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コンビニコスメはここまで進化した! ファミマ×hince「hana by hince」が切り開く新市場

2026.06.10
ファミリーマートが韓国コスメブランドのhinceと共同開発した限定ブランド「hana by hince(ハナ バイ ヒンス)」。コンビニエンスストアの化粧品売り場に、新たな変化をもたらしている。
手軽さが求められる一方で、品質やデザイン性への期待も高まるなか、同ブランドはどのような価値を提案しているのか。開発の背景やプロダクトに込めた思いについて、株式会社ファミリーマート化粧品担当の上村さんに話を聞いた。

PROFILE

上村 朋美(かみむら ともみ)

株式会社ファミリーマート ライフスタイル本部 CW・雑貨部 CW・コスメグループ

2006年4月、株式会社ファミリーマートに入社。全国のパン・おでん・焼きとり商品担当、地区MD部を経て、2024年5月より現職。ファミリーマート限定の韓国コスメ「hana by hince」の化粧品立ち上げなどを担当。

コンビニコスメの常識を変える新たな挑戦

かつてコンビニエンスストアに置いてある化粧品といえば、外出先でポーチを忘れた際や、急な宿泊時などに購入するような、間に合わせのアイテムという位置づけが強かった。ファミリーマートも例外ではなく、目的買いのために店舗を訪れる顧客は限られていたという。
さらに、同社にとっては10代から20代の若年層の取り込みが長年の課題であった。化粧品担当の上村さんは、当時の状況をこう振り返る。
「コンビニで化粧品を求めるシーンは緊急買いであることが非常に多く、それが目的買いとなるような、新しいトレンドを探す必要がありました」
そこで着目したのが、市場で大きな伸びを見せていた韓国コスメである。若年層を中心に支持を集める韓国コスメを導入することで、これまでの緊急買いという枠を超え、化粧品を目当てに店舗へ足を運んでもらう新たな導線を作ることがプロジェクトの出発点となった。
ファミリーマートとhinceが共同開発する「hana by hince」の商品ラインナップ
さらに、コンビニエンスストアという業態自体が持つ可能性にも着目していた。全国どこにでもあり、24時間営業しているという利便性は、化粧品を購入する場所としても大きな強みとなる。
しかし、従来の品ぞろえでは、どのチェーン店に行っても同じような商品が並んでいることが多く、店舗ごとの差別化が難しかったと上村さんは語る。
「ファミリーマートを運営していく上で、このブランドのアイテムがあるからファミリーマートに行こうと思われるような、独自のブランドを立ち上げる必要がありました」

なぜhinceなのか? 共同開発の背景と狙い

そこで数ある韓国コスメブランドの中からパートナーに選ばれたのが、上品な世界観とトレンド感のあるカラー展開で知られる「hince」である。hinceのメインターゲットは20代後半から30代で、ブランド側にもより若い世代へアプローチしたいという意向があった。
「ファミリーマートとしては10代や20代の若者を取り込みたいという思いがあり、かつ品質にもこだわっていました。一方のhinceさんも、新しい客層を開拓したいという思いがあり、お互いのニーズが合致したのです」
こうして誕生した「hana by hince」は、hinceの持つ洗練された雰囲気を保ちながら、コンビニエンスストアという身近な店舗に合わせた設計がなされている。また、既存のhinceコスメとの差別化を図るため、手に取りやすい低価格と持ち運びに便利なミニサイズを採用した。
hinceが持つ独自の世界観を、いかにしてコンビニエンスストアという空間に落とし込むか。その答えの一つが、持ち歩きたくなるような洗練されたパッケージデザインである。
マットな質感やシンプルな形状を採用し、大人の女性でも日常的に使いやすいデザインに仕上がっている。実際に手に取ると、手のひらに収まるサイズ感で、持ち歩き用コスメとしての相性の良さが感じられる。
ポーチに収まりやすいミニサイズで、丸みのあるシンプルなデザイン。

低価格と高品質を両立する仕組み

「hana by hince」の大きな特徴は、手に取りやすい価格設定と、小さなカバンやポーチにも収まりやすいミニサイズである。しかし、hinceならではの高品質を維持しながら低価格を実現することは容易ではなかった。
「一番難しかったのは、やはり質の良いものを手頃な価格で提供できるかという点でした。安っぽくならないよう、容器の大きさをある程度統一するなどの工夫を重ねています」
この価格と品質のバランスを支えているのが、全国に約16,400店舗を展開するファミリーマートの規模である。圧倒的な店舗数による発注量が、コストを抑えつつ品質を妥協しない商品開発を可能にした。
プロダクトの設計においても、コンビニエンスストアならではの視点が反映されている。幅広い層の顧客が訪れるため、初めてメイクをする人でも使いやすいよう、一塗りでは薄くつき、重ねることで好みの濃さに調整できる発色にこだわった。
たとえば、アイシャドウは粉飛びしにくいしっとりとした質感に仕上げ、ラメ感も大粒で派手なものではなく、細かく上品に輝く質感を追求した。
「どんな年代の方にも使いやすく、hinceらしい上品さが表現できるようにこだわりました」
トリプルアイパレット 各1,450円(税込)
ファンデーションはカバー力とつや感を両立させ、色味についても、日本の消費者の肌色になじみやすいよう独自の調整が施されている。韓国コスメ特有の明るいトーンの魅力を生かしつつ、日常的に使いやすいカラーバランスを追求したことで、多くの支持を集める結果となった。
日本人の肌になじみやすいカラー設計を採用。レイヤーフィットクッション 各1,780円(税込)
色展開にも工夫が凝らされている。ティントリップなどは、パーソナルカラーであるブルーベースとイエローベースを意識した4色展開を基本としている。これにより、どのような肌色の人でも自分に似合う色を見つけやすくなっているのだ。
さらに、ティントリップには乾燥を防ぐ成分も配合され、塗りたての発色が長時間続く仕様もポイント。
どんな人にもなじみやすく、さまざまなパーソナルカラーに対応できる色展開。ウォーターグラスティント 各990円(税込)

売り場設計が生む“目的買い”

コンビニエンスストアの化粧品売り場は、ドラッグストアや専門ショップとは異なる環境の制約がある。滞在時間が短く、商品を実際に手に取って試すことが難しいという条件下で、いかにして商品の魅力を伝え、購買へと結びつけるかが重要な課題となる。
この点について、売り場作りにも細心の注意が払われている。
「パッケージを見ただけで色味や使用時のイメージが湧くように、販促物や見本の見せ方にはこだわっています。また、限られたスペースの中でブランドの世界観を伝えるため、什器のデザインや文字の大きさも工夫しました」
一目で中身の色がわかるデザイン。シャインハイライターバーム 各 990円(税込)
限られた売り場空間でも、一目で色味やアイテムの特徴が伝わるよう工夫された店頭設計
商品の入れ替えスピードの速さも、コンビニエンスストアならではの特徴である。当初はネイルカラーも展開していたが、セルフネイルの需要が想定より少なかったために販売を終了し、代わりに需要の高いアイブロウペンシルを投入するといった柔軟な対応を行っている。
アイブロウのような「軸物」と呼ばれるアイテムは、一度気に入ると同じものを長く使い続けるリピーターが多いという特性がある。ユーザーの生活に長く寄り添うアイテムとして、戦略的にラインナップに組み込まれている。
どんな髪色にも合う3色。スキニーフィットアイブロウ 各880円(税込)

ファミリーマートが描くコンビニコスメの未来

かつては間に合わせという位置づけだったコンビニエンスストアの化粧品は、今や目的買いの対象へと変わりつつある。近年、同社では衣料品の展開が大きな話題を呼び、それを目的に店舗へ足を運ぶという購買行動が定着している。
「化粧品も、『この商品があるからファミリーマートに行こう』と思ってもらえるような、目的買いの対象となることを目指しています」と上村さんが語るように、ファミリーマートの化粧品展開は新たなステージへと進んでいる。
日常の買い物ついでに立ち寄る場所から、お気に入りのコスメを見つける場所へ。コンビニコスメの新たな価値観が、ここから広がっていく。

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