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最小限の装備で身軽に行動するなら「ドイター」のバックパック「トレイク」に注目!
1898年にドイツで創業した老舗のアウトドア・ブランド「ドイター(deuter)」は、バックパックの通気性と安定性を高める「エアコンフォートシステム」など革新的なテクノロジーを次々に生み出し続け、本格的な登山を愛する人々の厚い信頼を得ている。どちらかといえば重装備を快適に持ち歩ける製品に強みがあるブランドだ。
その「ドイター」から、近年の「Light & Fast」(軽い装備と素早い行動)の傾向や山を走るトレイルランニングの流行に対応し、従来のイメージを打ち破るかのようなバックパック「トレイク(Traick)」が登場した。そこでイワタニ・プリムス株式会社を訪ね、商品部の金牧秀明さんに話を聞いた。
「背負う」より「着る」ベスト型で、全体がストレッチ生地だからフィット感が抜群

テント、シュラフ、マット、レインウエア、ガスバーナー、調理器具など、アウトドア用品はどれも軽量コンパクト化されて便利になった。とはいえ、十分な食料と水、ウエアなどと共にそれらの装備をバックパックに詰めて、テント泊しながら山歩きしていると、ベスト型の小容量バックパックを身に着けて「Light & Fast」でどんどん先を行くファストハイクやトレイルランの身軽さが、ちょっとうらやましい。
「やはり時の流れかなと思いますね。あらゆる状況に対応できる装備一式を持ち歩く本格登山ばかりがアウトドアではなく、軽い装備で素早く行動して短い時間で長い距離を行くファストハイクやトレイルランなど、フィールドの楽しみ方に広がりが出ています。
従来の登山スタイルと異なり、半袖やノースリーブのシャツにショートパンツで、ローカットのシューズを履いたライトな感じの方が増えましたね。持ち物も少なくて、行動しながら出し入れして時間のロスを減らす。そんなニーズに応えられるように作られたのがベストのように着るタイプのバックパック『トレイク』です」

背負ってみると……というより、ベストのように着てみると全体に伸縮性のある生地が心地よく身体にフィットする。荷物を担いでいるというより、ストレッチの効いたウエアを身に着けているような感覚だ。
「容量は5Lと9Lの2タイプあります。勝敗を競うトレイルランニングのレースなどでは持ち物を最小限にして5Lのベストを着用するとより動きやすく、より速く行動できます。そこまでスピードにこだわらない一般的なファストハイクには9Lがおすすめです」
全身を自由自在に使って、アクティブにアウトドアを楽しみたいときに最適
登山用のバックパックは主として腰と肩に荷重を分散することで、重量のある装備を快適に持ち運ぶことが可能だが、その分、腰と肩をホールドするため体幹を大きくひねる動作には適さない。「トレイク」を身に着けると、肩と胸と背中の上部はバックパックが包むが、腰は自由になる。このため体幹をひねりやすく、大きな動きと素早い動作が可能だ。
「背中の下部から腰にかけての広い範囲が空いているので、激しく運動して汗をかいても通常のバックパックに比べて蒸れにくく、快適です。また、通常チェストストラップで固定する左右のショルダーハーネスを「トレイク」では伸縮性のあるコードを複数箇所、好きな位置で留める仕様になっています。圧迫感のない位置にコードを留めれば荷重が分散して呼吸を妨げず、また荷物がブレずに安定します」

登山の常識として、山の天気は変わりやすいので雨具の上下が必携とされるが、スピード感のあるファストハイクやトレイルランでは(緊急時に速やかに下山するルートを確保しながらという原則はあるが)、完全防水の雨具を携行しないケースも多い。
「薄くて軽いウインドブレーカーなどを持ち歩いて、風に体温を奪われるのを避けるために身にまとったり、雨が降ったらバックパックごと身を包んで凌いだりすることが少なくないですね。そうした薄手のシェルを素早く脱ぎ着できるように、バックパックのフロントにウエアなどを一時保管できるポケットを装備しています」

「水分補給用のソフトフラスクや水筒などは左右のショルダーハーネスのポケットに収まります。取り出す手間を省いて効率よく水分補給するには、ウォーターバッグを背面のポケットにセットして左右どちらかのショルダーハーネスにチューブを伸ばすと、吸水口からこまめに水分を摂取することも可能です」

宿泊地から頂上などを攻めてまた戻ってくる際の「アタックザック」としても有用
基本的には、日帰りのハイキングやランニングが主な用途だろう。テント泊の装備や、十分な食料と水、調理器具などを携行する容量はない。容量の大きい登山用バックパックに万全な装備をパッキングした上で、空の「トレイク」を片隅にしのばせていくと、野営地や小屋などに大きな荷物を置いたまま、身軽に山頂へ行って帰ってくる際の「アタックザック」として役立つ。フィット感も安定感も高く、軽量で重宝するだろう。「本体のフィット感を増したり、携行品を取り付けたりできるストレッチコードを6本、標準装備しています。Z型に折りたたんだトレッキングポールを本体に留めたり、クマ避けの鈴を装着するなど、使い方は人それぞれ。便利に使っていただけます」

本体165g~175gと超軽量で、ストレッチ素材のフィット感が心地よく、多彩なポケットに加えて付属のコードで小物などの取り回しがいい「トレイク」を、身軽な行動のお供に加えてはいかがだろうか。ファストハイク、トレイルランニングのほか、アタックザックとしても使いでがある。
PROFILE

金牧 秀明(かねまき ひであき)
イワタニ・プリムス株式会社 商品部
年間を通じてアウトドアのアクティビティを体験。とくにスキーが好きで、フットワークよく日帰りバックカントリースキーなども楽しむ。閉鎖されていた登山道が再び通行可能になったと聞いて、さっそく出かけたところ人生で初めてクマに遭遇。100mほどの距離だったが冷静に対処して事なきを得た。
Text by Naoki Sakata












