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2024.08.15

HOKAから新コンセプトのロードモデルが登場 「スカイフロー」は一体どんなシューズなのか

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軽量で衝撃吸収性に優れたクッションミッドソール、足全体を包み込む安定した履き心地を実現するミッドソールのアクティブフットフレーム、スムーズな体重移動を促す独自のメタロッカー構造といった3つを柱に、ランナーの足元を支えるHOKA(ホカ)のシューズ。
「BONDI(ボンダイ)」や「CLIFTON(クリフトン)」、「MACH(マッハ)」といったロードの用のランニングシューズが、多くの人から支持されているのは、ランナーであればご存じだろう。
そんなHOKAから、既存の人気シリーズとは一線を画すニューモデル「SKYFLOW(スカイフロー)」が登場した。「スカイフロー」とは一体どんなシューズで、どんなテクノロジーが採用されているのだろうか。

「スカイワード X」から着想を得たモデル

「スカイフローは今年4月にリリースされたSKYWARD X(スカイワード X)から着想を得て開発されたモデルです」と、HOKAのアシスタント マネージャー ,フィールド エクスピリエンス レップ、安藤正直さんは言う。
「スカイワード X」は、スムーズな履き心地を極限まで追求したカーボンプレート搭載モデル。ミッドソールの下部に超臨界発泡をしたEVAをベースにしたスーパークリティカルフォームを、上部に弾力性に優れたPEBAフォームを採用し、ダイナミックで快適なライド感を実現している。
「スカイフロー」のミッドソールに採用されているのは、スーパークリティカルフォーム。これは人気のスピードモデル「マッハ 6」にも使われている素材だ。
スーパークリティカルフォームは、超臨界発泡をしたEVAベースの素材です。樹脂に高圧力と温度をかけて、超臨界流体と呼ばれる気体と液体の中間的な状態にしてから成型用の金型に流し込むのですが、それによってより高密度な発泡パーツが作れるため、より優れた反発性や強度を出すことができます
ミッドソールにスーパークリティカルフォームを採用したスカイフロー。22,000円(税込)
ミッドソールにスーパークリティカルフォームを採用したスカイフロー。22,000円(税込)
こちらが着想元の「スカイワード X」。35,200円(税込)
こちらが着想元の「スカイワード X」。35,200円(税込)

クッション性に優れた厚底ランニングシューズ

ソールの厚さは踵部が40mm、前足部が35mm。「ボンダイ 8」が踵部33mm、前足部29mm、「クリフトン 9」が踵部38mm、前足部33mm、「マッハ 6」が踵部37mm、前足部32mmなので、「スカイフロー」はHOKAのラインナップの中でもかなり厚底の部類ということになる。
弾力があり、クッション性に優れたスーパークリティカルフォームを採用した「スカイフロー」は、弾むようなライド感が得られる。気になるのは柔らかなフォームを大ボリュームで搭載したことによって、安定性が失われないかというところ。
近年の厚底ランニングシューズは、底面を広くとり接地面積を増やすことで安定性を確保していることが多いが、「スカイフロー」の底面は、厚さの割にスリムな印象だ。
「HOKAのシューズにはアクティブフットフレームと呼ばれるバケットシート型のソール構造が採用されています。足を包み込んで踵を固定するためのものなのですが、スカイフローにはより安定性を高め、オーバープロネーション(着地時に起こる踵の過度な内側への倒れ込み)を抑制するソール構造が採用されています。
接地面積が広くなり過ぎると前方への重心移動のスムーズさが失われ、“足抜けが悪い”と感じることがありますが、スカイフローはその点が非常にスムーズ。スピードを出そうとしたときに、それに応えてくれるシューズだと言えるでしょう」
ロッカー構造も「スカイワード X」を参考にしたもので、体重移動はとてもスムーズに行える。厚底シューズ特有のクッション性や反発性の高さに魅力は感じつつも、もたつく感じやもっさり感が気になるという人にとって「スカイフロー」は試す価値があるシューズなのではないだろうか。
ソール厚は踵部が40mm、前足部が35mmとかなりの厚底
ソール厚は踵部が40mm、前足部が35mmとかなりの厚底
耐久性のあるラバーを採用したアウトソール。踵の接地面積はそれほど大きくとられていない
耐久性のあるラバーを採用したアウトソール。踵の接地面積はそれほど大きくとられていない
スムーズな体重移動を促す構造。いわゆる“足抜け”がいい
スムーズな体重移動を促す構造。いわゆる“足抜け”がいい

デイリーのジョグを快適にしてくれる

アッパーには通気性に優れたクリールジャガードアッパーを採用。アッパーとシュータンを一体化させるガゼットタン構造が採用されているので、走行時の足とシューズの一体感が高く、快適。シュータンや踵周りにソフトでクッション性のある素材が使われているので、ランニング時の擦れやシューレースの圧迫感も心配しなくていいだろう。
「スカイフロー」の使い道としてもっとも適しているのはデイリーのジョグだろう。「クリフトン 9」とは好みが分かれそうだが、軽さを重視するなら「クリフトン 9」、よりクッション性を求めるなら「スカイフロー」といったところだろうか。
実際に「スカイフロー」で走ってみると、さすがの厚底、かなり着地衝撃を緩衝してくれる。スーパークリティカルフォームの反発性の高さのおかげか、沈み込み過ぎることはなく、スムーズに重心移動が行える感じがある。「クリフトン 9」や「マッハ 6」と比べるとシューズ重量はあるが、もたつき感はない。安定感もあるので、ビギナーランナーの最初の一足としてもおすすめだ。
シュータン、足首周りもソフトで、足に心地好くフィットする
シュータン、足首周りもソフトで、足に心地好くフィットする
クッション性の高さと重心移動のスムーズさが魅力
クッション性の高さと重心移動のスムーズさが魅力
PROFILE|プロフィール
安藤正直(あんどう まさなお)
安藤正直(あんどう まさなお)

デッカーズ ジャパン HOKA アシスタント マネージャー ,フィールド エクスピリエンス レップ。シューズのスペシャリストであり、ランナーでもある。写真は年2回デッカーズで行われるグローバルボランティアウィーク「アート・オブ・カインドネス」で走った距離だけ寄付をするプログラムに参加し、福島県の相馬市まで(約350km)を4泊5日かけて走ったときのもの。

Text by Fumihito Kouzu

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