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超長距離ランニングに対応する新鋭ブランド 「Mount to Coast」が日本上陸!
2023年(商品ローンチは2024年)に設立されたMount to Coast(マウント トゥ コースト)は、“For runners who transcend distance. ”(距離を超越するランナーたちへ)をミッションに掲げた、パフォーマンス フットウエアブランドだ。
ロングディスタンスにおける耐久性と持続的な快適性を追求し、ランナーたちが自らの限界に挑むことを可能にするシューズを創り出している。新鋭ブランドながらその完成度の高さが支持を集め、注目度が高まっていたマウント トゥ コーストが、今年4月に日本上陸を果たした。
100km以上の距離を走り続けるウルトラランナーたちは、シューズに多くのことを求める。快適性、サポート力、天候や路面コンディションに左右されない安定したパフォーマンス、長い距離を走り続ける足にフィットし続けることなどだ。
長時間、長距離に及ぶレース(1週間ほどに及ぶステージレースもある)では、ミッドソール素材のパフォーマンスの劣化や、足のむくみによりサイズが合わなくなることが原因で、意図せずにシューズを履き替えなければならなくなることがある。そんな問題を解決し、ウルトラランナーの本当のニーズに合わせたフットウエアを作るために誕生したのが、マウント トゥ コーストなのだ。

ユニークで革新的なシューレースシステム
長距離ランニングでは足がむくみ、足の大きさが変わる。そして、シューレースをきつく締め過ぎれば、むくんだ足が圧迫されて痛みや血流障害が起こる。反対に緩め過ぎれば靴の中で足が動き、マメなどのトラブルの原因になる。マウント トゥ コーストのシューズのデザイン面での象徴にもなっているTUNEDFIT Dual Lacing System(チューンドフィット・デュアル・レーシングシステム)は、そんなトラブルを解決するために生まれたものだ。
「レース中に足がむくみ、サイズ調整のためにアッパーをカットするランナーもいます。そんなレース中の足のむくみに対応しながら、快適かつしっかりとしたフィットを提供するために生まれたのが、前足部と中足部のフィット感を個別に調節できるTUNEDFIT Dual Lacing Systemです」と、マウント トゥ コーストの日本総代理店である株式会社ストライドの鈴木浩二さんは言う。
耐久性(パフォーマンスの維持を含む)の高さもマウント トゥ コーストのシューズの大きな特徴だ。
「一般的なランニングシューズのミッドソール素材は、数百km程度走ると弾力がなくなり、パフォーマンスが低下しますが、マウント トゥ コーストが独自に開発したフォーム材は、長く走ってもクッション性と快適なライド感が失われないのが特徴です。500マイル(約800km)を走った後も、最初の1マイル(約1.6km)のようなライド感が得られるシューズを目指して開発されています」

長距離のロードランニング用モデル「R1」
「R1(アールワン)」は、100km以上のウルトラマラソンや、ステージレース(複数日にわたって行われ、全ステージの合計タイムを競う長距離レース)に対応するロードランニング用シューズとして開発されたモデルだ。マウント トゥ コーストは、一貫して実際のレース出場者やアスリートからのフィードバックを開発プロセスの核としており、「R1」もアスリートと密接に連携しながら開発が進められた。

「R1のミッドソールには、独自開発のLightCELL(ライトセル)という窒素を注入した超臨界発泡素材を使用しています。加えて、ミッドソール内にはBASF社(ドイツに本拠を置く総合化学メーカー)と共同開発をしたZeroSag(ゼロサグ)を搭載しています」
一般的なランニングシューズのクッション材は、長時間、長距離に及ぶランニングにより、体重と衝撃で圧縮され続けると徐々に潰れて戻らなくなる。このいわゆる「へたり」をゼロにするために開発されたのが、ZeroSagだ。耐久性が極めて高い特殊なポリウレタン素材で、長距離を走り続けてもクッション性、反発性が維持される。
イギリスのウルトラランナー、ジャスティン・モンタギュー選手が、2024年にMTC JOGLE(イングランド最南端までのマルチステージ・ウルトラマラソン)に出場し、17日間のステージで854マイル(約1,374km) 、累積標高54,475フィート(約16,604m)を1足の「R1」で走破していることからも、その耐久性の高さがうかがえる。

トレイルもロードも快適に走ることができる「H1」
「R1」を履いたアメリカのランニングコミュニティのフィードバックを基に開発されたのがロード・トゥ・トレイルモデルの「H1(エイチワン)」だ。
「H1は汎用性が高く、すでに日本のランナーからも支持を集めているモデルです。ミッドソールには、環境配慮と走行性能の両立を実現した独自素材、CircleCELL(サークルセル)を採用しています」
CircleCELLは、リサイクルされた有機廃棄物を含む100%再生可能な原料から作られた素材。最先端の超臨界発泡技術により、一般的なPEBA(ポリエーテルブロックアミド)と同等のエネルギーリターンを実現しながら、耐久性はPEBAの約2倍あるという。
アウトソールには、こちらも独自開発のVersaGrip(バーサグリップ)を採用。さまざまな地形、路面コンディションに対して高いトラクション性能、グリップ力、耐久性を発揮する。
軽快かつ俊敏なトレイルシューズ「T1」
トレイル専用にデザインされたタイプのTUNEDFIT Dual Lacing Systemが印象的な「T1(ティーワン)」。アウトソールには、抜群のグリップ力を誇るVibram Megagrip(ヴィブラム メガグリップ)、軽量性に優れたVibram Litebase(ヴィブラム ライトベース)、推進力を最大化するVibram Traction Lug(ヴィブラム トラクション ラグ)というVibramの3大テクノロジーをフル採用。あらゆる路面に対して優れたパフォーマンスを発揮する。
また、アッパーには高強度なアラミド繊維(防弾チョッキ等にも使われる素材)で補強されたウーブン素材を採用。高い保護性、耐久性を実現している。
実際に「R1」と「H1」を試したが、クッション性、安定性、反発性のバランスがよく、フィット感も快適で、走っていて気になるところがない非常に完成度の高いシューズだった。
新鋭ブランドではあるが、MTC Run Research Labという長距離ランニングにおけるバイオメカニクスの研究に特化した最先端の研究施設を持ち、世界最大級の化学メーカーであるBASF社と戦略的パートナーシップを締結しているマウント トゥ コースト。
「世界でももっとも過酷なロードレース」と称されるBadwater 135の2025年大会では、出場者の23.2%がマウント トゥ コーストのシューズを履いていたほど、すでにコアな層からは厚い支持を集めている。今後、大きく飛躍していくことになるのではないだろうか。
PROFILE
鈴木浩二(すずき こうじ)
株式会社ストライド Walk & Run 事業部 部長
Text by Fumihito Kouzu














