これまで多くのファッション業界に携わる企業が、環境汚染の対策を講じてきた。そのなかでも、おもな取り組みがリサイクルだろう。いかに製造や廃棄のロスを少なくするかが鍵だった。
だが、リサイクルに関心を寄せるのは、何もアパレル企業や繊維業者だけではない。今回注目した株式会社福井プレスは、なんとクリーニングや染め直しを専門とする会社なのだ。そんな会社が提供する珈琲染めが産業廃棄物の循環につながるというのには、どんな仕組みがあるのだろうか。同社代表の福井伸さんに、その取り組みと理念について伺った。 PROFILE|プロフィール
福井 伸
1974年1月8日生まれ。全国チェーンのクリーニング店、染料ディーラーでのサラリーマン勤務を経て実家の家業を継ぐ、クリーニング工場と染工場を融合させた独自のスタイルで業界では稀なポジションを築いた。現在は新たな領域へ会社を変化させるべく奮闘中。
クリーニング屋から染色へ
どのような事業をされているのでしょうか。
当社はクリーニング屋を営んでおり、私が3代目になります。現在は染め直し屋としての事業も展開しています。もともと私はサラリーマン時代に染色関連の会社に勤めておりまして、営業で工場を回っていました。そのときに、染色工場の機械と実家のクリーニング工場の機械が同じであることに気づいたのです。
当時は大きな染色工場がどんどん潰れていく時代でした。クリーニング業界も斜陽だったこともあり、2つの事業を同じ機械で展開できれば生き残れるのではないかと考えました。蓋を開けてみれば、これが大正解でした。