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2023.10.02

洗濯のプロが生み出した粉末洗濯洗剤:とみおかクリーニング

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家庭用洗剤は日々改良が重ねられている。粉末洗剤や液体洗剤だけでなく、最近ではジェルボールという第3の洗剤も登場し、選択の幅が広がった。消臭や抗菌機能に加え、色落ち防止などそれぞれに特徴があるため、各々のニーズにあった洗剤を選ぶことができる。
そこに新たな選択肢を加えてみてはどうだろうか。1950年に北海道の中標津町で創業したクリーニング店を母体とするとみおかクリーニングが、家庭用の粉末洗濯洗剤を販売している。洗濯のプロが販売する洗剤となれば、その魅力は気になるところだ。しかも、かわいらしいミルク缶に入っているというキャッチーな見た目も話題を呼び、SNS上で人気を博している。
今回、クリーニング店だからこそ強いこだわりが詰まった粉末洗濯洗剤について、同ブランドを運営している株式会社ハッピーツリー商品本部・マーケティンググループの小石川良美さんにお話を伺った。
PROFILE|プロフィール
小石川 良美(こいしかわ よしみ)
小石川 良美(こいしかわ よしみ)

2009年入社。ECサイト店長を経て、現在ブランドマネージャーとして、とみおかクリーニングブランドの商品開発企画に携わり、また直営店・小売り向けのチーフバイヤーを務める。

「世界一かわいいクリーニング店」

クリーニング店と聞いて、どんなイメージを持つだろうか。受付カウンターがあって、奥にはクリーニング済みの衣類がハンガーに掛かっている。店舗によっては、業務用の洗濯機が稼働する音が鳴り響いているといったところだろうか。
だが、とみおかクリーニングはそんな従来のクリーニング店のイメージとは異なる店構えを持っている。その背景には、とみおかクリーニングのリブランディング化がある。2019年に株式会社富岡クリーニングと株式会社ハッピーツリー・アンド・カンパニーが合併して、株式会社ハッピーツリーが誕生したことにより、新たな経営方針が採られたからだ。
「現在の代表が経営に携わる2006年頃から、とみおかクリーニング店のリブランディングに注力し、ブランドロゴ、店構え等を刷新していきました。クリーニング受付に加え、洗濯にまつわる雑貨などの小売りも開始し、クリーニング店にお越しいただいたお客様にお買い物まで楽しんでいただけるような併設店を開発していきました」
カフェと錯覚するような店構えだが、こちらは中標津町にある東武サウスヒルズ店だ。他方、とみおかクリーニング w/ CAFE & LAUNDRY 札幌本店の外観を見ると、これまた異なるコンセプトであることがわかる。
「直営店のリブランディングに注力していた当初、『世界一かわいいクリーニング店』をコンセプトに店舗開発していました。クリーニング、家事、洗濯、掃除、と聞けば、正直『ワクワク』するものではないと思うのですが、そこを店舗デザインや素敵な雑貨を置くことで、わざわざ行きたくなるようなクリーニング店を目指しました」
2010年頃からオリジナル商品も開発するようになり、毎日の家事が楽しくなるような雑貨も販売している。そのなかのひとつが、今回注目する粉末洗濯洗剤だ。

善玉バイオのEM菌を配合したエコ洗剤

見た目からおしゃれ雑貨と勘違いしてしまいそうだが、こちらが同社の販売する粉末洗濯洗剤になる。いわゆる紙製の箱やプラスチック容器ではなく、ミルク缶が用いられている。多くの方に手に取ってもらうにはどうしたらよいかと考えているとき、創業の地である中標津町が酪農の盛んな土地であることに着想を得たようだ。その戦略が功を奏し、いまでは同社を代表する商品となっている。
だが、人気の秘密はおしゃれな見た目だけでは説明できないだろう。ホームページの商品紹介には「善玉バイオのEM菌」という見慣れない言葉がある。これが鍵を握っているのではないか。
小石川さんによれば、クリーニング工場で一部使用していた粉末洗濯粉洗剤を家庭向けに販売しようとなったのがきっかけであり、あくまでも「プロユース」製品であることを意識したという。
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