紙の雑誌に勢いがない。出版の世界でやってきた人間にとっては忸怩たる思いだが、特に、もっとも元気があったはずの中高生=ティーンエイジャー向けのファッション情報誌は、もはや絶滅危惧種となりつつある。
スマホに取って替わられたから? 少子化のせい? 外的要因だけではなく、もしかすると雑誌自体の熱量が、救いようのないくらい下がってしまっていたのでは?
そんな想いを抱きつつ、改めてティーン誌のルーツと、その時代背景を時系列で探ってみた。
ベビーブーム到来、子どもも大人も洋服は家庭で縫うことが多かった
終戦直後、いわゆるベビーブームが訪れ、その親たちに向けた『主婦の友』や『主婦と生活』といった婦人雑誌は非常によく売れていた。これらの雑誌は衣食住に関する情報を幅広く紹介して好評を博しており、生活情報誌としての色合いが強いものだった。
同時期の1949年には、ファッション誌の草分け的存在である『ドレスメーキング』が創刊される。
この雑誌は他の主婦向け雑誌とは違っていて、日本で初めて服飾デザイナーを本格的に養成する教育機関であったといわれる『ドレスメーカー女学院(現在の杉野学園 ドレスメーカー学院)』の監修のもと、ほぼ全ての服の型紙と作り方が載っているスタイルブック。急速に洋装が浸透した時代の、洋裁ブームを牽引する存在だった。
この記事は会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。 会員登録でできること
- 会員限定記事の閲覧、
音声読み上げ機能が利用可能 - お気に入り保存、
閲覧履歴表示が無制限 - 会員限定のイベント参加
- メールマガジン配信で
最新情報をGET