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2024.09.13

厚底になり、クッション性&反発性がアップ ! アシックス「マジックスピード4」はどう進化した?

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アシックスの「METASPEED(メタスピード)」シリーズの機能とデザインを引き継ぎつつ、より多くのランナーが活用できる厚底カーボンシューズとして登場した「MAGIC SPEED(マジックスピード)」。カーボンプレート搭載シューズに初挑戦するランナー、レースで自己ベストの更新を目指すランナーを中心に高い人気を誇っている。
シリーズ最新作「マジックスピード4」は前作よりも厚底となり、クッション性を強化。さらに、前足部には軽量高反発素材、FF TURBO(エフエフ ターボ)を内蔵。蹴り出し時の反発性を追求したという。一体、どんなシューズに進化したのだろうか。

踵部の厚さは43.5mm。クッション性が大きく向上

「マジックスピードは、初めてカーボンプレートを搭載したシューズを履くランナー、レースで自己記録更新を狙うランナーをメインのターゲットにしたシューズです。このレベルのランナーがフルマラソンを走る場合、3時間、4時間という時間走り続けることになります。
今回のアップデートでは、より快適性を高めて、レースの最後までランナーを後押しできるシューズを目指しました」と、商品担当のアシックスジャパンの金田淳志さんは言う。
大きなアップデートポイントのひとつがソールのボリュームアップ。前作はスタックハイト(ソール厚)が踵部36mmで前足部29mm、ドロップ(踵部と前足部の高低差)は7mmだったが、今作では踵部43.5mmで前足部35.5mm、ドロップは8mmになった。
アスリートがレースで着用するシューズは、世界陸連の規定によって、ソールの厚さは40mm以下と制限されているが、「マジックスピード4」はその制限を超えた厚さが採用されていることになる。つまり、アスリート向けではなく、市民ランナーをいかに快適にゴールまで導くかを目的として設計されたということなのだ。
マジックスピード4。18,700円(税込)。物価の上昇や円安の影響により、カーボンプレートを搭載した高機能シューズは2万円超えが当たり�前、3万円台のシューズも多い中、マジックスピード4は破格のプライス!
マジックスピード4。18,700円(税込)。物価の上昇や円安の影響により、カーボンプレートを搭載した高機能シューズは2万円超えが当たり前、3万円台のシューズも多い中、マジックスピード4は破格のプライス!

反発性も向上し、より滑らかな重心移動が可能に

ミッドソールの素材は、トップ(プレートの上側)、ボトム(プレートの下側)ともに、FF BLAST PLUS(エフエフ ブラスト プラス)を採用。この点は前作と変わらないが、今作では前足部のプレート下部に、軽量で反発性に優れたFF TURBO(エフエフ ターボ)を内蔵している。
「近年のトレンドでもあるのですが、世界中のランナーからクッショニングの高さをシューズに求める声があり、より快適さを感じてもらうためにミッドソールの厚さを増すことになりました。また、前足部、プレートの下部に反発性に優れた素材を内蔵することで、前作以上に前へ前へと進んでいく感覚が得られるかと思います」
カーボンプレートは、反発性を備えたフォーム素材を面で押し込むことで大きなエネルギーリターンを得る役割を果たしているが、同時に安定性を高めることにも貢献している。
近年、ミッドソールに採用されているフォーム素材は進化が著しく、より軽く、より柔らかくなっている。その柔らかい素材を大ボリュームで搭載すれば、クッション性や反発性は高まるものの、安定性は損なわれる。そこに、硬さがあり捻れにくいプレートを搭載することによって、安定性を補っているのだ。
そのカーボンプレート。傾斜や硬度は前作同様だが、今作では踵部が二股に分かれる構造となった。そうすることで、着地時にプレートが適度にしなり、着地衝撃を緩衝してくれるという。
ミッドソールはトップ、ボトムともにFF BLAST PLUSを採用。前足部、プレートの下部にFF TURBOが搭載されている
ミッドソールはトップ、ボトムともにFF BLAST PLUSを採用。前足部、プレートの下部にFF TURBOが搭載されている

アッパーをエンジニアードメッシュに変更

アッパーの素材も刷新された。前作ではサブ4を目指すランナー向けに開発された「S4(エスフォー)」などにも使われているモーションラップアッパーが採用されていたが、今作はエンジニアードメッシュアッパーとなった。
モーションラップアッパーは、伸びると素早く縮むキックバック特性を備えたハリ感のある素材だが、エンジニアードメッシュに変更されたことで柔らかい足あたりになり、足を包み込むようなフィット感のあるシューズになった。
部位に応じて編み方や孔の大きさを変え、通気性とフィット性を高めたエンジニアードメッシュを採用した
部位に応じて編み方や孔の大きさを変え、通気性とフィット性を高めたエンジニアードメッシュを採用した
アウトソールは素材、パターンともに大きな変更はないが、一見しただけではわからないアップデートが施されている。
「アウトソールを手で触っていただくとわかるのですが、グリップ力を高めるために凹凸を作りました。しっかりと地面を捉えてくれるので、安心して足を預けることができるかと思います」
また、前作よりも中足部から後足部の接地面積を広くすることで、安定性を確保している。
手で触るとわかる凹凸をつけてグリップ力を向上させた
手で触るとわかる凹凸をつけてグリップ力を向上させた

マシマシのクッション性で快適に走れる

気になる実際の走行感だが、走り出してすぐに前作以上のクッション性が感じられる。特に着地時のソフトさは前作を大きく上回っている印象だ。筆者はまだ5〜6kmの距離を数回走った程度だが、距離が長くなればなるほど、このクッション性の高さはランナーを助けてくれるはずだ。
前作同様、ミッドソールが沈み過ぎることはなく、カーボンプレートの助力もあって、体重移動がスムーズに行えるからか、腰を高く保ちやすい。完全に個人の体感ではあるが、「マジックスピード4」で走るとフォームが良くなるような感覚がある。
当たり前ながらアッパーのフィット感も明らかに前作とは異なり、ソフトな印象。モーションラップアッパー特有のハリ感や程よい硬さが好きというランナーもいるかもしれないが、その場合は「S4」をチョイスすると良いのではないだろうか。
新しい「マジックスピード」は、これから迎えるレースシーズンで多くのランナーの記録更新をサポートしてくれそうだ。
PROFILE|プロフィール
金田 淳志(かねだ あつし)
金田 淳志(かねだ あつし)

アシックスジャパン株式会社 カテゴリー統括部 パフォーマンスランニングフットウエア部 プランニングチーム。レーシングシューズを中心とした商品MD(マーチャンダイジング)を担当。ユーザーテストも兼ねて週20kmを目標にランニングを継続しながら、ランニングシューズと向き合う日々を過ごす。

Text by Fumihito Kouzu

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