

第4回は「ユナイテッドアローズ&サンズ(以下UA & サンズ)」と「ミタスニーカーズ」がタッグを組み、モダンミリタリーをテーマにした「New Balance(ニューバランス)」の「FRESH FOAM TRAINER(フレッシュフォーム トレーナー)」を紹介。今回は珠玉の別注モデルが誕生した経緯や、このモデルの魅力を国井さん本人に聞いた。
すべての人が違和感なく履ける「FRESH FOAM」の汎用性
今回の別注で使用されたのは、ライフスタイルとパフォーマンスの間を行き来する“Lifestyle meets Performance”をデザインコンセプトに設計された「FRESH FOAM TRAINER」。このモデルについて国井さんはこう語る。 「パフォーマンスモデルの『1080』をベースとして、2000年代初頭のランニングスタイルであるオープンメッシュと合成オーバーレイを組み合わせています。アッパーを再構築した、ランニングとライフスタイルのクロスオーバーから生まれた新しいシルエットが特徴です。

最大の特徴は『FRESH FOAM X』を採用したところ。これは『ニューバランス』が独自に開発したミッドソールテクノロジーです。一般的なソールはミッドソールに別のユニットをプラスした構造となっているのに対し、フレッシュフォームは単一の合成樹脂で構成されています」
この「FRESH FOAM X」の特性についても国井さんはこう続ける。
「ブランドの中でもっともクッション性の高い発砲材なので、クッション性はお墨付きです。以前のパフォーマンスシューズの中にはクッション性に特化し過ぎたあまり、長時間履いていると安定感を失ってしまうものがあったり、逆にプレート内蔵によっての反発性が強すぎて、重心を保つのに足の筋力や意識を使ってしまいかえって疲れる原因になったりするものもありました。
その点に置いてもこのモデルはタウンユースにも併用できる実用的な機能性がきちんと担保されていると思います。

『ニューバランス』が他のブランドと違うところは、基本的にシグネチャーモデルを作らないことです。シリアスランナーはもちろん、市民ランナーも、タウンユースで履く人もみんな同じシューズを履いてほしいというコンセプトで作られているからこそ、機能性のチューニングが絶妙なんですよ」
協業の中でたどり着いたひとつの答えが今回の別注モデル
今回、この別注モデルはどういった経緯で誕生したのだろうか。そこに関しても国井さんはこう答える。 「元々、『UA & サンズ』と『ミタスニーカーズ』ではコラボでパンツを作り続けていました。最初『UA & サンズ』側からオファーをもらってスタートした企画で、『UA & サンズ』では普段展開しているアパレルとスニーカー目当てで来られるカスタマーがマッチングしていないという相談を受けました。

そのハブになるようなアイテムを一緒に作りたいと立ち上がったのが、スニーカーやその時に提案していたシューズに合うように作られた、件のパンツ企画だったのです。その話し合いの中で、いつかスニーカーも作りたいというアイディアが出ていて、それが今回実現したのが大まかな経緯です」
最初に作ったパンツも、実は「ニューバランス」のスニーカーに合うというコンセプトで作られていたと語る国井さん。実際に日本橋にある「T-HOUSE New Balance」でもそのパンツが取り扱われたほど、「UA & サンズ」と「ミタスニーカーズ」、「ニューバランス」は親和性があった。今回の別注モデルが誕生したのは必然だったのだ。

国井さんは今回の別注モデルへの思いに関してもこう続ける。
「この『FRESH FOAM TRAINER』のコンセプトも、ライフスタイルとパフォーマンスをシームレスに行き来できるというところで、アパレルショップとスニーカーショップを繋ぐパンツも企画していましたし、今までやってきたことやタイミングが合致してひとつのモノが完成したことに満足しています」
ワントーンのカラーとフットベッドのグラフィックが魅力
今回の別注モデルのデザインポイントについても国井さんはこう語る。 「『ニューバランス』もスポーツに耐えうる素材使いをしているので、そこを無理やり変えてしまうとパフォーマンスを低下させることにも繋がりかねないので、カラーリングやクイックレースの採用など、細やかなディテールにこだわりました。
ソールまでワントーンに見えますが、元々の素材のコントラストで立体感を出せるように工夫はしています。ランニングにしても街履きにしても、どんな時間帯でも履けるよう、視認性を高めるためにリフレクターも散りばめています。

また今回はあえてシンプルなカラーリングを提案したので、『UA & サンズ』と『ミタスニーカーズ』らしさを出すためにフットベッドで何かしら表現しようということで、『UA &サンズ』としてはピンク、『ミタスニーカーズ』としては金網がアイコニックなものなのでそれをグラフィックに落とし込みました」

セレクトショップとスニーカーショップ、それぞれの思いや表現したいモノを形にした今回の別注モデル。この機会に、同じく別注しているパンツにも注目してもらい、相性のいいものを合わせることでスタイリングにも深みが出ることを実感してもらいたい。
PROFILE

国井 栄之(くにい しげゆき)
mita sneakers ディレクター
東京の下町である上野から世界へ向けて独自のスニーカースタイルを提案するmita sneakersでディレクターを務める。数多くのブランドとのコラボモデルや別注モデルを手掛け、その手腕を発揮。現在は虎ノ門ヒルズにオープンしたショップ「Herringbone Footwear(ヘリンボーン フットウェア)」の外部ディレクターも務める。世界的プロジェクトから国内インラインのディレクションまで多岐にわたり、スニーカープロジェクトに携わるスニーカー業界の最重要人物。

mita sneakers
東京都台東区上野4-7-8 アメ横センタービル1F路面店TEL:03-3832-8346 営業時間(平日)11:00~19:30、(土日・祝日)10:00~19:30 https://www.mita-sneakers.co.jp/
Photo by Hiroyuki“Lily”Suzuki(StudioLog)
Text by Yasuyuki Ushijima(NO-TECH)
Original Movie


















