人工宝石の市場はテクノロジーの発達とともに日に日に拡大している。先日、日本初のモアサナイトジュエラー「Brillar(ブリジャール)」が、京都大学大学院工学研究科教授 木本恒暢さんとの共同開発によりモアサナイトの製造方法を開発し、日本国内での特許を取得した。今回は、日本でまだ知らない読者も多いモアサナイトの概要や開発技術について、株式会社Brillarで代表取締役社長の小原 亦聡(おはらいそう)さんにお話を伺った。 人工モアサナイト市場の隆盛
モアサナイトは1893年に隕石から発見された天然素材だ。ダイヤモンドの2.5倍ともいわれる世界最高峰の輝きと高い耐久性を持ち、ダイヤモンドと非常に類似点が多く、衝撃への強さ(靭性)、曇りにくさ(低親油性)などにおいてはより優れた性質を持っていることに特徴がある。天然モアサナイトは希少性が高く、市場には出回らなかったが、米国企業が製造に成功し、1998年に人工モアサナイトの販売が開始された。この際に取得した製造特許が2015年に米国で有効期限を迎 え、以降世界各国で有効期限を迎えたことから、現在では米国や中国など各国で質の高い人工モアサナイトの製造が行われているようだ。人工で安定した品質で製造されるため、品質に対するコストパフォーマンスが非常によく、既にアメリカでは消費者に広く受け入れられており、婚約指輪の選択肢の一つとしても支持されている。
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