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アメリカンビンテージボタンとオリジナルアイテムがほかにはない個性を放つ「Button Works(ボタン ワークス)」に注目

2025.08.27
1910年代〜1920年代ごろのアメリカンワークウエア、それに付けられているボタンやパーツに注目し、豊富なビンテージ知識とMade in Japanの確かなクオリティで、ファッション界でも話題の「Button Works(ボタン ワークス)」。ビンテージボタンはもちろん、復刻ボタンやパーツ、そしてビンテージ感あふれるオリジナルアイテムを展開している。
今回は、Button Worksを営むB,S&T Co.代表の小菅 淳美さんに、少しマニアックでカッコいい、ビンテージボタンのお話を伺っていこう。

インポーターからボタン作りへ

最初に、小菅さんがアメリカンビンテージのボタンに注目し、Button Worksを立ち上げるまでのお話から伺っていきたい。
「もともとはインポートのアパレルブランドを取り扱ったり、アメリカで買い付けたアイテムを国内のセレクトショップに卸したりする仕事をしていました。フリーマーケットやモールを回って、ビンテージをはじめとしたさまざまなアイテムを日本へと持ち込み、それ以外にもオリジナルの洋服を企画し、卸を行っていました。
しかしそのころは、日本でビンテージライクな服を作ろうとしても、ボタンや付属品の種類が少なく、十分に選べる環境ではありませんでした。そこで友人のすすめもあり、『ビンテージのボタンを自分で再現してみよう』と考え、2008年にインポーターや洋服企画の仕事を辞めて、Button Worksを始めたんです」
東京の蔵前某所にあるButton Worksの店舗
店内にはビンテージのボタン、復刻ボタン、ビンテージ小物や付属の金具、オリジナルアイテムなどが陳列され、ビンテージ好きには宝の山のような空間となっている

ビンテージボタンとは

こうして始まったButton Worksだが、ビンテージボタンというものを知ってもらうために、まずはどんなものかを見せていただこう。
「はじめにご覧いただきたいのは『Carhartt(カーハート)』のボタンです。これは1920年代ごろのもので、チェンジボタンやピンズ、アドバタイジング用の缶バッジなどがあります。ご存じの方も多いと思いますが、Carharttは1800年代後期に誕生した、非常に長い歴史を持つブランドです。このビンテージボタンも、その歴史を物語る貴重なアイテムのひとつ。お店ではあえて値段を付けずに展示しています」
Carharttのビンテージボタン
「もうひとつご紹介したいのは『Sweet Orr(スイート・オール)』のボタンです。1871年、アメリカ・ニューヨーク州で創業したワークウエアブランドで、このボタンは1910年ごろのもの。こちらも、現在ではまず出会うことのない希少なアイテムのため、値段は付けていません」
Sweet OrrのボタンとLevi’sのボタン
小菅さんが一番好きだという1910年創業の「North&Judd(ノースアンドジャッド)」という会社の付属品、デッドストックの箱付きのもの

デザイナーが通う店

Button Worksに訪れるお客さんは、一般の方はもちろんいるが、クロージングブランドのデザイナーや生産担当者も多いという。
「普通とはひと味違うボタンや、デザイナーさんが作りたいアイテムのモチーフに合った時代感のボタンを探しに来られる方が多いですね。
Button Worksを始めた当初は、少しずつビンテージのボタンを買い集め、それを手がかりに『こういう構造になっているのか』『こんな加工がされているのか』と研究を重ねていました。職人さんに話を聞いたり、自分でも試作を繰り返したりと、まさに手探りの試行錯誤でした。
昔のパーツが好きだったことが大きな原動力で、そうして出来上がったビンテージの復刻ボタンをデザイナーさんが採用してくれたり、ビンテージモチーフのオリジナルボタンをオーダーしてくれたりして、少しずつファッション業界に広まり、同じようなお客さんが増えていきました。
初期のころに手がけたのは、1920年代のワークシャツに使われていたようなボタンです。当時のそれは、鉄のような金属で作られていました。一般的なボタンといえば樹脂やプラスチック、あるいは天然の貝が多いなかで、金属製のボタンは非常に珍しい存在でした。その無骨さや経年による味わいの変化が、ワークウエアらしい魅力を放っていたんです。
最初に作り始めたのは、2つ穴の『ネコ目』と呼ばれるワークボタンで、素材は真鍮でした。ビンテージのワークウエアには鉄製のボタンが多く使われていましたが、錆びた色がシャツに移ってしまうことがあったので、錆びにくい真鍮やアルミを使って製作しました。
特にアルミは樹脂ボタンとほぼ同じ軽さで、これが好評をいただきました。さらに、1910年代から1930年代半ばまでの古いシャツやカバーオールには、ボタンの裏側を2重リングで留める『チェンジボタン』が多く使われていたため、こちらも復刻して製作しました。
Button Worksの店内はビンテージのパーツや小物であふれています。デザイナーさんたちのオリジナル仕様のボタンを作る際にも、こうしたビンテージのボタンをたくさん集めておくことで、インスピレーションが湧きやすくなっていると思います。ビンテージのボタンは細かな模様が特徴的で、デザインや彫刻の技術もビンテージから学びつつ製作しています。
店内にあるビンテージボタンは、一部を除いてもう販売はしていません。色や大きさ、デザイン、仕様を確認するためのサンプルとして使うことが多いためです。何もないところからデザインを生み出すよりも、こうした手がかりとなるものがある環境が、私たちの製作にとって非常に大切だと考えています」
Button Worksで製作したさまざまなブランドのオリジナルボタン

人気のオリジナルアクセサリー

Button Worksでは、ボタンのほかにオリジナルのアクセサリーもリリースしており、人気を集めている。数あるアイテムのなかから、いくつかピックアップしてご紹介いただこう。
「アクセサリーは約10年前から製作を始めましたが、オリジナルで特に人気のあるアイテムとしては、『BW "HORSESHOE" Iron Ring(ボタン ワークス “ホースシュー” アイアン リング)』と、
『BW "Double R" Brass Ring(ボタン ワークス “ダブル アール” ブラス リング)』という、ブランドロゴが彫られた2重リングがあります。
これらはボタン以外で初めて作ったアイテムで、人気のある代表作となりました。特に『BW "HORSESHOE" Iron Ring』は、先ほどもお話ししたSweet Orrというブランドが、1910年代から1920年代にかけてアドバタイジング用に使っていた馬蹄のモチーフからインスパイアされています」
写真上:BW "HORSESHOE" Iron Ring 2,200円(税込)
写真下:BW "Double R" Brass Ring 1,650円(税込)
「さらに、『Button Works x VENICE DESIGN8 You Pay Spinner(ボタン ワークス ヴェニス デザインエイト ユー ペイ スピナー)』、『BW Brass Line Fishhook Shackle Key(ボタン ワークス ブラス ライン フィッシュフック シャックル キー)』、『BW Brass Line FISH HOOK Key Chain(ボタン ワークス ブラス ライン フィッシュ フック キー チェーン)』などのキーホルダー類も人気があります」
写真上:Button Works x VENICE DESIGN8 You Pay Spinner 2,750円(税込)
写真中:BW Brass Line Fishhook Shackle Key 5,500円(税込)
写真下:BW Brass Line FISH HOOK Key Chain 6,050円(税込)
ビンテージは100年を超えるとアンティークといわれるという。小菅さんの手元にあるボタンは、まさにビンテージを超えてアンティークとも呼べるようなものだった。そして、小菅さんが作りだすボタンもまた、未来のビンテージになっていくような存在感がある。Button Worksのほかでは真似のできないこの取り組みに、今後も注目していきたい。

PROFILE

小菅 淳美(こすげ あつみ)

B,S&T Co.代表

自らの会社B,S&T Co.を立ち上げ、アパレルの企画やインポーターの仕事を経て、独自の視点と感性でワークウエアのボタンにフォーカスする。もともとのビンテージの知識に加え、さらに研究を重ねながら、日本の職人技を駆使したビンテージのボタンを再現し、2008年Button Worksをスタート。さまざまなクロージングブランドにボタンや金属パーツを提供している。

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