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「UNIVERSAL OVERALL(ユニバーサル オーバーオール)」100年の歴史と、いま改めて考えるアメリカンワークスタイル

2026.01.20
アメリカンワークウエアブランドとして、100年以上にわたりこだわりのアイテムを追求し続けてきた「UNIVERSAL OVERALL(ユニバーサル オーバーオール)」。
タフなワークウエアを追求するなかで、着用や洗濯に対する高い耐久性を備えたコットンとポリエステル(テトロン®)の混紡生地を採用したワークパンツは、当時のアメリカのワーカーたちから多くの支持を集めた。
さらに、ワークパンツだけでなく、同素材を使用したカバーオールやショップコートも展開。それらのアイテムは瞬く間に広まり、アメリカンワーカーたちのスタンダードとして定着していった。
こうした背景は、古き良きアメリカのワークウエアを愛好する日本のファンからも支持を集め、現在へと受け継がれている。
今回は、ドリームワークス株式会社のデザイナーである足立 竜乙さんに、UNIVERSAL OVERALLの定番アイテムについて話を伺った。

NASAやU.S. Air Mail Serviceにも採用されたワークウエア

UNIVERSAL OVERALLは、1924年にアメリカ・イリノイ州シカゴで創業した。1920年代のアメリカは、好景気に沸くなかで近代建築ラッシュが進み、国内外から多くの労働者がシカゴへ集まっていた時代だったという。
創業者は、オーストリアからの移民であるマックス氏とジョー・エッカーリング氏の兄弟だ。彼らはシカゴに移り住み、UNIVERSAL OVERALLを立ち上げた。
その後、NASAやU.S. Air Mail Serviceなどにもワークウエアを納めるまでに成長し、最終的にはシカゴに本社ビルを構える企業へと発展していった。
ドリームワークスに保管されている創業者兄弟マックス氏とジョー・エッカーリング氏の写真
シカゴのUNIVERSAL OVERALL本社ビル

1960年代から変わらず愛され続けるワークパンツ

UNIVERSAL OVERALLのルーツに触れたところで、代表的なアイテムを紹介していく。
「やはり代表的なアイテムはワークパンツですね。コットンとポリエステルの混紡糸を使用したTC素材のパンツは、UNIVERSAL OVERALLを象徴する代名詞的なアイテムです。
ブランドに残る古いパンツのブランドネームに記載された品質表示や各種資料などから推測すると、1960年代頃にはすでにこの素材が使われていたと考えられます。
タフさで評判を集めたこのパンツは、当時のアメリカンワークウエアとして、幅広い現場で愛用されていたアイテムでした」
1960年代のTC素材を使ったワークパンツ

老舗ブランドならではのストーリーを持つカバーオール

UNIVERSAL OVERALLの長い歴史の中で、もう一つブランドを代表するアイテムを紹介していく。
「もう一つの代表的なアイテムがカバーオールです。4つのパッチポケットを備えたこのカバーオールは、長年にわたりブランドの中で受け継がれてきた定番アイテムです。
ブランドで保管している古いカバーオールがいくつかあるのですが、その中でも、ぜひ1960年代のものを見ていただきたいと思います。
このアイテムには印象的なストーリーがあります。シカゴの本社近くに住んでいた一人のおじいさんが長年着続けていたもので、その方が亡くなられた際に、ご家族が本社へ持ってきてくれたそうです。随所にリペアの跡が残っており、おそらく1960年代から大切に着用されていたものだと考えられます。
このストーリー性のあるカバーオールにオマージュを捧げて作られたのが、『HERITAGE LINE(ヘリテージ ライン)』からリリースされているアイテムです」
ストーリーが刻まれた1960年代のカバーオール

歴史を継承し、いまに続く定番アイテム

ここからは、日本でのUNIVERSAL OVERALLの展開について触れつつ、現在の定番アイテムについても話を聞いていく。
「日本では2010年代から展開がスタートしましたが、アメリカと同様に日本でも代表的なアイテムとして挙げられるのが『STANDARD FIT PANTS(スタンダード フィット パンツ)』というワークパンツです。
このスタンダードフィットのほかにも、テーパードやワイドなど、いくつかのシルエットがラインナップされています。ポリエステル65%、コットン35%という混率で作られる生地は、1960年代から現在に至るまで変わることなく使い続けられています。
仕様面では、ウエスト部分の帯状になったパーツが継ぎ目のない一体構造になっている点も特徴です。こうしたディテールも、当時のデザインを踏襲しながら現在まで受け継がれています」
STANDARD FIT PANTS 9,900円(税込)

TC素材で受け継がれる定番カバーオール

先ほどカバーオールのストーリーについても触れてもらったが、ここでは現行ラインとして展開されている定番カバーオールについても紹介していく。
「定番のカバーオールといえば、ワークパンツと並んでTC素材を使用したモデルがあります。カバーオールだけでもさまざまなラインナップがありますが、このTC素材はUNIVERSAL OVERALLにとって特に大切な素材であり、定番モデルといえばこの一着になると思います。
4つのパッチポケットや、3本ステッチによる巻き縫いなどが基本的なディテールですが、UNIVERSAL OVERALLのカバーオールには、袖口の剣ボロの向きが逆になっているという特徴があります。見た目では分かりにくいのですが、実際に着用するとすぐに違いを感じていただけるはずです。これも、昔から受け継がれてきたブランドならではのディテールといえます」
COVERALL 12,100円(税込)

ブランドを象徴する言葉「STONE CARVER(ストーン カーバー)」

UNIVERSAL OVERALLには、「STONE CUTTER(ストーン カッター)」というサブタイトルのようなワードが存在する。
この言葉は、昔から製品のフラッシャーなどにも記されており、UNIVERSAL OVERALLは現在でもこのワードを大切に受け継いでいるという。
「これは、UNIVERSAL OVERALLの製品が『石切職人のようにタフで長持ちする』という意味を込めた表現だそうです。
現在では、同じ意味を持つ『STONE CARVER(ストーン カーバー)』という言葉が使われており、スウェットやTシャツのグラフィック、フラッシャーなどにも採用されています。ブランドのサブタイトルとして、今後も大切にしていきたいキーワードですね」
スウェット、フラッシャーにも使われているSTONE CARVERのワード
現在、UNIVERSAL OVERALLは、東京・原宿の旗艦店を中心に、全国のセレクトショップなどで展開されている。アメリカや日本だけにとどまらず、海外ではヨーロッパ各国でも取り扱われており、なかでもイタリアではワークパンツが高い人気を集めているという。
さらに、台湾、韓国、香港、タイなどアジア各国でも展開が進んでおり、国内外ともに、そのフィールドは今後も広がっていく見込みだ。
100年を超えるUNIVERSAL OVERALLの歴史は、次の100年に向けて、すでに動き出している。

PROFILE

足立 竜乙(あだち りゅういち)

ユニバーサルオーバーオール

デザイナー

1984年生まれ。神戸出身。大阪の服飾専門学校を卒業後、ジーンズメーカーのメンズデザイナーを経て2017年よりUNIVERSAL OVERALLのメンズデザインを手掛ける。得意ジャンルはワーク、デニム、ミリタリー。

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