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世界新記録を支えた100gを切るスーパーレーシング! アディダス「ADIZERO ADIOS PRO EVO 3」が切り拓く未来
1秒でも速いベストタイムを目指して走る、すべてのランナーのために開発されたアディダスの「アディゼロ」シリーズから、超軽量のレーシングモデル「ADIZERO ADIOS PRO EVO 3(アディゼロ アディオス プロ エヴォ 3)」が登場した。その重量はわずか約97g(片足27cm)。
アディダス初となる、100g未満のランニングシューズの実現を目指して開発された今作は、約3年の研究開発を経て誕生したという。前モデルよりも約30%軽量化し、ランニングエコノミーが約1.6%向上した「アディゼロ アディオス プロ エヴォ 3」には、どんなテクノロジーが詰まっているのだろうか。

人類初のマラソン2時間切りをサポート
今年4月に開催されたロンドンマラソンで、驚異的な世界新記録が誕生した。セバスティアン・サウェ選手がたたき出したタイムは1時間59分30秒。史上初めて、42.195km(公式レース)を2時間未満で走破した。人類初のマラソン2時間切りとして、長く語り継がれていくことになるだろう。 同レースで2位になったヨミフ・ケジェルチャ選手も、1時間59分41秒を記録。ケジェルチャ選手は、マラソン初挑戦でとんでもないタイムをマークした。さらにティギスト・アセファ選手は、女子単独レース世界記録となる2時間15分41秒で優勝した。
この3選手の足元を支えていたのが、「アディゼロ アディオス プロ エヴォ 3」(以下エヴォ 3)なのだ。アディダスのイノベーションチームは、サウェ選手、ケジェルチャ選手、アセファ選手と綿密に連携しながらプロダクト開発を進めてきたとのこと。アスリートとともに歴史を作ったと言えるのではないだろうか。
サウェ選手は「世界記録を更新することは、長い間思い描いてきた夢でした。それを達成できたことは、私自身にとっても、ランニングという競技にとっても非常に大きな意味があります。これは、見えないところで積み重ねてきた努力、チームの支え、そして限界を超えるために力を貸してくれたイノベーションの成果を示すものです。
この競技における新たな歴史の一部になれたことを光栄に思います」というコメントを残している。

片足約97gという超軽量を実現できた理由
重量を2桁gに抑えながら、これまで以上のパフォーマンスを実現することを目指したという「エヴォ 3」だが、ミッドソールには新素材となるLIGHTSTRIKE PRO EVO(ライトストライク プロ エヴォ)フォームが採用されている。 「軽量性の追求というのはエヴォ 1の開発時から続けてきたものです。軽さはランニングエコノミーに影響を与えるもので、多くのアスリートが軽さを求めています。
もちろん軽いだけでは意味がありません。アスリートのパフォーマンスに対してプラスアルファを与えられる反発性やクッション性を十分に備えている必要があります。ライトストライク プロ エヴォは高い反発性とクッション性がありながら、空気の含有量が多く非常に軽量な素材です」と、アディダス ジャパン株式会社の太田祐介さんは言う。
スタックハイト(ソールの厚さ)は踵部で39mm、前足部36mm。厚さを維持しながら、フォームの重量は従来モデル比で約50%削減されているという。

新発想のENERGYRIMテクノロジーを搭載
シューズの安定性、剛性を高め、エネルギーリターン、推進力、効率性を最適化するために搭載されているのが、ENERGYRIM(エナジーリム)テクノロジーだ。 「空気の含有量が多く、非常に軽量でソフトなライトストライク プロ エヴォの大きなエネルギーリターンを生かし、かつブレやグラつき、エネルギーロスを抑えるために搭載されているのがエナジーリムになります。
着地から蹴り出しまでの間にミッドソール素材の変形というのは必ず起こるものですが、それをコントロールして無駄なく前方への推進力に変える役割を持ちます」
「エヴォ」、「アディゼロ アディオス プロ」といったアディダスのトップレーシングシューズには、エナジーロッドと呼ばれるアスリートの足の中足骨をヒントに調整した5本指形状のカーボンバーが採用されてきた。また、他社の厚底レーシングシューズの多くはカーボンプレートが搭載されている。
軽量で反発性に優れたフォーム材の間にプレートやバーをサンドするのが、厚底時代(2017年以降)の常識だったわけだが、エナジーリムはシューズの周囲を囲うようなU字型で、フォーム直下に硬い素材が敷かれているわけではない。この新構造のシューズが世界新記録を生んだインパクトは、かなり大きいのではないだろうか。

「エヴォ 3」の発表時、アディダスランニング ジェネラルマネージャーのパトリック・ナヴァ氏は「アディゼロ アディオス プロ エヴォ 3の開発では、着手の段階から従来とは異なる発想が求められました。過去モデルの延長線上で改良するのではなく、どこまで理想を追求できるかを念頭に取り組みました。
10回を超える試作を重ね、アスリートと密に連携しながら、ヘルツォーゲンアウラハのラボに加え、ケニアやエチオピアの高地キャンプでもテストを実施しました。そうした積み重ねを経て、レース当日のシューズのあり方に新たな視点をもたらす一足に仕上がったと考えています」というコメントを残しているが、まさに新発想のシューズと言える。
アウトソールは前足部にコンチネンタル ラバーを戦略的に配置。薄く軽量なラバーでありながら高いグリップ力を実現しているという。また、カイトサーフィンに使用される帆から着想を得たアッパー構造を採用し、軽量性とサポート性の両立を図っている。


「シューレースの長さや、レースホールの数と場所、ステッチなども見直し、無駄を極限まで削った結果、約97gという超軽量を実現できたのです」(太田さん)
この秋以降のレースシーズンでは、「エヴォ 3」を着用したアスリートの活躍が多く見られることになるだろう。日本のマラソンや駅伝でも、「エヴォ 3」とともに好記録をマークするアスリートが出てくるはずだ。
PROFILE
太田 祐介(おおた ゆうすけ)
アディダス ジャパン株式会社
マーケティング事業本部 ブランドコミュニケーション
ディレクター
2009年アディダス ジャパン株式会社入社。商品戦略やB2B営業、ライセンシービジネス管理などに従事したのち、2025年2月より現職にて、ランニング•アウトドア・モータースポーツカテゴリーのコミュニケーション戦略を担当。
Text by Fumihito Kouzu













