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2022.04.13

眼鏡を付けたまま試着を可能に Fittngboxの 「Frame Removal Technology」

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Fittingbox(フィッティング・ボックス)は、フランスのデジタルアイウェアを専門とする企業だ。同社の技術はアイウェアを試着する際、度の入っていないフレームの試着を通じてしか購入できなかった課題を、バーチャル眼鏡試着の技術を通じて解決する。日本ではメガネ専門店「JINS」が昨年から資本提携を結んでおり、「JINS」のオンラインストアで実際にFittingboxの試着サービスを利用することができる。
Fittingboxが本年1月に米国ラスベガスで開催されたConsumer Electronics Show(通称CES)にて発表した「Frame Removal Technology(フレーム・リムーバル・テクノロジー)」は、ユーザーが着用している眼鏡のフレームをリアルタイムで仮想的に取り外し、他の眼鏡を試着することが可能になっている。今回、Fittingboxの歩みとCESで発表されたアップデートについて、同社のセールス、マーケティング、カスタマーサクセス担当グローバルチーフであるDominique BAZIN(ドミニク・バザン)氏にインタビューを行った。

15年に及ぶ開発の軌跡

Fittingboxの技術開発は、16年前に遡る。創業者であるBenjamin Hakoun(ベンジャミン・ハクウン)とAriell Choukroun(アリエル・シュクルーン)の2人は、当時から日常生活で眼鏡をかけていた。そのなかで、眼鏡をかけなければ自分の姿を確認することができないため、新たにフレームを購入するときに、試着した姿を正しく認識できないことにもどかしさを抱いていたという。さらに2人は眼鏡をかけている人の1/3が、眼鏡なしでは自分の顔が見れないという課題も知ったそうだ。これらの課題を解消すべくデジタルミラーを作ることを思いついたことが創業のきっかけとなったという。
「実感していたペインポイントから着想を得て、最初に構想したのはバーチャル試着技術を開発することでした。当時の携帯電話やコンピューターはカメラ機能を搭載しておらず、アイウェアのバーチャル技術がとても複雑であったことから、当時は少しクレイジーな夢に思えたかもしれません」
そして彼らの夢を実現するのに15年。そうして生み出されたアイデアは、拡張現実(Augumented Reality、以下AR)と減損現実(Diminished Reality、 以下DR)を融合することで、処方箋の入った眼鏡を着用したまま自分の好みのフレームを試着し、その姿を実際に見ることができるシステムを構築することだった。そして従来の店舗の鏡を、オムニチャネルの顧客体験を可能にするスマートミラーに置き換えることによって、「物理世界での体験をデジタル世界へコピーする」ために、アイウェアのバーチャル試着技術の開発を続けてきた。
「アイウェアは従来医療目的やファッション目的で利用されてきましたが、バーチャル試着には様々な問題があります。たとえばバーチャル試着には巨大なデータベースが必要になったり、アイウェア業界ではブランドが製品のライセンスを取得していることが多いといった現状もあります。他方で、グローバルエコシステムという意味では非常に興味深いとも言えるでしょう。私たちは長年に渡ってブランドや企業と協業しており、私たちの技術はこのエコシステムの中で活用いただいています」

高精細なアイウェアの撮影技術

彼らの技術の大きな強みは、膨大な12万以上にも及ぶ眼鏡フレームの3Dアセットだ。さらにトレンドや新製品の展開に対応し41000以上のブランドの商品を取り扱い、毎月4000の新しいフレームデータを追加しているという。その結果昨年は9500万回にも及ぶ試着機会を提供したそうだ。
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