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【リレーコラム】情報狂時代の冒険(松永天馬)

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PROFILE|プロフィール
松永 天馬(まつなが てんま)
松永 天馬(まつなが てんま)

音楽家、詩人、ときどき俳優、映画監督。アーバンギャルドのヴォーカル、コンセプターとして2008年に『少女は二度死ぬ』でデビュー。全ての歌詞を担当し、ポップかつ実験的、独特な言語世界を構築。また2017年よりソロ活動もスタート。新しい学校のリーダーズなど数々のアーティストに作詞・楽曲提供も行っている。俳優としてはEテレ『Let’s天才てれびくん』TBS『リコカツ』などに出演。2025年2月に17周年公演『アーバンギャルドの昭和百年・野音戦争』を日比谷野音にて開催。

或る暑い夏の日、仕事の後にたまたま近くを通りがかったので思い立って美術展へと赴いた。国立新美術館『田名網敬一 記憶の冒険』展。ちょうどその数日前、氏が鬼籍に入られたと聞き、これは何かのタイミングであると。結果、素晴らしい展示で普段過剰なアウトプットにより乾いた感性に沁み入るような展示でもあったわけだが、氏が一生涯かけて創り続けてきた作品世界…それは時に象人が鎮座する仏教的な涅槃の境地であったり、金魚が飛び交うサイケデリックなヒッピー的理想郷の姿であったりもするのだが…を同時に旅するような、ドライブ感、没入感のあるものだった。個別に作品があるというよりは、人生をかけて一つの大伽藍的世界を創り上げていくかのような。商業デザイナーとしてキャリアをスタートさせた氏は言う。創作の基本は「デザイン」と「編集」であると。企画展のタイトルともなっている『記憶の冒険』とは、自身の記憶をコピー&ペーストしエディットしながら記録していくという冒険的仕草のことを指すのだろう。田名網はいわゆる絵画のみならず、グラフィック、彫刻、アニメーション、インスタレーションなどあらゆる媒体で自身の記憶とイメージをコラージュし、膨大な作品に組み上げた。
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