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独自構造により接着剤不使用を実現! KEEN「UNEEK 360」の革新性
「天井のないところすべて」をアウトドアと定義し、地球環境負荷を低減した製法で革新的なハイブリッドフットウエアを提案しているアウトドア・フットウエアブランド、KEEN(キーン)。2003年に創業して以来、人々が自然とより深くつながることを目指し、耐久性・快適性・保護性を備えたハイキングシューズやブーツ、サンダルを開発してきた。
2014年に誕生した「UNEEK(ユニーク)」も、ブランドを代表する名作の1つだろう。2本のコードと1枚のソールから作られたオープンエア・スニーカーは、個性的なデザインと心地好いフィット感が支持され、ロングセラーとなっている。
そんな「UNEEK」の名前を冠したニューモデル「UNEEK 360(ユニーク スリーシックスティー)」が登場。接着剤を一切使わない地球環境への負荷が極めて小さいシューズだという。一体どのようなテクノロジーが秘められているのか。キーン・ジャパン合同会社 マーチャンダイザーの青木泰裕さんに話を聞いた。

個性的で「UNEEK」なデザインを継承
さまざまなバリエーションモデルが存在し、KEENのアイコンの1つとなっている「UNEEK」。サンダルの快適さにスニーカーの履き心地をハイブリッドしたオープンエア・スニーカーとして2014年に登場し、瞬く間に人気モデルとなった。人によって形や大きさの異なる足という立体パーツを、布帛やレザーといった平面的な素材で覆うことへの疑問から、その開発がスタート。試行錯誤の末に辿り着いたのが、2本のコードでアッパーを構成するというもの。これにより、多様な足の形、複雑な足の動きにフィットしながら、適度なホールド感と高い通気性を持つ斬新なフットウエアが誕生した。
「従来にはないまったく新しい製法で作られたUNEEKは、1つの発明品であり、センセーショナルなシューズ。UNEEK 360はそのDNAを受け継ぎ、象徴的な2本のコードデザインを進化させたモデルです」

「UNEEK」の名は、ブランド名であるKEENを逆さにして頭にUをつけたもの。そのモデル名が示す通り、とてもユニークなフットウエアだ。そのDNAを受け継いだ「UNEEK 360」のデザインも、これまた非常に個性的だ。

接着剤ではなくコードでパーツを固定させるモジュラー構造
KEENは“世界で最もクリーンな靴づくり”を掲げ、有害化学物質を使わないフットウエアの実現を目標としている。2014年にスタートした“Detox the Planet”プロジェクト(サプライチェーンから有害な物質を特定・除去し、それらを安全かつ効果的なほかの手段に置き換え、環境負荷を最小限にした製品づくりを促進する)では、PFAS(ピーファス・ペルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物/人工的に作られた有機フッ素化合物の総称)の完全除去に向けて120万ドルを投じてきたという。結果、2018年にはKEENのフットウエア製品の95%にPFASフリーを導入し、2024年にはすべての製品でPFASフリーを実現した。
防水・撥水加工に使用されるPFAS以外にも、プラスチック製品に含まれるBPAなどの健康や環境への影響が懸念される物質を、モノづくりから排除してきたKEEN。溶剤(靴用接着剤に多用されている化学物質)においても使用削減に取り組んでおり、「UNEEK 360」はブランドとして初めて接着剤不使用(溶剤ゼロ)を実現した一足となった。
「UNEEKも接着剤をほとんど使っていないシューズなので、環境負荷が小さいエコなシューズなのですが、UNEEK 360ではUNEEKの2本のコードをさらにもう一歩進化させ、コードでパーツを固定させるモジュラー構造を採用することで接着剤不使用を実現しました」
「UNEEK 360」は、着脱可能なニットアッパー、可動式のコード、ソールユニットで構成され、モジュラー構造により接着剤不使用を実現。役目を終えた後は分別しやすい設計となっている。
エンジニアードニットのアッパー、コードの素材にはリサイクルP.E.T.(ポリエチレンテレフタレート)を使用。他のKEENのシューズと同じく、有害な抗菌剤に頼らない自然由来の防臭機能を備えている。非常に環境負荷が小さいフットウェアであり、KEENが続けてきた“Detox the Planet”プロジェクトを象徴するモデルだ。


唯一無二のスタイル。履き心地も快適
「UNEEKのソールユニットはPU(ポリウレタン)ですが、UNEEK 360のソールユニットはEVA(エチレンビニルアセテート)を採用しており、クッション性が高く柔らかな履き心地です。エンジニアードニットのアッパーはソックスのようにフィットし、足の動きに沿う可動式のコードが快適なホールド感を実現しています。シューズを履いているようで履いていないような、新しい感覚が得られると思います。UNEEKと同じくコードが動くので、どんな足の形の人にもフィットしやすく、360度快適です」
接着剤不使用を実現するために、独自のモジュラー構造を採用した「UNEEK 360」。ソールとアッパーを覆うコードが象徴するように、既存のシューズにはない唯一無二のスタイルとなっている。機能美を感じる洗練されたデザインは、「UNEEK 360」の大きな魅力だ。
そして、とてもKEENらしさを感じるフットウエアでもある。「つま先を守れるサンダルを作ることができないだろうか」そんな疑問を出発点に生まれたのが、KEENのファーストモデルである「NEWPORT(ニューポート)」だが、「UNEEK 360」は接着剤不使用のシューズという新たな形の提案である。
歩くことを効率的かつ今まで以上に楽しくするウォーキングシューズとして誕生した「WK400(ダブルケーフォーハンドレッド)」などにも言えることだが、課題解決を目的とした既成概念にとらわれない新しいフットウェアの提案は、KEENらしさの1つである。
実際に「UNEEK 360」に足を入れると、とてもソフトで足に吸い付くようなフィット感が得られる。ソールはクッション性が高く、かつフレキシブルで歩きやすい。足の自然な動きを妨げないので、とても快適だ。接着剤不使用のフットウエア「UNEEK 360」は、シューズ史における1つのマイルストーンになるのではないだろうか。
Text by Fumihito Kouzu















