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2023.03.30

BEAMSがメタバースプラットフォーム「ZEPETO」に初参加し、コラボアイテムを展開した理由

株式会社ビームスが全世界で4億人のユーザーが参加するメタバースプラットフォーム「ZEPETO(ゼペット)」に初参加し、「Ray BEAMS(レイ ビームス)」と「BEAMS HEART(ビームス ハート)」の2つのレーベルでZEPETOの人気クリエイターとコラボレーション。2月27日に、計10点のコレクションをリリースした。
そこで、今回の企画を担当した株式会社ビームスクリエイティブの木村淳さんと、藤平道子さんに、ZEPETOとコラボした経緯や、コレクションの制作エピソード、BEAMSの今後のメタバースやデジタルファッションに対する考えなどを聞いた。

BEAMSがZEPETOに参入した理由

BEAMSは、これまでにも「バーチャルマーケット」への参入事例があるが、なぜZEPETOに参加することを決めたのだろうか。今回プロデューサーとして携わっている木村さんは次のように語る。
「メタバースやデジタルファッションについて、本格的な参入となったのは『バーチャルマーケット』への出店が最初の取り組みとなりました。
そこでの目的は、世界中のユーザーが集まるVRChat上でのPoC(概念実証)や、ノウハウを蓄積するための第一ステップという意味合いがありました。
手応えとしては、メタバース上でわれわれの強みである接客を『デジタル接客』として提供したところ大きな反響を呼び、BEAMSならではの体験をコンテンツとして表現できたと思います。
こうした実績を踏まえ、バーチャルマーケットとは全く違うユーザー特性、参加に手軽さを持つメタバース、熱量の高いコミュニティを持つプラットフォーム、といった条件で次の検証をしていた中で、ZEPETOが候補に挙がりました。
また、ユーザー層の観点、BEAMSとして今後より力を入れたいZ世代とのタッチポイントを持てる点も、参加を決めた大きな理由となりました」
今回、レーベルとしては、Ray BEAMSとBEAMS HEARTが参加となった。この2つを選んだのは、どんな理由があったのだろうか。
▲Ray BEAMS展開アイテムの一部。全国のBEAMS店舗や公式オンラインショップで実際に販売中の2023年春夏シーズンの商品をアプリ内で着用できるアイテムとして制作
▲Ray BEAMS展開アイテムの一部。全国のBEAMS店舗や公式オンラインショップで実際に販売中の2023年春夏シーズンの商品をアプリ内で着用できるアイテムとして制作
▲BEAMS HEART展開アイテムの一部。実在しない、メタバースに特化したオリジナルデザインのアイテム
▲BEAMS HEART展開アイテムの一部。実在しない、メタバースに特化したオリジナルデザインのアイテム
「ZEPETOのユーザー特性から、当初からレディースのレーベルで参入することは決定していました。そのなかで、Ray BEAMSに関しては、トレンドを意識したアイテムを展開していることや過去にバーチャルマーケットでもデジタル商品の販売をしており、メタバースにおけるリテラシーが高いブランドであることが理由です。
BEAMS HEARTについては、アウトレット店舗を中心に展開しているオリジナルブランドで、比較的単価が低い商品が多く、今後新しい世代のエントリーレーベルにできるのではないかと考えたことと、もともとレーベル担当者がZEPETOとの協業を希望していたことが理由です」

コラボで最も人気を集めたファッションアイテム

両レーベルともに、ZEPETOで活躍している人気クリエイターと共同でアイテムを制作しているが、どのような観点でクリエイターを選定したのだろうか。企画を担当した藤平さんは次のように説明する。
「今回、Ray BEAMSはSASAKIさん、BEAMS HEARTはJackさんとコラボしました。もちろんフォロワーが多いという点もありますが、一緒にゼロからものづくりをするにあたって、コミュニケーションを綿密に取る必要があると感じました。
そこで、ZEPETO内には韓国など国外のクリエイターさんもいらっしゃいますが、あえて日本人のクリエイターさんにご依頼しました。その結果、ZEPETOの世界観とBEAMSの世界観のどちらも反映しているようなアイテム作りができたと思っています。
中でも、Jackさんと制作したクマがサイドカーに乗っているアイテムは、リアルでは表現できないアイテムで、見た目のレトロな可愛らしさもあり、特に大きな反響と売り上げがありました」
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