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美容系YouTuber・ふくれなが語る、Z世代の心を掴む新世代コスメブランドの築き方
YouTube登録者数185万人、美容系YouTuberとして圧倒的な支持を獲得し、わずか19歳でコスメブランド「CipiCipi(シピシピ)」を立ち上げたふくれなさん。2020年の設立から5年、グリッターアイテムを看板商品に、Z世代を中心とした熱烈なファンを生み出している。
注目すべきは、その影響力の広がりだ。インフルエンサープロデュースのブランドでありながら、ファン層に限定されない支持を獲得。それは、製品の確かな品質とデザイン性によって築き上げられた、揺るぎない信頼の証しといえるだろう。
今回は、ふくれなさんに、ブランド立ち上げから現在までの道のり、そして今後の展望について話を伺った。
PROFILE
「すっぴん公開」がターニングポイントに
10代後半からYouTubeでメイク動画の配信を始めたふくれなさん。当初は「面白い動画を撮ってみたい」という純粋な想いからのスタートだった。しかし、彼女の転機は思いもよらない場所からやってきた。「すっぴんやばそう」
そんな視聴者からのコメントが、新たな挑戦への引き金となる。彼女はあえてすっぴんを公開することを決意し、それは次第にメイクの過程を詳しく紹介する動画へと発展していったのだ。
「当時のYouTubeではすっぴんを見せている人が本当にいなくて。まさかこれが自分の強みになるとは思ってもいませんでした」と、当時を振り返る。
視聴者からの要望に応え、より詳しいメイクの解説動画の配信を開始。その真摯な姿勢と、真似してもらいやすくわかりやすい説明は、多くの支持を集めることになる。

また、近年ではパーソナルカラーの概念を取り入れ、より個人に寄り添ったメイク方法の提案にも力を入れている。
「流行を追うのではなく、パーソナルカラーを意識するようになって気づいたんです。正解はひとつじゃない、十人十色のメイクがあるということに」
美容系YouTuberとしての経験と、メイクへの探究心は、やがて自身のコスメブランド立ち上げという新たな挑戦へとつながっていく。
CipiCipiの開発秘話
「CipiCipi」の立ち上げは、現在の販売元である株式会社Rainmakersから声がかかり開発がスタート。一緒に商品を作ってみて、もしお互いにいいものができたと思ったら発売する、という形で始まった。しかし開発当初は、流行の変化への対応や日本人向けの発色の調整など、数々の課題に直面したという。
「コスメってトレンドの移り変わりが激しすぎるんです。流行の変化が早いので、韓国製か日本製か、ラメの粒感は大きい方がいいのか。大衆受けを狙うのか、本当に自分がかわいいと思うものを作るのか。最初は何が正解かわかりませんでした」
試行錯誤の末に誕生したのが、ブランドの代表作となっている「グリッター イルミネーションライナー」だ。

“下まぶたのアイシャドウを崩さずに、どれだけラメの密着度を上げるか”というこのグリッターライナーのこだわりは、多くのユーザーから支持を得ることとなった。
その後着手したリップ製品の開発でも、細やかな配慮を忘れなかった。
「落ちづらく、テクスチャーもよく、使いやすいものを目指しました。私自身、唇が荒れやすいタイプなので、それを反映させた製品に仕上がりました」
Z世代の心を掴む製品づくりとブランディング戦略
製品開発においては、韓国コスメの最新トレンドをいち早くキャッチしながら、日本人向けに最適化することも重視している。「韓国コスメは発色が強すぎたり、水っぽすぎたりすることがあるので、その濃度を変えて、日本人の子でもファーストタッチでよさそうと思ってもらえるように調整しています。
韓国から日本へは必ず流行が伝わってきますので、それをいかに日本のお客様に使いやすいメイクアイテムとして提供できるかを常に考えています」

支持を得続ける秘訣は、徹底的な市場リサーチにもある。
「私もコスメ好きなので、いろんなコスメをリサーチして、コスメオタクの人のSNSを見て、話題になっているものは実際に買って試してみます。長く使って、自分なりにしっかり試すことを大切にしています」と、製品開発における探究心を語る。
また、主要なターゲットであるZ世代のメイクトレンドも緻密に分析している。現在のZ世代のメイク傾向は、優先順位が明確だという。
「まず第一にTikTokやYouTubeショートでの流行メイクがあって、その次にパーソナルカラーや自分のコンプレックスをカバーするメイクが重視されています。流行を取り入れつつ、自分らしさも大切にしたいという気持ちが根底にあるんです」
CipiCipiの特筆すべきは、ブランドの広がり方だ。インフルエンサープロデュースのコスメブランドでありながら、あえて自身をイメージモデルとして前面に出さない戦略を取ったのだ。

「ブランド立ち上げ時、私自身がモデルとして前面に出るかどうか、非常に悩みました。他のインフルエンサーの場合、自身が広告に登場することで親近感を生むケースが多いのですが、それは逆に『ファンの子向けのコスメ』というイメージを強めてしまう。
そこで、ビジュアルの魅力で製品のよさを伝えられる方々にモデルをお願いすることにしました」
TWICEのチェヨンをイメージモデルに起用した際も、この方針は変わらなかった。
「積極的に私自身がモデルを務めるのもひとつの手段ですが、『プロデュースブランド』という印象が強すぎるのも避けたかったんです。ちょうどよい塩梅を心がけています。
私のファンだから選ぶのではなく、純粋に商品の魅力で手に取ってもらえる。そんなコスメブランドを目指しています」
より多くの人に使ってもらえるコスメブランドに
ブランド発足から5年目の今年、さらなる進化を目指すCipiCipi。今後の展開について、ふくれなさんは明確なビジョンを描いている。「まだフルメイクができるところまでアイテムがないので、下地やコントロールカラーなど、これまで出していないアイテムも展開していきたいです」と語る彼女は、ブランドの顔となっているグリッターアイシャドウやファンデーションに続く、第3、第4の代表製品の開発にも意欲を見せる。2月14日は新商品「シピシピ デューイフィルムティント 102 ルビークイーン」の発売も控えており、さらに、Z世代に向けたコスメの楽しみ方の提案にも力を入れていく考えだ。

「流行は中心にありますが、コンプレックスをカバーした上でのメイクでも十分かわいくなれるんです。今の流行メイクはできないという固定観念にとらわれることなく、柔軟に流行を取り入れる方法を提案していきたいです。
今はSNS上に参考になるメイク動画がたくさん溢れています。必ず自分に合うメイク方法やメイクアイテムはあるので、CipiCipiやさまざまなアイテムを使ってもらって、メイクを探求してみてほしいです」
そして、これまで大切にしてきた製品の品質とデザイン性の両立も継続していく方針だ。
「もっといろんな人に使ってもらえるような新アイテムをどんどん作っていける、そんなコスメブランドになっていきたい」と、さらなる飛躍への想いを語った。
Photo by Akinori Kawanishi
Text by ogurin











