昔は紳士の証であった“ヒゲ”。しかしその象徴も、今では前時代的なものになりつつある。それは若者を中心にヒゲ脱毛に通う人が増えているからだ。なぜ、男性がヒゲ脱毛に走るのか。その理由をメンズに特化した総合美容医療を展開するゴリラクリニック総院長の稲見文彦氏に伺った。
昔の美容クリニックでは男性が肩身の狭い思いをしていた
歴史を辿ると、男性のヒゲは権力の象徴であったり、紳士の嗜みでもあった。近年ではヒゲ文化も定着し、ファッションの重要なファクターとして根付いてきている。しかし、東アジアの一部の地域(特に日本や韓国)では若者を中心にヒゲ脱毛に通い、ツルツルの肌を目指す人も増えている。ヒゲ脱毛のニーズが高まってきた2014年、ゴリラクリニックが開院。それ以前もエステサロンなどでニードル脱毛[1]やフラッシュ脱毛[2]は行われてきたが、ニードル脱毛はとても痛くギブアップする男性が少なくなかったそうだ。一方、フラッシュ脱毛ではメンズの濃いヒゲには効果が乏しく、満足いく結果が得られない状況だったとか。
当時は「メンズ専門クリニック」といえば薄毛(AGA)専門のクリニックなどしかないような状況だったため、レーザー脱毛[3]を希望するメンズは一般的な美容クリニックに行くしかない。しかしクリニックの待合室は女性患者がほとんどで、男性は非常に肩身の狭い思いをしていたという。『男性だけが通えるクリニックを作って、多くの男性に気軽に来院して欲しい』と考えたゴリラクリニックの総院長の稲見文彦氏。ヒゲ脱毛を始めたきっかけをこう語る。