

Articles
アウトドアロープから生まれたカメラギア「YOSEMITE STRAP(ヨセミテ ストラップ)」の進化
カメラストラップにカラフルなアウトドアロープを採用した「YOSEMITE STRAP(ヨセミテ ストラップ)」。唯一無二なカメラギアとして人気を博すだけでなく、近年ではモバイルストラップやバッグなどへと展開を広げている。
今回はYOSEMITE STRAPの立ち上げメンバーであり、プロダクトデザインとビジュアルクリエイティブを担うフォトグラファー・デザイナーの木村 建太さんと、株式会社Smokey Sunday 事業部長の簗瀬 岳さんに、ブランドのルーツから現在のプロダクトまで話を聞いた。
ヨセミテでの出会いから始まったプロダクト
まずはブランド誕生の背景について木村さんに伺った。「約10年前のことです。当時はまだブランドとしてはスタートしていなかったのですが、創業者の伊崎 真一と一緒にヨセミテ国立公園へ写真を撮りに行きました。そこで出会ったクライマーが、クライミングロープでカメラストラップを自作していたんです。話を聞くと、一般的なカメラストラップはクライミングの環境ではすぐに傷んでしまうため、自分で作ったとのことでした。
私たちはアパレルの経験もあったので、この話をもとに日本に戻ってからストラップを製作してみたのです。完成したものをそのクライマーにプレゼントしたところ、彼がSNSに投稿してくれて、大きな反響がありました。
この出来事がきっかけとなり、本格的に商品化しようという流れでYOSEMITE STRAPがスタートしました」

MADE IN JAPANのロープに込めたこだわり
ブランドの核となるロープ素材について聞いた。「最初のプロトタイプでは既製のアウトドアロープを使用しましたが、重さや硬さが気になり、オリジナルでロープを作ることにしました。クライミング用ほどの強度ではありませんが、カメラストラップとしては十分な強度を持たせています。
素材には摩耗に強いナイロンを使用しています。そしてMADE IN JAPANにこだわり、大正時代から続く静岡の紐メーカーに特注して、一本一本編み立ててもらっています。
クライミングロープは一般的に10mm以上の太さが多いのですが、YOSEMITE STRAPでは9mmという独自の太さに設計しました。こうして、機能性とデザイン性を兼ね備えたオリジナルロープが完成しました」

「現在はスタンダードなものから『YOSEMITE CAMERA STRAP PRO PLUS(ヨセミテ カメラストラップ プロ プラス)』というクイックリリースできるものや、短いハンドストラップタイプの『YOSEMITE CAMERA STRAP HANDLE(ヨセミテ カメラ ストラップ ハンドル)』、そしてコンパクトカメラ用の『YOSEMITE CAMERA HAND STRAP for COMPACT(ヨセミテ カメラ ハンド ストラップ フォー コンパクト)』とバリエーションも豊富に展開しています」

※長さが111cmと126cmの2種から選べる
モバイルストラップが生んだ新しいスタンダード
YOSEMITE STRAPはカメラストラップを軸に展開を続けるなかで、次のプロダクトへと発展していく。その流れの中で誕生したのが「YOSEMITE MOBILE STRAP(ヨセミテ モバイル ストラップ)」だ。このアイテムの登場とヒットによって、YOSEMITE STRAPの名前はさらに広く知られるようになっていく。また、「YOSEMITE MOBILE STRAP」はロープだけでなく、パーツに至るまで細かなこだわりが詰め込まれているという。ここからは簗瀬さんに話を聞いた。
「カメラストラップが誕生してから数年後、同じロープを使ってモバイルストラップをリリースしました。ちょうど世の中がコロナ禍に入る直前で、生活スタイルが大きく変わり始めたタイミングでした。キャッシュレス決済が広がり始めた時期でもあったと思います。
当時はスマートフォンを斜めがけするというスタイルが、今ほど一般的ではありませんでした。そこで“Hello New Standard”というコンセプトを掲げ、スマホの新しい持ち方として提案したんです。
そうした背景もあって『YOSEMITE MOBILE STRAP』はヒット商品となり、ブランドの認知も一気に広がっていきました」

120cm 8,250円(税込)
140cm 8,800円(税込)
「ロープももちろんオリジナルなのですが、パーツについてもこだわりがあります。YKKと共同開発し、『アリゲーター ロック システム』というロープエンドのパーツを製作しました。これはスクリュー式でねじ上げて固定する構造になっており、しっかりとしたホールド感を実現しています。
さらにもうひとつ、『スマートフォン アタッチメント システム』という、端末とケースの間に挟んで使用するパーツもYKKと共同開発しました。大規模なブランドではないなかで、YKKと共同で開発できたという点については、非常に感慨深いものがありました。
こうしたオリジナルパーツを組み合わせることで、他にはないモバイルストラップとして仕上がっています」


YOSEMITE STRAPの進化とバッグへの展開
ここまでオリジナルロープを用いたアイテムを中心に見てきたが、ブランドはさらにその先のプロダクトへと展開を広げている。引き続き簗瀬さんに話を聞いた。
「さまざまなブランドやレーベルの監修など、多岐にわたって活動している金子 恵治さんと、バッグを製作しました。『YOSEMITE PADDING NYLON DRAWSTRING TOTE(ヨセミテ パディング ナイロン ドローストリング トート)』というモデルです。いわゆるスタイリストバッグと呼ばれる大容量のバッグをベースに、ドローコードで開閉できる仕様になっています。
YOSEMITE STRAPではすでにドローコード仕様のカメラバッグを展開しており、その構造をこのトートバッグにも応用しています。
素材にはイタリアのリモンタ社による高密度ナイロンを採用しました。ドローコードを締めたときと緩めたときで、バッグのシルエットが大きく変化するのも特徴です。サイズはMとLの2種類を展開しています。
YOSEMITE STRAPでは昨年から、ストラップ以外の周辺アイテムとしてこのようにバッグにも力を入れています。今後もバッグをはじめとしたプロダクトの展開をさらに充実させていく予定です」


カメラストラップにアウトドアロープを使うという発想は、ヨセミテでの偶然の出会いから生まれたものだった。そのアイディアは機能性とデザイン性を備えたプロダクトとして形になり、カメラギアの新たなスタンダードとして支持を集めていく。
さらにモバイルストラップの登場によって、スマートフォンを身につけるスタイルにも新たな選択肢を提案してきた。
アウトドアの機能美と都市生活をつなぐ存在として進化を続けるYOSEMITE STRAP。そのプロダクトは、これからのライフスタイルにおいて新たな定番として定着していくことになりそうだ。
PROFILE

木村 建太(きむら けんた)
フォトグラファー・デザイナー
YOSEMITE STRAPの立ち上げメンバーとしてブランドの世界観構築を担う。プロダクトデザイン・ビジュアルクリエイティブを手がけ、機能と美意識を横断するクリエイションを展開。
PROFILE

簗瀬 岳(やなせ がく)
株式会社Smokey Sunday
事業部長

















