もともとは子どもたちの通学カバンとして生まれた
「スウェーデンで1960年に創業した『フェールラーベン』はアウトドア仕様のバックパックのメーカーですが、1978年に販売開始された『カンケン』は、創業者のオッケ・ノルディンがスウェーデンの子どもたちの身体の負担を軽減する通学カバンとして開発した日常用バッグです。重たい教科書や道具類を持ち運ぶのに適した、シンプルで軽くて丈夫な2wayバッグですね。それが便利だということで大人の愛用者が増え、人気が世界中に広まって、日本でも多くの方に愛されるロングセラーになっています。『カンケン』はスウェ ーデン語で「持ち運ぶ」を表します。日常用の道具として優れた製品なので、私個人の当初の読みだと『カンケン』にアウトドアっぽさを求めている方はそんなに多くないのではと思っていたのですが、蓋を開けてみるとすごく人気で、ちょっとうれしい誤算でありました」
たちまち人気に火がつくのも理解できる。「カンケン」自体もリュックとしてハイキングに使うことが可能だが、シンプルな構造ゆえに長い距離のハイキングやトレッキングをする際はオプションを付けたり、よりアウトドア向きの製品との使い分けを考えたりするのが賢いチョイスだった。その点、「カンケン アウトロング」なら足を延ばしやすい。
「商品名の『アウトロング』はまさに、より自然に親しむために『足を延ばす』想定のネーミングです。容量16Lの『カンケン』より少し大きめの18Lで、ワンデイアクティビティに十分なサイズ感とデイリーユースにふさわしいコンパクトさを兼ね備えています。『カンケン』にオプションで取り付けることが可能なショルダーパッドやチェストストラップ、コード付きのボトルポケットが最初から付いてお得です」
「オプションを取り付けてカスタマイズするのも楽しいので、実際に『カンケン』のオプションはそれ自体が人気商品なんですが、『カンケン アウトロング』は最初から機能的な装備になっていて、オプションを後付けするよりも手軽かつリーズナブルなんですね。さらに、アウトドア仕様のバックパックでは常識というべき背面のパッドを取り入れたのも『カンケン アウトロング』の従来と異なる特徴です。
定番の『カンケン』にない『カンケン アウトロング』だけの大きな特徴として、メインのコンパートメントが2気室になっていることが挙げられます。外見からは、わからない点ですよね。製品下部のファスナーを開けると、下の気室にアクセスできます。アウトドアでは2気室のバックパックが便利ですが、下から 何も入れなければメインのコンパートメント全体を1気室として、従来の『カンケン』と同じようにも使えます」
汎用性がとても高く、状況に応じていろいろな使い方を工夫できるところが強み
たしかにアウトドアで2気室のバックパックは便利だ。使用頻度が高くない、いざ使うとなれば即座に出して使いたいもの。そして重量が小さめで、かさばるものを下の気室に入れると背負ったときにラクだから、王道のパッキングでは雨具や防寒具、着替えの衣類などを下の気室に入れる。入れてみるとわかるが、『カンケン アウトロング』の間仕切りはかなり上下の融通が利く。