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フランス発のランニング専門ブランド 「KIPRUN(キプラン)」の全貌

2025.08.06
フランス発の総合スポーツブランド、DECATHLON(デカトロン)が展開するランニング専門ブランド、KIPRUN(キプラン)。ブランド名は「Keep Running(走り続ける)」というフレーズに由来。製品はアスリートと共同で開発され、人間工学に基づくイノベイティブな技術を採用している。
世界中のランナーと交流しながら研究・開発を重ね、厳しい審査基準を設けたユーザーテストをクリアした製品のみが商品化されるという。日本ではまだ馴染みの薄いキプランのランニングシューズはどのような機能を備えているのだろうか。

製品テストや実地試験を重視した商品開発

1976年に、スポーツは誰もが楽しむことができるようにするべきだという信念のもとに設立されたデカトロン。その開発スピードの速さと開発力の高さは広く知られている。
 フランス国内に9ヶ所の開発拠点があり、モンブランの麓には50,000m²以上の敷地に15,000m²の施設を構える国際デザインセンター「マウンテンストア」がある。開発チーム(パタンナー、エンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーなど)は、すぐにあらゆるアウトドアスポーツに適したフィールドにアクセスでき、テスト、ユーザーの観察といったことが可能になっている。
 また、キプランはランニングを通じて人と人との繋がりを深めるというミッションを遂行するために、プロランニングアスリートチーム「KIPRUN」や選手育成プログラム「42 HOUSE」の運営も行っている。「42 HOUSE」は、2023年にケニアのイテンにオープン。選手たちがプロアスリートとして自立するサポートを行っている。
 日本においては、今年4月に関東学院大学 陸上競技部とパートナーシップ契約を締結。ウエアやシューズの提供だけでなく、スポーツ教育と地域貢献を連携させた新しい取り組みも展開。パートナーシップの⼀環として、「42 HOUSE」のアスリートとの交流や、お互いの国での合同トレーニングの機会の創出なども視野に入れているという。
関東学院大学 陸上競技部とパートナーシップ契約を締結。同部の箱根駅伝への復活という共同のゴールを掲げサポートする
今年1月、イオンモール幕張新都心アクティブモール メガスポーツ幕張新都心店に、日本初のキプラン オフィシャルショップがオープンした

トップアスリートも信頼する高い機能性

2024年3 月、デカトロンのブランド再編により、ランニングカテゴリーはキプランのブランドに集約された。日本においての認知度はそこから高まったため、ランニングシーンのニューウェーブといった感があるが、シューズ作りの歴史は長い。
 「キプランは実は新しいブランドというわけではなく、私たちは30年以上シューズを作り続けています。そして、キプランはとても良いシューズを作っているブランドでもあります。2015年、キプランの製品に対する顧客満足度は4.04(5点満点)でした。そしてカーボンプレート入りのシューズを作り始めた2022年時点では4.46というかなり高い満足度となっており、私たちはプロダクトに対して大きな自信を持っています」とキプランのプロダクトマネージャーを務めるマティアス・ヴァルケニエ氏。
 カーボンプレートを搭載したトップレーシングシューズの開発をスタートすると同時に、シューズの機能を客観的に評価するパフォーマンスインデックスというものを導入したそうだ。
 「パフォーマンスインデックスというのは、バイオメカニストやサイエティスト、ドクターとともに作ったもので、さまざまなデータを取得してシューズの機能性を評価するものです。2022年に発売したKD900Xの時点ではそれほど高いスコアではありませんでしたが、現行モデルのKD900X LD+は他社製品を上回る結果が出ています」
ランナーからも高い評価を得ているカーボンプレート入りのレーシングモデル「KD900X LD+」
実際、キプランのシューズを履いたアスリートも結果を残している。フランスを代表する長距離ランナーのジミー・グラシエ選手は、今年4月のヨーロッパ選手権のハーフマラソンでキプランのシューズとともに優勝。59分45秒という自己ベストをマークしている(2月に室内のショートトラック5000mを12分54秒92、3月にロード5kmを12分57秒で走り、それぞれヨーロッパ記録を更新)。

今秋には要注目のニューモデルが登場

今秋、限定発売を予定している「KD900X Lab」は、ブランド史上最軽量となる167g(サイズEUR42)を実現した、カーボンプレート搭載シューズ。
 「アッパーの素材にかなり軽量なものを使っているだけでなく、全てのエレメントが軽量になるようにデザインされています。ジミー・グラシエ選手が、このシューズのファーストトライでロード5kmのヨーロッパ記録を樹立したことからも、良いシューズだということがわかってもらえるのではないでしょうか」
 G型のカーボンプレートを搭載。フルイドテクノロジーという特許取得技術でソールユニットを作り上げたことで、フォームの反発力を最大限生かすことができるという。また接着剤を大幅に減らすことができ、環境負荷の低減、軽量化、よりスムーズなライド感が実現できたとのこと。発売が非常に楽しみなシューズだ。
今秋発売予定の「KD900X Lab」は、超軽量のレーシングモデル
ソールの成型にはフルイドテクノロジーという独自技術が使われている
「KD900X LD+」は、マラソンのレース用に設計されたハイパフォーマンスモデル。反発性に優れたフォーム素材とカーボンプレート、ユニークなソール構造が高い推進力を生む。
「KD900X LD+」34,900円(税込)
高い推進力を実現した「KD900X LD+」のソール構造
より幅広いレベルのランナーにフィットするのが「KD900X 2」。高い推進力が得られるだけでなく、クッション性、安定性のバランスも良く、快適に走ることができる。
「KD900X 2」21,900円(税込)
今後、日本での存在感が高まっていきそうな気配のあるキプランのシューズ。その動向に注目していきたい。

PROFILE

マティアス・ヴァルケニエ

キプラン プロダクト マネージャー – パフォーマンス シューズ

Text by Fumihito Kouzu

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