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2024.07.30

美容業界が大注目! 表皮ターンオーバーに関わる桃谷順天館のローズマリー研究

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桃谷順天館といえば、日本初の西洋医学処方による化粧水『にきびとり美顔水』で広く知られる1885年創業の老舗化粧品メーカー。1913年には、業界に先駆けて化粧品試験部を開設。明色化粧品やRF28をはじめとするブランドを生み出し、OEM会社・コスメテックジャパンや直営のエステティックサロンを展開している。
今回は、化粧品専門の研究所として日本最古の歴史を誇る桃谷順天館の研究員である、石田喬裕さん、野上紀子さんを取材。美容業界から注目を浴びている、表皮ターンオーバーに着目したローズマリーエキスによる肌くすみ改善研究について聞いた。
PROFILE|プロフィール
左:野上紀子(のかみのり��こ)、右:石田喬裕(いしだたかひろ)
左:野上紀子(のかみのりこ)、右:石田喬裕(いしだたかひろ)

石田喬裕
株式会社桃谷順天館 中央研究所 エグゼクティブエキスパート  博士(生物工学)

野上紀子
株式会社桃谷順天館 中央研究所 副所長

業界が注目する桃谷順天館のローズマリーエキス研究

桃谷順天館のローズマリーエキス研究について教えてください。
石田喬裕(以下、石田)表皮のターンオーバーが、肌に触れたときのなめらかさや触り心地、くすみに関係することに着目し、そのメカニズムに関わる角層剥離酵素の活性に影響を及ぼす素材としてローズマリーに辿りつきました。
当社は2016年に、年齢とともに増加しやすい肌のくすみの出現に角層剥離酵素カリクレインの活性低下が関係すること、その活性を高めることで肌くすみが軽減することを明らかにし、IFSCC Congressオーランド大会(2016)にて発表しました。
これに関連する研究を継続して行った結果、新たにローズマリーエキス配合化粧水に、ヒト角層におけるカリクレイン活性を高めてヒトの重層した古い角質を緩やかに減少させ、ヒトが感じる肌のくすみ感や厚み感を軽減させる可能性があることを明らかにしました。本研究成果に関しては、IFSCC Conference ミラノ大会(2019)にて発表しています。
この研究では、ローズマリーエキスによる表皮角化細胞の増殖作用も確認できたことから、ローズマリーエキス配合化粧水は角層の剥離だけでなく表皮細胞の供給もできるエキスと考えられます。そのため表皮ターンオーバーを適切に整えつつ、肌のくすみ感、厚み感も軽減させると期待しています。
またIFSCCでの発表や業界専門誌での論文掲載により、美容業界から注目を浴び、他社でも本研究をもとにした後続研究が行われています。新たな知見の土台となる研究結果を出せているのは、139年間絶えることなく研究を続け、世の中の変化に常に対応できるマインドと技術力が当社に備わっているからだと感じています。
ローズマリーのほかにも、研究対象候補の植物があったのでしょうか。
野上紀子(以下、野上)桃谷順天館では、素材発想ではなく“お客様の美しさを引き出したい”思いから研究をしています。
これは、創設者が妻のニキビを治したい思いで和歌山から現東京大学に出向き、研究を続けて『美顔水』(現在の『明色美顔水 薬用化粧水』)を開発した思いを引き継いでいます。
創業から139年経った今も世の中の美と健康のお悩みに寄り添うために、初代研究所長が掲げた研究信条に基づき、既成概念にとらわれない発想で真実を見出し、すべて科学に立脚した製品を提供することに重きをおいています。
ローズマリーエキスの研究でも、どういう肌が美しいのか、美しい肌の状態の条件を科学的に検証し、肌の手触り、なめらかさ、くすみのなさに着目して成分の探索をスタート。ビタミンCなどの単一成分から和漢植物なども含め、200以上総当たりしてローズマリーエキスに辿りつきました。

ローズマリーエキスの可能性と製品化

ローズマリーエキスには、表皮ターンオーバーを整えてくすみを改善するほかにも、期待できる効果があるのでしょうか。
石田これまでにさまざまな研究機関で、抗菌、抗酸化、抗老化、美白、ストレス軽減などの研究報告があります。これらの中にはヒトでの実験で明らかになったものもあり、ローズマリーエキスは美容面で期待感の高い素材だと言えるかもしれません。
またローズマリーエキスは高濃度でも、健常な肌においては刺激になりにくい特徴もあり、化粧品に配合しやすい成分といえます。
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