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2023.11.15

重ね着いらずで暖かい「UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)」の冬用「COLDGEAR(コールドギア)」

駅までの行き帰りが寒くないように厚着をして出かけると、電車の暖房がよく効いて暑く感じることがある。重ね着をした衣服の中が汗ばんで、電車を降りると今度は外気で急に冷え込み、いわゆる「汗冷え」してしまう……冬場にありがちなことだ。体調を崩す一因にもなる。
暑い季節に吸汗速乾の機能性ウエアを着るのは常識になってきたが、寒い季節のアンダーウエアは吸汗速乾だけでいいのか? 機能性ウエアの元祖というべき「アンダーアーマー」では、すでに2000年代の前半から冬用ベースレイヤー「コールドギア」を発売し、改良を重ねてきた。そこで株式会社ドームを訪ね、商品企画部門の大金稜史さんに「冬の機能性ウエア」について話を聞いた。

冬のベースレイヤーは「吸汗速乾」プラス「保温」でより快適になる

UAコールドギアアーマー フィッティド ツイスト ロングスリーブ モック シャツ 8,800円(税込) カラーは写真のBlack/TeamRoyalの他、Black/Pichgray、ModGray/ModGray、TeamRoyal/TeamRoyal、LimeYellow/LimeYellowの5種類、サイズはSM~3XLまで6種類
UAコールドギアアーマー フィッティド ツイスト ロングスリーブ モック シャツ 8,800円(税込) カラーは写真のBlack/TeamRoyalの他、Black/Pichgray、ModGray/ModGray、TeamRoyal/TeamRoyal、LimeYellow/LimeYellowの5種類、サイズはSM~3XLまで6種類
肌に直接触れるベースレイヤーにせっかく吸汗速乾の機能があっても、その上に何枚も重ね着すると中間のウエアが水分を含み、「汗冷え」の原因になりかねない。しかし、夏用のベースレイヤーと防寒着を重ねるだけでは、十分な暖かさが得られないことが多い。
「弊社の場合、夏は吸汗速乾の機能を持つ『ヒートギア』と、吸汗速乾に加えて持続冷感の機能を持つ『アイソチル』をおすすめしています。冬は吸汗速乾だけでなく、保温の機能を備えた『コールドギア』と、そこからさらに進化した『INFRARED(インフラレッド)』を推奨しています。
『コールドギア』は優れた伸縮性を持つ裏地が保温性を確保し、汗や蒸気として肌から出る水分を表地へと送り出した上で、表地で速乾する機能を持っています。内側がドライで暖かく保たれるため、あまり重ね着をしなくても快適に過ごせます。そのため、汗冷えの心配がほぼありません」
「コールドギア」は水分を表地に送り出す裏地に保温性があり、送り出された水分は速やかに乾く
「コールドギア」は水分を表地に送り出す裏地に保温性があり、送り出された水分は速やかに乾く
たしかに、「コールドギア」を着用すると内側がドライに保たれ、暖かいので上にダウンでも羽織れば街なら十分と感じることが多い。寒さが厳しいときは中間にたとえばフリースを着れば、何枚も重ね着しなくても概ね大丈夫。ミッドレイヤーやアウターに透湿性があればなおよし、という感じだ。
「日常的に、汗冷えしないことや重ね着しなくて済むことはベネフィットですが、スポーツの場面ではそのベネフィットがさらに効果を発揮して、パフォーマンスに直結する部分が大きいと思います。重ね着しなくても暖かく、動きやすい。汗をかいても不快に感じない。冬場のトレーニングや試合に活用するアスリートは多いです。
ウィンタースポーツやゴルフのように常に激しく動くわけではなく、屋外で待機する時間がある競技では、動かないときに身体を冷やさないことが非常に大切です。またどんな競技でも、ウォーミングアップ後に外気温の影響で身体の深部の温度や、筋肉の温度が下がるとコンディションに響くので、それを避ける上でもベースレイヤー選びが重要です」

さらに進化し、遠赤外線を反射して衣服内を暖かく保つ「インフラレッド」とは?

UAコールドギアインフラレッド フィッティド ロングスリーブ モック シャツ 9,900円(税込) カラーはBlack/MetallicSilverとWhite/MetallicSilverの2種類、サイズはSMから3XLまで6種類
UAコールドギアインフラレッド フィッティド ロングスリーブ モック シャツ 9,900円(税込) カラーはBlack/MetallicSilverとWhite/MetallicSilverの2種類、サイズはSMから3XLまで6種類
「コールドギア」と同等の吸汗速乾、保温の機能をベースとして持ちながら、さらに進化した「コールドギアインフラレッド」は人体から出る熱を衣服から逃がさないテクノロジーを採用しているという。
「ウエアの内側にプリントされているセラミックスの効果で、身体から出る遠赤外線を蓄熱して、衣服の保温効果を高めるテクノロジーが『インフラレッド』には採用されています。通常の『コールドギア』より一層、暖かいです」
「コールドギア インフラレッド」の内側にプリントされたセラミックスが蓄熱効果を発揮する
「コールドギア インフラレッド」の内側にプリントされたセラミックスが蓄熱効果を発揮する
「プリントの優れた点は、いろいろなアイテムに応用できるところです。ベースレイヤーの内側はもちろん、アウターの裏地にもプリントが可能なので、たとえばダウンジャケットの内側に蓄熱効果のあるセラミックを配置した『インフラレッド』の製品もあり、とても暖かいです。非常に寒いときなどは、ベースレイヤーもアウターも共に『インフラレッド』といった着方も可能です」
UAコールドギア インフラレッド ダウン クリンクルジャケット 44,000円(税込) カラーはBlack/Black、Gravel/Black、OnyxWhite/Black、MarineODGreen/Blackの4種類、サイズはSMから3XLの6種類
UAコールドギア インフラレッド ダウン クリンクルジャケット 44,000円(税込) カラーはBlack/Black、Gravel/Black、OnyxWhite/Black、MarineODGreen/Blackの4種類、サイズはSMから3XLの6種類

機能性ウエアは身体にフィットさせるほど「第二の皮膚」として効果が高まる

 吸汗速乾にせよ、保温や蓄熱にせよ、ベースレイヤーの効果を高める着方があるのかどうか大金さんに尋ねてみた。
「スポーツの場面ではとくに、シルエットにゆとりがあるものよりも、コンプレッション・タイプの製品を選んでタイトに身に着けたほうが、吸汗速乾や保温、蓄熱のメリットを最大限に生かすことができます。隙間があると、それだけ外気が入る余地ができて、外気の影響を受けやすくなります。
デイリーユースということを考えると、若干のゆとりがあるウエアを楽に着たほうがいい面もあります。『コールドギア』も『インフラレッド』も、ジャストサイズでピッタリしたものと楽なシルエットのもの、それぞれ別アイテムとしてラインナップしています。レギンスもありますので、用途やお好みに応じたチョイスができます」
冬の衣服の快適さはベースレイヤーによるところが大きい。今シーズン、自分にとってベストなものはどんなタイプか、あらためて検討してはいかがだろうか。
PROFILE|プロフィール
大金稜史(おおがねりょうじ)
大金稜史(おおがねりょうじ)

株式会社ドーム Merchandising Division
アンダーアーマーの商品企画部門でメンズトレーニング、ランニングアパレルを担当。
業務の傍ら自らもサッカー、クロスフィット、ランニングで自分自身に挑戦し、アスリート目線の企画開発を心がけている。

Text by Naoki Sakata

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