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「TELIC(テリック)」のリカバリーサンダルはなぜ“雲の上を歩く”履き心地といわれるのか? 理学療法士がその効果を徹底解説
夏になるとサンダルが履きたくなる。風通しがよくて、足指も自由に動く。ただ、ちょっと遠出すると、足が痛くなったり、疲れを感じたりすることもある。
その点、アメリカ生まれのTELIC(テリック)は違う。軽くてぴったり足裏にフィットし、歩くと足がスイスイ前に進むのだ。
「雲の上を歩いているよう」と形容される履き心地は、一体どのようにして生み出されたのか。
話をうかがったのは、テリックの機能を検証し、推奨する下北沢病院の武田直人さん。理学療法士の目に、話題のリカバリーサンダルはどのように映ったのか?
PROFILE

武田 直人(たけだ なおと)
下北沢病院 理学療法士
目白大学保健医療学部理学療法学科卒業。大学卒業後、総合病院に勤務し、理学療法士として急性期から地域リハビリテーションまで幅広い経験を積む。2017年から下北沢病院に勤務。
アメリカで生まれ、日本で進化を遂げたリカバリーフットウエア
テリックは2012年にアメリカで設立されたリカバリーフットウエアブランドである。サンダルが発売されるやいなや、快適な履き心地と軽さが注目を集め、翌年にはニューヨークタイムズの読者が選ぶベストコンフォートシューズ賞を受賞した。

その履き心地はACFAS(米国足・足首外科医協会)[1]にも認められた実績があり、同協会の医師からは「一日中履いても足が痛くならず、日常生活での足の痛みやストレスの問題をすみやかに緩和・吸収する」と評価されている。
一般ユーザーはもちろん、アスリートからの評価も高く、競技でダメージを受けた足をケアするリカバリーサンダルとしても使われてきた。
日本初の足病医療の総合病院が検証し、推奨するブランド
2015年の日本上陸にあたっては、日本人の足に一層フィットするよう研究が重ねられ、コンフォート性がブラッシュアップされた。「2018年にテリックの国内商標を保有し、企画製造を担う株式会社フェローズさんから依頼を受けて、下北沢病院がこのサンダルを監修することになったんです。現在は医療的な視点から、既存製品の検証データをフィードバックとして提供しています」
下北沢病院は日本初の足病医療の総合病院であり、アジア唯一の足病専門医療研究機関でもある。
「歩くことは、『〇〇へ行きたい』を叶える移動機能であると同時に、最高の健康法でもあります。その妨げとなる足の痛みや不具合の解消を目指して設立された病院です。
設立者であり、現理事長の久道勝也医師は、アメリカに足病医(ポダイアトリスト)という専門医が存在することを知り、日本でも足病医のいる病院を作ろうと思いました。
眼科医は目、歯科医は歯を専門的に診るように、足病医は足に特化して総合的に診療します。
足の皮膚や爪、骨や筋肉、血流、神経障害の有無、加えて下肢切断の最大要因である糖尿病のコントロール、さらには適切な靴の選択や歩行指導まで包括的に診察し、治療を行います」

テリックの定番モデルの実力をチェック
そんな下北沢病院が認めたテリックとは、どんなサンダルなのだろうか?定番モデルの「FLIPFLOP ULTRASOFT(フリップフロップ ウルトラソフト)」をチェックしていこう。

3.5cmの滑らかな弾力性のあるソールは見るからにクッション性がよさそうだ。
ソールに使われているのは、独自配合によって、通常のEVAよりもクッション性や衝撃吸収性、軽量性が高められたテリックオリジナルのEVA素材だ。

ボリューム感のあるルックスとは裏腹に、履き心地は驚くほど軽い。足当たりはしなやかだが、適度な弾力もある。
「柔らかければ柔らかいほどコンフォート性が高い、というわけではありません。硬いアスファルトの路面などに立ったときに、サンダルがフニャフニャだと体が不安定になってしまい、かえって疲れやすくなるケースも考えられます。
テリックの場合は、柔らかさと硬さのバランスが絶妙で、両足でしっかり立つことができます」

次は歩いてみる。指を動かしやすく、かつ地面をつかむように動かせるため、歩きやすい。

足の当たる面にあしらわれた凸状のTマークは、ブランド名の頭文字に由来するもの。この無数のTマークによってほどよいグリップ力が生まれ、歩きやすさにもつながる。
立体的なフットベッドが生むたしかなアーチサポート

フットベッドは立体的な形状になっていて、土踏まず部分がしっかり支えられている印象を受ける。深めのヒールカップも、かかとが包まれるような安定感を覚える。
「足裏には、靭帯や筋肉、骨によって形成され、体重を分散させて衝撃を吸収するアーチと呼ばれる構造があります。
テリックのフットベッドは、この足裏のアーチに沿うようにウネリのある立体的な形状に成形されています。
このアーチサポートとクッション性に優れたEVA素材が相まって、歩行時にかかる衝撃が吸収されやすくなり、足首や膝の関節、ふくらはぎへの負担が軽減されます」
アーチサポートにはコンフォート性以外のメリットもある。
「かかと周りの関節が過剰に動く過剰回内(オーバープロネーション)の抑制が期待できます。この過剰回内が起こると、アーチ構造が崩れてスネの角度や向きがいびつに変化し、膝や腰など体全体に悪影響を及ぼすおそれがあります」
実験データに裏付けられたアーチサポートの優秀性
「土踏まずの角度を評価するメアリーズアングルという指標があります。これは足裏の荷重を測定する際に、土踏まずのアーチの角度を示すことで、サポート状態や足の扁平具合などをチェックできるもの。レントゲンを使った荷重位撮影(立っているときの足裏にかかる圧力の動きを計測する撮影方法)なら、アーチサポートの状態が一目瞭然です」

たしかに一般的なサンダル(写真左)と比べると、テリック(写真右)のほうのメアリーズアングル(赤線)の角度が大きくなっていることがわかる。この角度の大きさで、いかにアーチがサポートされているかがわかるのだ。
「つまり、テリックを履くことで、骨が本来あるべき位置に戻るといえるでしょう」

足底にかかる圧力を計測したデータもある。
上の画像を見ると、テリックを着用した場合は、圧力の大きい箇所を示す赤い色が一点に集中せず、広範囲に分散していることがわかる。
「特定の箇所に圧力が集中すると、痛みなどの症状が現れやすくなります。テリックは優れたアーチサポートや衝撃吸収性によって、体重による荷重を“点”から“面”へ変換することで足裏全体に分散させます。
こうすることで足の甲の中足骨(足の甲にある細長い骨)にかかる負担を軽減し、痛みや疲れを起こしにくくします」
ロッカー形状のボトムが前方への推進力をサポート

これまで数々のコンフォートサンダルを履いてきた武田さんが、一番違いを感じたのは足運びのスムーズさだったという。
「足がスイスイ進むのに驚きました。その理由は、底部がまるでロッキングチェアのようにカーブしているから。この形状のおかげで体重移動がよりスムーズになり、より少ないエネルギーで効率よく歩くことができるんです」
歩行時につま先で蹴り出して、足が上がる瞬間にはふくらはぎの筋肉が使われる。しかし、テリックを履くとロッカーボトム構造がその負担を軽減してくれるため、結果的に疲れにくくなるという。

デザインのバリエーションも充実。「ダブル フリップフロップ」のようなトング以外にもアッパーで甲をホールドするタイプもラインナップする。
「テリックの履き心地をたとえるのに、『雲の上を歩くよう』というフレーズが使われます。たしかに、雲の上を軽やかにピョンピョン進んでいくようなイメージ。これほど楽に歩けるサンダルはほかにそうそうないと思います」
医学的なエビデンスによってコンフォート性が裏付けられたテリックのサンダル。それは歩くことを「fun(楽しい)」へと変換する近未来のフットウエアなのだ。
《註》
[1] ACFAS(American College of Foot and Ankle Surgeons)は、1942年に設立された、足と足首の外科医の専門医組織。足と足首の外科手術の技術と科学の進歩を理念に、外科医のサポートや患者ケアの促進を手がけつつ、分野全体の教育と外科技術の水準を高める活動を行っている。
■取材協力
住所:東京都世田谷区北沢2丁目8-16
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診察時間:9時〜12時、14時〜17時
休診日:日曜日
Text by Ryota Osujo















