桃谷順天館といえば、日本初の西洋医学処方による化粧水『
にきびとり美顔水』で広く知られる1885年創業の老舗化粧品メーカー。1913年には、業界に先駆けて化粧品試験部を開設。明色化粧品やRF28をはじめとするブランドを生み出し、OEM会社・コスメテックジャパンや直営のエステティックサロンを展開している。
今回は、化粧品専門の研究所として日本最古の歴史を誇る桃谷順天館の研究員である、石田喬裕さん、野上紀子さんを取材。美容業界から注目を浴びている、表皮ターンオーバーに着目したローズマリーエキスによる肌くすみ改善研究について聞いた。
PROFILE|プロフィール

左:野上紀子(のかみのりこ)、右:石田喬裕(いしだたかひろ)
石田喬裕
株式会社桃谷順天館 中央研究所 エグゼクティブエキスパート 博士(生物工学)
野上紀子
株式会社桃谷順天館 中央研究所 副所長
桃谷順天館のローズマリーエキス研究について教えてください。
石田喬裕(以下、石田)表皮のターンオーバーが、肌に触れたときのなめらかさや触り心地、くすみに関係することに着目し、そのメカニズムに関わる角層剥離酵素の活性に影響を及ぼす素材としてローズマリーに辿りつきました。
当社は2016年に、年齢とともに増加しやすい肌のくすみの出現に角層剥離酵素カリクレインの活性低下が関係すること、その活性を高めることで肌くすみが軽減することを明らかにし、IFSCC Congressオーランド大会(2016)にて発表しました。