコンタクトレンズを利用していたのは、カラーコンタクトなどを愛用する40代の女性層が中心だった。しかし、この斬新な機能を持ったプロダクトの登場により、スポーツ選手やガジェット好きな男性など、新たな客層がブランドに関心を寄せるようになったという。「見えるをデザインする」というブランドの新たなメッセージは、先端技術と実用性を兼ね備えたプロダクトを通じて、確実に新しいターゲットへと届いた。WAVEにとって初となるサングラス開発は、単なる商品ラインナップの拡充にとどまらず、ブランドの認知を大きく広げ、多様なライフスタイルに寄り添うメーカーとしての立ち位置を確立する重要な一歩となった。
テクノロジーの力で「見える」体験を拡張する試みは、コンタクトレンズブランドの枠を超えた確かな成果を生み出している。
現在のWAVEは、さらなる展開を見据えて新たなアイウエアの開発を進めている。「おしゃれで掛けるという目線からではなく、目を守るためのアイケアという観点で、新しいアイテムを世に出せたらいいと考えています」と足立さんと阿波野さんは語る。
コンタクトレンズの領域から始まり、テクノロジーを駆使したサングラスへと領域を広げた彼らの視線の先には、人々の視覚をトータルでサポートする未来がある。自分自身の意志で「見える」をコントロールする時代は、まだ始まったばかりだ。






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