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2024.01.22

驚異的な男子マラソン世界記録の足元をサポート 「NIKE ALPHAFLY 3(ナイキ アルファフライ 3)」の全貌

2017年7月にカーボンプレートを搭載した厚底のランニングシューズを発売したナイキ。以来、ナイキの厚底シューズは多くの記録更新をサポートしてきた。厚底×カーボンプレートの組み合わせはトップランナーが選ぶシューズの新常識となり、他ブランドも追随。“スーパーシューズ”と呼ばれる市場が形成された。
そんななか、依然ナイキはシーンをリードし続けている。2023年10月のシカゴマラソンで、2時間0分35秒という驚異的なタイムをマークし、男子マラソンの世界記録を更新した際にケルビン・キプタム選手が着用していたのが、1月4日に発表された「NIKE ALPHAFLY 3(ナイキ アルファフライ 3)」。一体どんなシューズなのだろうか。

フルマラソンをより快適により速く走るためのシューズ

「初代ヴェイパーフライの登場をきっかけにスーパーシューズのマーケットが誕生しました。最初にスーパーシューズを作り出したことはたいへん誇りに思っていますが、そこに安住するのではなく、イノヴェーションを続けなくてはいけないと開発に取り組んでいます。
従来のアルファフライは高いパフォーマンスを備えたシューズではありますが、万人向けではないことも認識していました。全てのランナーにアルファフライを履いてもらいたいという高い理想があり、どうしたら良いかと考え続けていました。そして、アルファフライ 3は、パフォーマンスに妥協することなく、誰もが安定性やスムーズな体重移動を感じられるシューズになりました」と、ナイキ ランニングフットウェア シニア プロダクト ディレクターのブレット・スクールミースター氏。
1月4日に発売されたナイキ アルファフライ 3のプロトタイプカラー。39,655円(税込)
1月4日に発売されたナイキ アルファフライ 3のプロトタイプカラー。39,655円(税込)
ナイキのフットウェアチームは、ランナーに愛されていたアルファフライの特長をそのままに、エンジン部分に磨きをかけ、エリートランナーと一般ランナーの両方のニーズに応えることに着手。フルマラソンの42.195kmという距離を走破するために必要な安定性、快適性、推進力を最大化しながら、軽量性を確保することに成功したのだという。
「従来のアルファフライはソールの前足部と踵部が分割されていましたが、アルファフライ 3は連結させることでランナーのペースや接地パターンに関わらず踵から爪先へのスムーズな重心移動を実現しています。ミッドソールは中足部と踵にかけて安定性のある着地感は確保しつつ、軽量化のためにフォームを削り落とした新しい形状になりました。
この新しいデザインはミッドソールのフォームを必要部分以外は削ぎ落とし、前足部のエア ズーム ユニットに荷重が集中するような設計になっています。また、カーボンファイバー製のフライプレートは、幅が広くなり、推進力と安定感のある走りをサポートします。さらに、アーチの快適さを高め、足全体の擦れを軽減するためにまったく新しい足型を採用しています」
従来のアルファフライはソールの前足部と踵部が分割されていたが、アルファフライ 3では連結された
従来のアルファフライはソールの前足部と踵部が分割されていたが、アルファフライ 3では連結された
軽量化のために必要部分以外のミッドソールフォームは削り落とされている
軽量化のために必要部分以外のミッドソールフォームは削り落とされている
前足部に搭載された2つのナイキ エア ズーム ユニット、クッション性と反発性に優れたズーム エックス フォーム、カーボン製のフライプレートが三位一体となって、大きなエネルギーリターンを生むというアルファフライ独自のシステムは変わらないが、多くのテストを重ね、アスリートからのフィードバックを得たことで、より高いレベルのシューズへと進化したアルファフライ 3。
プレートの幅が広くなり、ソールが連結されたと聞くと、重量が増したのではないかと思うところだが、アルファフライ史上最軽量のモデル(メンズ28cm/220g、ウィメンズ25cm/176g)でもある。軽量化に大きく貢献したのは、軽めのフライニットの糸を採用したアッパーと、新しく採用された軽量性に優れたファスト ショット アウトソール。そして、全体的な設計も見直し、軽量化を図ったという。
アトムニット 3.0を採用したアッパーは、軽量で通気性に優れており、中足部のサポート性も高い。また立体感をつけたフライニットのヒール ポッドが、踵とアキレス腱下部を柔らかくサポート。無駄が省かれたシンプルなデザインながら、細部まで工夫が施されている。
前足部に搭載されたナイキ エア ズーム ユニット、幅が広くなったカーボン製フライプレート、ミッドソールのズーム エックス フォームがランナーの効率的な走りをサポートする
前足部に搭載されたナイキ エア ズーム ユニット、幅が広くなったカーボン製フライプレート、ミッドソールのズーム エックス フォームがランナーの効率的な走りをサポートする
アトムニット 3.0のアッパーは軽量で通気性に優れていながら、サポート性も備えている
アトムニット 3.0のアッパーは軽量で通気性に優れていながら、サポート性も備えている
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