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2022.04.01

デジタルテキスタイルメタバースの実現へ 台湾発Frontier

Frontier(フロンティア)は、台湾を拠点とするデジタルテキスタイルのコラボレーションプラットフォームだ。当社のコアの技術である「3D Fabric Creator(3Dファブリック・クリエーター)」は、既存のスキャナーで作成されたデータをもとにテキスタイルのデジタルデータを自動で生成することを可能にしている。さらに当社は2022年に米ロサンジェルスで開催された「Consumer Electronics Show(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー、通称CES)」 にて世界初となる繊維産業向けMPSoC(マルチプロセッサ・システム・オン・ア・チップ)である「Fabric Meta Chip(ファブリック・メタ・チップ)」を発表し注目を集めている。「Fabric Meta Chip」は今後、実際の布地から直接バーチャル衣類をデザインすることを可能にし、繊維サプライチェーンの強化を可能にするとされる。今回グローバルビジネス開発チームのAlexis Rebecca Liu(アレクシス・レベッカ・リウ) と、マーケティング担当のTammy Huang(タミー・ホァン)にインタビューを行った。

既存のスキャナーからデジタル生地のデータを作成

Frontierの革新的な技術である「3D Fabric Creator」について教えてください。

アレクシスFrontierの技術を支える「3D Fabric Creator」は当社独自のAI技術を搭載しています。この技術によって、実際の生地の画像をそのまま3Dデジタル素材に変換し、生地のデジタル版を作成することを可能にします。これまでデジタル素材データの不備や不足は、3D服飾デザインのプロセスにおける最も大きな障害でした。
タミーしかし、Frontierではユーザーが既にオフィスにあるスキャナーを使って簡単にデジタル生地のデータを作成することができます。 当プラットフォームにある生地データは、すべてユーザーがアップロードしたものです。生地データのアップロードは非常に簡単で、繊維会社などが所有しているスワッチを、オフィスにあるスキャナーで読み取り、特別に用意された当社独自のアカウントtextile.comのメールアドレスに送信するだけです。アップロードには2種類あり、スマートアップロードとマニュアルアップロードがあります。前者の場合には、生地のスウォッチカードなどが既にあり生地情報が記載されている場合に最適です。その後、自社のAIエンジンがそれらの情報に基づき生地データを生成、実寸とパントーンを認識し、生地データが生成される仕組みです。そこにはポプリンやストライプ、ウールなどの生地のタグ付けも行われています。それらに加えて、サプライヤーが任意でテキストを追加できるようにしています。
アレクシスこれらのタグ付けによって生地の検索を行うこともできます。たとえば、ストライプ素材を探している場合、Googleやその他の検索エンジンと同じように検索バーに好きなようにキーワードを入力することで、キーワードにマッチした素材が表示されるのです。
タミー他にも、リスト検索にも対応しています。デニムやストライプといった生地のキーワードだけではなく、デザイナーが「春の生地が欲しい」と考えたときに、それを検索できるようにAIエンジンが学習されています。たとえば春をイメージして、シルク・花柄を思い描き、それらのキーワードで検索することも可能です。
アレクシスさらにプラットフォームにアップされた情報を編集することができます。情報を追加したい場合には任意の情報を追加することもできますし、社内のコミュニケーション用途のためのインターナルな情報の追記も可能です。そして、タスクレポート、認証情報、ビデオ、PDFなどの追加も可能なため、マーケティングツールとして使用することもできます。もしアップロードで問題が発生した場合にはユーザーに通知が送られます。そうした場合には解像度や布の向きなどアップロードの完了に必要な条件を再確認し、再度アップロードしていただくことになります。
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