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2024.04.05

モデル名に“パリ”がついた最高峰モデル アシックス「メタスピード」シリーズ最新作のポテンシャル

カーボンプレートを搭載した厚底ランニングシューズが一般化し、メーカー間による開発競争はますます激化している。アシックスは2タイプのトップモデルを継続的に展開。
ストライド型のランナー(歩幅が広いタイプ)には「METASPEED SKY(メタスピード スカイ)」シリーズを、ピッチ型のランナー(歩幅が小さく回転数が高い)には「METASPEED EDGE(メタスピード エッジ)」シリーズを推奨してきた。
モデル名に「PARIS(パリ)」とついた最新作はどのようなアップデートが施されたのだろうか。

ミッドソールとアッパーに新素材を採用

最新作「METASPEED SKY PARIS(メタスピード スカイ パリ)」、「METASPEED EDGE PARIS(メタスピード エッジ パリ)」のミッドソールには、新しいフォーム素材、FF TURBO PLUS(エフエフ ターボ プラス)が採用された。
「FF TURBO PLUSは、スカイ プラスと エッジ プラスに採用されていたFF TURBOと比較すると、約8.0%軽く、反発性が約8.2%、クッション性が約6.0%向上しています。着地と同時に変形、圧縮し、素早く元の形状に戻ることで、跳ね返るような感覚が得られ、 ストライドを伸ばすことが可能になります」と、トップアスリートが勝てるシューズを開発するアシックス Cプロジェクトのリーダー、竹村周平氏。
ミッドソールには新素材、FF TURBO PLUASが採用された
ミッドソールには新素材、FF TURBO PLUASが採用された
また、共通のアップデートポイントとして、ラスト(足型)が新しくなり、アッパー素材がモーションラップアッパー2.0に変更された。
「アスリートの足形を分析し、また彼らの要望に応え、アーチ部のサポートを高めた新しいラストを採用しました。モーションラップアッパー2.0は軽量で通気性に優れた素材で、足とシューズの一体感、フィット性を追求しました。通気性を重視したのもアスリートたちの要望によるものです」
ラストの変更でアーチ下の隙間は約7.2%埋まり、アッパー素材の変更によって通気性は約8%向上したという。トップアスリートからの評価も高いそうだ。
ストライド型のランナーに向けて開発されたメタスピード スカイ パリ。27,500円(税込)
ストライド型のランナーに向けて開発されたメタスピード スカイ パリ。27,500円(税込)
ピッチ型のランナーに向けて開発されたメタスピード エッジ パリ。27,500円(税込)
ピッチ型のランナーに向けて開発されたメタスピード エッジ パリ。27,500円(税込)

プレートの幅が広くなった「スカイ」、前足部が厚くなった「エッジ」

では、それぞれのモデル特有のアップデートポイントも確認していこう。「スカイ パリ」に搭載されたカーボンプレートは、「スカイ プラス」に搭載されていたものと比べて前部の幅を広げ、蹴り出し時の安定性を高めている。
また、カーボンプレートはフラットな形状としミッドソール内の 上部に配置。プレート全体でフォーム材を圧縮させることで、よりダイナミックで大きな反発力を生み出せるようになっている。「スカイ プラス」よりも広い面積でフォーム材を圧縮できるようになったことで、約12%の反発領域向上を実現した。
一方の「エッジ パリ」は、「エッジ プラス」よりもミッドソール前足部の厚さが約3mm厚くなった。カーボンプレートについては「エッジ プラス」同様V字形状とし、ミッドソール内の爪先に向かって下がるよう傾斜を付けて配置されている。反発領域については約20%向上している。ミッドソール前足部が厚くなったことで、ドロップ(前足部と踵部の高低差)は、5mmになった。
「スカイ パリ」はプレート幅が広がり、「エッジ パリ」はミッドソール前足部の厚さが増したにもかかわらず、重量はどちらも軽くなっている。「スカイ パリ」は「スカイプラス」よりも約20g軽い約185g(27.0cm)、「エッジ パリ」は「エッジ プラス」よりも約25g軽い約185g(27.0cm)。厚底でありながら200gを切る軽量レーシングシューズに仕上げられた。軽量化できた要因は、主にミッドソール素材が軽くなったことだという。
「スカイ パリ」に搭載されたカーボンプレートは「スカイ プラス」のものよりも前足部の幅が広くなっている
「スカイ パリ」に搭載されたカーボンプレートは「スカイ プラス」のものよりも前足部の幅が広くなっている
「エッジ パリ」は「エッジ プラス」よりも前足部のミッドソールが3mm厚くなった
「エッジ パリ」は「エッジ プラス」よりも前足部のミッドソールが3mm厚くなった
アウトソールのカラーは「スカイ パリ」と「エッジ パリ」を一目で見分けるポイントとなっている。素材はどちらもグリップ力と耐久性に優れたASICSGRIPが使われているが、形状が少し異なっている。「スカイ パリ」の方は、ミッドフットからフォアフットで着地した際に、フォーム材が変形しやすいように少し肉抜きされており、「エッジ パリ」の方はヒールストライクに対応するためにラバーが踵方向に少し長い。細部までこだわり抜いて作られていることがうかがえる。
「スカイ パリ」のアウトソール。前足部の小指側が肉抜きされている
「スカイ パリ」のアウトソール。前足部の小指側が肉抜きされている
「エッジ パリ」のアウトソール。踵部外側のラバーが長いのが特徴
「エッジ パリ」のアウトソール。踵部外側のラバーが長いのが特徴
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