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2021.11.10

コロナウイルスと「リベンジ消費」:電子チラシサービスShufoo!による意識調査

リベンジ消費とは、とあるきっかけで消費が減退してしまったあとに、抑制されていた消費が急激に復活する現象を指す。コロナウイルスの影響で注目が集まっている消費形態の1つだ。
今回電子チラシサービスShufoo!が、利用する全国の8108名の消費者を対象とした「リベンジ消費」に関する意識調査を実施した。Shufoo!は、チラシに関する日本最大級のWEBサービスだ。大手スーパー、ドラッグストア、家電量販店など店舗の消費に密着したサービスを提供してきた。
リベンジ消費は現在どのような傾向があるのか。Shufoo!などを運営する株式会社ONE COMPATHの広報を務める千野賢一さんにお話を伺った。
PROFILE|プロフィール
千野賢一
千野賢一

大学卒業後、テレビ通販会社に入社。通販番組制作およびインターネット通販事業に従事。その後PR会社に入社し、約8年間クライアントの広報コンサルティングとメディア関係構築に携わる。2015年、当社前身の株式会社マピオンに入社。入社以来、社内外向け広報活動を担当。PRにより自社のニュースを世の中のワンマイル(身近)な話題に落とし込むために、日々奮闘中。

コロナウイルスのストレス発散にリベンジ消費

今回「リベンジ消費」に着目するに至った経緯を教えてください。
これまでも年末年始の買い物やバレンタインデーといった季節性の高いものから、消費税増税といった時流に合わせたものまで様々なテーマの意識調査を行ってきました。私が参画する随分昔から、自社のビジネスやサービスの企画に活用するため調査を行っていたと聞いていますが、いち生活者の意識ということだけではなく、家計の財布を握る“主ふ”(主婦・主夫)の買い物意識や行動を把握することに意味があると思っています。買物情報のプラットフォームを提供するShufoo!として、“主ふ”の声を把握し、データとして発信することは重要な役割だと考えています。
新型コロナウイルスの影響で外食や旅行など消費機会が失われたことにより貯蓄されたお金「強制貯蓄」は20兆円にものぼるといわれ、大変話題になりました。当社でも注目しており、行動制限が徐々に緩和されていくなかで生活者がそれをどのように使うのか、流通小売業にどのような影響があるかをあぶり出したいと思いました。これが今回のテーマ選定のきっかけです。
一方で、これまでの調査からコロナ禍においてストレス発散のための消費行動をする方が大変多くいることを知りました。昨年7月に実施した意識調査では、約半数が自分への“ごほうび”を目的にスイーツや衣服を購入したという結果が出ました。これもまたリベンジ消費であると考え、今回の調査ではより深掘りしたいと考えました。コロナ禍のストレス発散のためにどのような購買行動をする(した)のか、そして収束(行動制限緩和)後に何を計画しているのか、この2軸を「リベンジ消費」のテーマにかかげ、本格的な調査をすることになりました。
「リベンジ消費」という言葉自体は、90年代後半に現れた言葉であると思いますが、2020年のリベンジ消費は、90年代とどのように異なっているのでしょうか?
90年代の「リベンジ消費」を意識して発表したわけではありませんが、確かに東日本大震災発生後、自粛疲れから来る反動消費など、これまでも景気後退期→景気回復期に「リベンジ消費」とも言える動きはあったかと思います。それは消費主体者のエリアなどが限定的で、局地的に発生するものが多かったのではないでしょうか。自粛など一種の“精神的な縛り”からの解放だと考えます。
一方で、2020年の新型コロナウイルスの影響による「リベンジ消費」は、これまでのものとは規模や範囲の大きさが異なります。世界規模での消費行動が期待されるものです。また、精神的な縛りから解放される側面もありますが、店舗の時短営業や移動制限、海外においてはロックダウンなどの外部要因に起因する、どちらかといえば“物理的な縛り”からの解放と言えるのではないでしょうか。この場合、緊急事態宣言解除などのトリガーが発生することで爆発的に反動が広まっていくものと思われます。
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