2021.08.16

循環型ファッションの実現を目指すコミュニティ、NewMake

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SDGsへの意識が高まるなか、アパレル産業にもアップサイクルの波がやってきている。ファッション業界においては衣料品の大量消費・大量廃棄への問題があるなか、サスティナビリティを重要な経営課題と認識して取り組む企業も増えている 。

そんな潮流のなか、循環型ファッションの実現を目指すファッションコミュニティが登場した。東急不動産株式会社と、体験シェアリングサービスを運営する株式会社STORY&Co.は、ブラザー販売株式会社の協力のもと、2021年7月より「NewMake」の拠点となる「NewMake Labo」を表参道・原宿エリアにオープンした。

今回は株式会社STORY&Co.代表取締役 細川拓さんに、循環型ファッションの実現化を目指すファッションコミュニティ、NewMakeの拠点となる「NewMake Labo」の概要や、目指す姿について伺うべくインタビューを行った。

アップサイクルのための拠点

アパレル産業も環境意識が高まるなか、アップサイクルするコミュニティの場として誕生したのが「NewMake Labo(以下、ラボ)」だ。このラボは、「循環型のファッションコミュニティ開発の場」を目指して設立されたという。特に取り扱う領域として、在庫となっている商品や販売が難しいサンプル品などに新たな価値をつけて循環させる業務を担う。

ラボでは、会員が洋服や雑貨などのアイテムを提供し、新しいアイテムに生まれ変わらせるためのミシンやプリンター、服作りに必要な資材(布やボタンなど)も揃えている。また、NewMakeでは「サステナビリティとは服や雑貨が作られた『背景・思いを知る』ところから始まると考えている」と、細川さんは語る。そのため、各ブランドのヒストリーやストーリー、そしてサステナビリティへの取り組みなどを知ることができる講座の提供もしていく予定だという。

画像: 今回Missoni作品をNewMakeされたうちの1人、高原凌さん
今回Missoni作品をNewMakeされたうちの1人、高原凌さん

現在は初回の試みとして、ニットクリエイターの蓮沼 千紘さん、高原 凌さんら5名のアーティストを迎え、三喜商事株式会社提供のMissoniブランドの衣服を「NewMake」した作品が展示されている。

ラボは専用サイトからコミュニティメンバー登録をすれば誰でも無料で参加可能で、現時点では、300名以上の登録があった。平均年齢は27歳、70%以上が機材などを活用して洋服を作っており、ファッション業界の関係者が多い印象だという。
「実際に自分がデザインされた服が在庫となり処分されていく様子を見ていた経験から課題意識が芽生え、大きな会社組織では解決が難しいことも、このコミュニティであれば解決できるのでは、と期待していただき参加いただく方が多いです。

在庫処分をなくすために

運営する株式会社STORY&Co.は、これまでもオンライン・オフライン問わず、さまざまなコミュニティの提供をしてきた。そのなかでも今回、ファッション分野での循環型コミュニティに注目した経緯としては、細川さん自身のアパレルブランドの経営経験があったという。

「昨今、衣料品ロスなどのサスティナビリティについての問題提起が盛んですが、ブランドデザイナー、生産に関わる多くの人たち、流通、販売してくださる店舗の方々など誰1人、在庫処分などしたくないという気持ちを理解しており、業界内外のギャップが深いと感じたため、企業と個人が共通の課題意識と解決に挑める場を作ることといたしました。」
このような想いや趣旨を伝えていくことで、在庫となっている商品や販売が難しいサンプル品などを提供してくれる企業を見つけていったとのことだ。

画像: ラボ内装
ラボ内装

また、表参道・原宿にコミュニティの拠点を構えたことについては、若手クリエイターたちの勢いや創造性を活かす場を取り戻したいとの想いもあったという。

「表参道・原宿は、かつては若手クリエイターたちの勢いや創造性という力を動力源として、魅力を高めてきたエリアだと考えております。ですが、現在はそういった場が減ってしまいました。そんなときに、地域活性を地域の人たちと共に実現したいと考えている東急不動産様の意向とも重なったため、今回の実現にたどり着きました。

コミュニケーションの場としても期待

今回、メディア向けの内覧会を実施し、新しい価値づくりのための制作のみならず、コミュニケーションの場としても期待が寄せられている。最後に、細川さんは以下のように語ってくれた。

「ラボは、リリースして間もないですが、毎日沢山の課題と悩みが持ち込まれている状況で、それらを解決するソリューションはまだまだ乏しい状況であります。今後はNewMakeという場がハブとなり、企業や個人、地域社会と一緒に新たな解決策を見つけていくことでファッション業界や地域、そして未来を担うデザイナーやクリエイターたちに還元していくことができればと考えております。」

新しい価値のもとでの創作の拠点となることを目指す、「NewMake Labo」。ここから様々な取り組みが生まれていくことに、期待していきたい。

#Sustainability
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