韓国発のリカバリーサンダルのブランド「
TAW&TOE(トーアンドトー)」。同ブランドの「Flip Flop Zerovity(フリップ フロップ ゼロビリティ)」は、丸みのある可愛らしいフォルムと軽やかな履き心地が話題となり、若い世代を中心に人気が高まっている。
人気の商品が誕生した背景には、同ブランドが長年にわたり培ってきたミッドソール素材の開発力が関わっているそうだ。
今回は、「TAW&TOE」でリカバリーサンダルの開発に至った背景や、「Flip Flop Zerovity」のこだわりなどについて、ブランド担当者に話を伺った。
日常の中で楽に、おしゃれに履ける機能性シューズを
リカバリーサンダルのブランド「TAW&TOE」を立ち上げた経緯を教えてください。
「TAW&TOE」の技術力の母体となるソンシン新素材とコムテックケミカルでは、グローバルスポーツブランドの新規ミッドソール素材の開発・供給を37年間行ってきました。その間に積み上げてきたノウハウで多様な素材を開発しましたが、原価が高いという理由で惜しくも製品化には至らなかった、優れた素材が数多くありました。
そこで、私たちが直接お客様にご紹介しようと考え、2008年に「TAW&TOE」を立ち上 げました。
ブランド名には、どのような思いが込められていますか。
「TAW&TOE」は、スタート地点(TAW)とつま先(TOE)の合成語で、「つま先からはじまる安らかさ」という意味が込められています。「足が楽であってこそ一日が楽だ」という言葉のように、製品を通じて肉体的疲労感を減らすことで、お客様が人生の本質的な活動に集中できるようなブランドを目指しています。
また、さまざまなライフスタイルとマッチングできて、どのようなシーンでも常に楽に着用できる製品をお客様に披露したいと考えています。
ローンチした後、リニューアルもされているそうですね。
リニューアル前は機能的な部分だけにフォーカスを合わせてきましたが、リニューアル後は日常の中でも楽でおしゃれに履ける「機能性ライフスタイルシューズブランド」を目指してきました。今も、その過程にあります。ただ、リニューアル後も、リニューアル前の製品に関して継続的に購入のお問い合わせをしてくださるお客様もいて、機能性の大切さも改めて実感しています。そのため、より良い製品作りを通してより多くのお客様に出会えるよう、さまざまな素材を絶えず開発しています。
機能靴を開 発するなかで、リカバリーサンダルに着目した理由はありますか。
もともとは、足が不自由なお客様や長時間立って働くお客様、楽に履いていられるというところを特に重視するお客様など、特定の少数ターゲットに対して細部に多様な機能を備えた製品を開発していました。しかし、2013年以降は「より多様なお客様に安らぎを伝えてはどうか?」という趣旨で、ライフスタイルブランドに拡張させています。
この過程で、「TAW&TOE」が最初から持っていた製品開発の方向性である「健康に役立つ靴」、「人に役立つ靴」のDNAを維持していたら、自然にリカバリーサンダルに集中するようになりました。
開発時には、下記の3項目を重点的に検討するようにしています。
・日常生活で地面から伝わる肉体的衝撃を最大限吸収し、毎瞬間快適さを提供する
・着用する状況や雰囲気に合わせて、お客様が適切な形と素材を選択できるようにする
・いつでもどこでも状況に関係なく、おしゃれに着用できる
リカバリーサンダルは世の中に数多くありますが、御社の優位性を教えてください。
「TAW&TOE」では、自社素材の開発からはじまるため、製品ごとに要求されるさまざまな状況と特徴に合わせて物性を選択できます。また、一般のEVA(合成樹脂)サン ダルと違い、「TAW&TOE」の製品はTPE(Thermoplastic Elastomer:サーモプラスチック エラストマー)素材を使用しています。TPE素材は加工難度が高いですが、人体に無害で刺激がない点がメリットです。
さらに、サトウキビなど環境にやさしいBIO(バイオ)素材を使用し、地球に及ぼす悪影響を最小限に抑えるための努力をしています。
バイオベース素材を使用しているとのお話でしたが、環境に対する御社の取り組みについて、教えてください。
「TAW&TOE」は、数少ないV-Label正式ビーガン認証を受けたブランドです。また、靴の製作時にサトウキビから抽出したバイオベース素材を25%適用しています。 バイオベース素材の導入は、「TAW&TOE」が目指す持続可能性への第一歩で、今後は石油化学原料を再生可能な素材や持続可能な素材に徐々に代えることを目標にしています。