人間は服と共に生きている。先史から現代までの人間の活動を総合すると、「人間は衣服を着る動物だ」とも言えるかもしれない。科学技術が発達した現代もそれは同じ。そして、人間の可能性を拡大する様々な機能を搭載したウェアラブルデバイスやスマートテキスタイルも、今や身近な存在になってきている。
一方、「衣服は人間によって着られるものだ」という前提は揺らいでいる。今やペットにも家族や仲間としての親しみを込めて、服を着せることも一般化してきたからだ。それなら、私たち人間と同じように、彼らの体調を管理できる動物用の服があってもいいかもしれない。今回はそんな便利を実現する、動物にも使用可能なスマートテキスタイルをご紹介したい。
東洋紡株式会社が開発した「
COCOMI®」を使用した牛用スマートテキスタイルは、牛の体調を効率的に管理し、畜産業従事者の方々の負担も減らすことが期待できる。「COCOMI®」とは何なのか?動物用に開発する利点は何なのか?そんな疑問に答えてくれたのが、東洋紡株式会社の生活・環境生産技術部、表雄一郞さ んだ。
スマート衣料向けフィルム状導電素材「COCOMI®」とは?
「COCOMI®」は、心拍数・呼吸・筋肉活動量の計測 が可能なフィルム状導電素材だ。薄く伸縮性を持ち、体の動きに追従し、電極と配線の継ぎ目をなくして一体化させることが可能。さらに、電気抵抗値が低いため、より精度の高い生体情報の収集も実現可能になる。