“落としても壊れない丈夫な時計”と謳われた「
G-SHOCK(Gショック)」から、大人のG-SHOCK「MT-G」シリーズが生まれたのは1999年のこと。メタルと樹脂の融合モデル「
MT-G」シリーズはなぜ開発されたのか、そして「MT-G」はどう進化していったのか、その誕生と進化の軌跡を、カシオ・デザイン開発統轄部 第一デザイン部、Gデザイン室の室長である赤城貴康さんに、最新作の紹介を交えながらお話を伺った。
「MT-G」のはじまりは新たな耐衝撃構造のアイデアから
タフネス時計の代名詞である「G-SHOCK」。90年代には爆発的人気を誇ったが、メタルモデルの登場がその革新性をさらに際立たせるものとなった。メタルと樹脂という2つの素材を融合させた大人のG—SHOCKとして誕生したのが「MT-G」シリーズだ。その誕生のきっかけを、初代のMT-Gである「GC-2000」からデザインに携わる赤城さんはこう語ってくれた。1998年に、自由な発想でデザインから生まれる新企画を発案する過程で、定番の『5600シリーズ』の耐衝撃構造とは異なるアプローチをしたいと考えていました。いろいろとアイデアを出した中から『GC-2000』に採用された、ビスで固定せずベゼルを浮かせてバンドで挟み込むような、新発想の耐衝撃構造である“フローティングガード構造”を考案しました。