2017年7月にカーボンプレートを搭載した厚底のランニングシューズを発売した
ナイキ。以来、ナイキの厚底シューズは多くの記録更新をサポートしてきた。厚底×カーボンプレートの組み合わせはトップランナーが選ぶシューズの新常識となり、他ブランドも追随。“スーパーシューズ”と呼ばれる市場が形成された。
そんななか、依然ナイキはシーンをリードし続けている。2023年10月のシカゴマラソンで、2時間0分35秒という驚異的なタイムをマークし、男子マラソンの世界記録を更新した際にケルビン・キプタム選手が着用していたのが、1月4日に発表された「NIKE ALPHAFLY 3(ナイキ アルファフライ 3)」。一体どんなシューズなのだろうか。
フルマラソンをより快適により速く走るためのシューズ
「初代ヴェイパーフライの登場をきっかけにスーパーシューズのマーケットが誕生しました。最初にスーパーシューズを作り出したことはたいへん誇りに思っていますが、そこに安住するのではなく、イノヴェーションを続けなくてはいけないと開発に取り組んでいます。従来のアルファフライは高いパフォーマンスを備えたシューズではありますが、万人向けではないことも認識していました。全てのランナーにアルファフライを履いてもらいたいという高い理想があり、どうしたら良いかと考え続けていました。そして、アルファフライ 3は、パフォーマンスに妥協することなく、 誰もが安定性やスムーズな体重移動を感じられるシューズになりました」と、ナイキ ランニングフットウェア シニア プロダクト ディレクターのブレット・スクールミースター氏。
ナイキのフットウェアチームは、ランナーに愛されていたアルファフライの特長をそのままに、エンジン部分に磨きをかけ、エリートランナーと一般ランナーの両方のニーズに応えることに着手。フルマラソンの42.195kmという距離を走破するために必要な安定性、快適性、推進力を最大化しながら、軽量性を確保することに成功したのだ という。
「従来のアルファフライはソールの前足部と踵部が分割されていましたが、アルファフライ 3は連結させることでランナーのペースや接地パターンに関わらず踵から爪先へのスムーズな重心移動を実現しています。ミッドソールは中足部と踵にかけて安定性のある着地感は確保しつつ、軽量化のためにフォームを削り落とした新しい形状になりました。
この新しいデザインはミッドソールのフォームを必要部分以外は削ぎ落とし、前足部のエア ズーム ユニットに荷重が集中するような設計になっています。また、カーボンファイバー製のフライプレートは、幅が広くなり、推進力と安定感のある走りをサポートします。さらに、アーチの快適さを高め、足全体の擦れを軽減するためにまったく新しい足型を採用しています」