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スポーツサンダルのパイオニア「Teva」、なぜ今トレイルランに挑むのか

2026.07.30
「Teva(テバ)」が独自のストラップ構造と最新技術を融合し、トレイルランなど多様な領域に対応する新作サンダルを展開している。
なぜ水辺のアクティビティに適したサンダルから始まったブランドが、本格的なランニングシューズに匹敵するテクノロジーを搭載し、過酷な山道を走るためのプロダクトを生み出したのだろうか。
進化し続ける最新モデルの開発背景から、ブランドが思い描くアウトドアの現在地について、デッカーズジャパン合同会社でTevaの商品MDを担当する伊藤 恵氏に話を聞いた。

水辺から生まれた革新と普遍的構造

1984年、アメリカのグランドキャニオンで一人のリバーガイドによって生み出されたTevaは、スポーツサンダルという新たなカテゴリーを切り拓いた。世界で初めてアンクルストラップ付きのサンダルを開発したパイオニアとして、現在も業界を牽引し続けている。
当時の水辺のアクティビティにおいては、いわゆるフリップフロップと呼ばれるビーチサンダル型が主流だった。しかしこのタイプのサンダルは、激しい川の流れの中ではすぐに脱げて流されてしまうという致命的な課題があった。
この問題を解決するため、既存のビーチサンダルに足首を固定するストラップを取り付けたことが、ブランドの原点となる。そこから、いかにして人間の足を効率よくホールドするかという探求が始まった。
その試行錯誤の末に生み出されたのが、足の甲、かかと、足首の3点を固定する「ユニバーサルストラップシステム」である。足をしっかりとホールドしながらも、サンダル特有の開放感を損なわないこの基本構造は、ブランドのDNAとして現在まで受け継がれている。
初期のシンプルなデザインを踏襲した「ORIGINALS(オリジナルス)」シリーズは現在も根強い人気モデルとなっているが、アウトドアでのアクティビティが多様化するにつれ、より高い機能性が求められるようになった。
ORIGINAL UNIVERSAL – URBAN 8,580円(税込)
「水辺から始まりましたが、多様なアウトドアアクティビティに使うことを想定すると、機能性をアップデートする必要がありました。そこで、カジュアルなハイキングなどのトレイル向けの商品として、『HURRICANE(ハリケーン)』というカテゴリーが誕生したのです」(伊藤)
水辺のサンダルから多様なアウトドア環境への適応を果たしたTevaは、「自然を楽しむ」という観点のもと、定番モデルをさらなる高みへと進化させていく。
2026SSイメージカットより

定番のアップデートと新たな需要への応答

「HURRICANE」はブランドを代表する定番モデルとして長く愛されてきたが、さらなる機能性の向上を求めてアップデートを遂げた。それが「HURRICANE XLT3(ハリケーン エックスエルティースリー)」の登場である。
最大の変更点はソールの形状にある。着地時の安定性を確保するため、かかと部分が従来よりも外側に張り出すデザインへと刷新された。かかとからの着地面積を広げることで、歩行時のブレを軽減する設計となっている。
アウトソールには、より高いグリップ力を発揮するSpider Rubber® Endure(スパイダー ラバー エンデュア)を採用。さらに、ストラップを留める面ファスナーも従来の2倍の強度を持つFuseLock™(フューズロック)に変更され、一度締めるだけでしっかりと足をホールドする仕様へと進化した。
そして、現代のアウトドアシーンにおける多様なニーズに応えるため、新たな派生モデルも誕生した。それが、つま先をカバーするクローズドトゥタイプの「HURRICANE XLT3 CT(ハリケーン エックスエルティースリー シーティー)」である。
自然の中を歩く際、足場が悪い場所でつま先が露出していることに不安を感じるユーザーは少なくない。そうした声に応えて開発されたこのモデルは、通気性と速乾性に優れたメッシュ素材を使用しており、素足でも快適に履ける水陸両用サンダルとなっている。
「スニーカーのような感覚で靴下と合わせて履くこともできるため、通常のサンダルよりも着用できる季節も長くなります。シューレースのバンジーコードを締めるだけでサイズ調整ができ、足首とかかとはブランドのDNAであるストラップ構造でしっかりフィットします」(伊藤)
現在、「HURRICANE XLT3 CT」は売り切れが相次ぐほどの人気を集めている。そして水辺から山道へと領域を広げたTevaの進化は、さらなるアクティビティへと向かっていった。
HURRICANE XLT3 12,100円(税込)
着用シーン
HURRICANE XLT3 CT 16,500円(税込)
イメージカット

サンダルで山を走るという新体験

Tevaが新たに挑んだのは、トレイルランニングという過酷な領域だった。2023年に発売された「AVENTRAIL(アヴェントレイル)」は、本格的な山道を走ることに特化した革新的なサンダルである。
ソールには、非常に高い反発性を持つスーパークリティカルフォーム(SCF)を採用。インソールにあたる上層部は柔らかくクッション性を持たせ、下層部には安定性を保つ硬めの素材を配置した2層構造となっている。
さらに、その間には推進力を生み出すナイロンプレートが内蔵されている。サンダルでありながら、本格的なランニングシューズに匹敵するテクノロジーが詰め込まれているのだ。
アッパーのデザインも、従来のユニバーサルストラップシステムから大きく変化している。W型に配置されたWストラップシステムとニットメッシュを組み合わせることで、つま先を開放しながらも足全体をしっかりと包み込むホールド感を実現した。
「トレイルランニングでは足全体のフィット感が必要です。このニットメッシュとWストラップの構造により、つま先は出ているのに足をしっかり包み込んでホールドしてくれる感覚が得られます。風を感じながら、より長い距離を快適に走ってもらうことが目的です」(伊藤)
さらに2025年には、ロードトゥートレイルを想定した「AVENTRAIL R2T(アヴェントレイル アールトゥーティー)」も登場した。整備された道や街中のロードを走るためのモデルとして、「AVENTRAIL」から約100グラムの軽量化を実現している。
ミッドソールには反発性と軽量性に優れたLITE-COMF® (ライトコンフ)を採用し、足が沈み込むようなバケット構造を取り入れた。つま先の反り上がりが大きいロッカー形状により、前方への推進力を高めている。Tevaの契約アスリートでありウルトラランナーのマイク・ウォーディアンのほか、Eコマースサイトのレビューではも、このモデルでフルマラソンを完走したという声も寄せられているという。
AVENTRAIL 20,900円(税込)
着用シーン
AVENTRAIL R2T 17,600円(税込)
着用シーン
Tevaの歩みは、常に自然と向き合う人々の足元を支え、快適さを追求するための試行錯誤の歴史である。激流の川から始まったサンダルの進化は、ハイキングの山道を経て、トレイルランニングという新たな領域にまで到達した。
現在、同ブランドはアクティブなスポーツにとどまらず、キャンプや旅行など、より日常に近いアドベンチャーに向けた商品開発にも力を入れている。同じアウトドアという枠組みの中でも、その楽しみ方や求める機能は人それぞれに異なっているからだ。
独自のストラップ構造から始まった機能美は、最新のテクノロジーと融合しながら、現代の多様化するライフスタイルに寄り添い続けている。Tevaはこれからも、自然をカジュアルに楽しむという変わらぬ哲学のもと、次なる足元の形を提案していくはずだ。

PROFILE

伊藤 恵(いとう めぐみ)

デッカーズジャパン合同会社

Sr.Merchandising Specialist - Teva

2018年デッカーズジャパン入社。「Teva」の商品MDを担当。

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